MSW未経験の方が転職してMSW として働く際のポイントをお伝えします。

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#1054 2020/04/23UP
MSW未経験の方が転職してMSW として働く際のポイントをお伝えします。
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転職してMSW として働き始める際に必要なものは何だと思いますか?心構えでしょうか、豊富な知識でしょうか? ここでは、私が現役のMSW として10年間働き続けてきて、初めてや転職でMSW として医療現場に飛び込み働く際に、最も大切なポイントをお伝えしていきたいと思います。また、現役で働かれていて他の病院へ転職を考えている方にも参考にしていただきたいと思います。

【MSW ってどんな仕事なのか?】

MSW とは、医療ソーシャルワーカーの略称で、社会福祉士を資格として所有する名所独占の専門職です。 老人ホームの相談員と違い、病院やクリニックなどの医療機関で働くことが多いため、医療知識や医療保険制度、介護保険制度に関する知識を備えている必要があります。もちろん、いきなり知識を豊富に備えることは難しいため、日々の業務の中で身に付けていく向上心が必要とされます。 医師や看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士など、多くの専門職と連携をとり、患者やその家族の希望を可能な限り叶えることこそがMSW の仕事と言えます。豊富な知識を有することも大切なことですが、MSW として患者の人生に関心を寄せ、患者の心に寄り添いながら支援を行っていく心構えも必要だと言えます。言葉では簡単に言えますが、いざ支援者として患者やその家族に向き合うとき、多くの難しさを感じます。なぜなら、患者やその家族は、病気や人生について、一人一人考え方や感じ方は異なり、MSW は一つ一つの事例に同じものはないという認識をもって、色眼鏡を通さず、フラットな姿勢での関わり方がとても大切になります。それはMSW 倫理綱領にもあるように、知識と経験と訓練で培われるものであり、業務をこなしながら日々切磋琢磨する人こそがMSW として適性があると言えるでしょう。

【老人ホームなどの介護保険分野の相談員からMSW に転職できる?】

老人ホームや地域包括支援センターなど、介護保険を主に取り扱う分野でこれまで働いて凝られた社会福祉士の方々が、医療分野に身を置くMSW として転職するとなると、躊躇いや戸惑いがありませんか? 私はありました。やはり、病院という職場はある意味特殊で、医師を頂点にある種のヒエラルキーが成り立っています。最近では、医師はだいぶ丸くなり働きやすくなったようには感じますが、医師の発言力や看護師の存在感は、他の職種とは異なるものがあるのも事実です。 とくに、大学病院など大規模な病院になればなるほど、その辺りは顕著になるように感じます。そして、このヒエラルキーは、決して病院全体だけに言えるのではなく、MSW の所属する医療相談室や医療連携室(病院によって名称は様々)でも同じことが言えるのです。 例えば、大学病院などのMSW は10人前後で構成されることは珍しくなく、女性メンバーがまだまだ多いこともあり、「お局様」的なメンバーが存在することもしばしばあります。そういった人間関係においては、、MSW として自分自身が働きやすくするためにも、コミュニケーション能力は非常に大切ですし、他職種とのやりとりにも必要なものだと言えます。そして、理不尽な辛さに耐えうる忍耐力や精神力も備えていくことが必ず求められます。つまり、介護保険分野で働いてこられた方が経験の少ない医師や多くの看護師を相手にすること、またMSW 内の上下関係に上手く付き合っていけるか、という点が職場での働きやすさや働き甲斐に繋がると言えます。職場の人間関係については、次に詳しくご紹介していきたいと思います。

【病院という職場での人間関係】

先程簡単にご紹介したように、病院という職場には目に見えないピラミッドが存在します。これは、殆んどの病院で言えることだと思います。頂点に医師がいて、看護師や薬剤師など力関係が割りとはっきりしています。私はこれまでの経験から、最も患者への影響力があるのは看護師だと考えていますが、患者の家族や職員の多くは、まだまだ「お医者様」な考え方なわけなのです。 そういった視点で転職先の職場を考えたときに、他の職種がどんな専門職なのかを理解することはもちろんのこと、医師や看護師一人一人の性格を把握し、コミュニケーションをとっていくことが大切です。例えば、「Aという医師は外来担当日は忙しくて機嫌が悪い」ということが予めわかっているのであれば、その前後で相談をし予定を立てやすくする工夫をします。また「Bという看護師は普段から他人の言うことを聞かないけど、男性職員からなら素直に聞いてくれる」のであれば、自部署の男性MSW をフィルターとしてコミュニケーションをとるといいでしょう。 一見馬鹿らしいと思える小さなことですが、院内連携は小さなことの積み重ねでお互いの信頼関係が成り立ちます。MSW としてはもちろんですが、人として相手とどう接していくのか、どう工夫していくのか、専門性だけでなく人間性も同時に問われる仕事ですし、患者や家族はMSW としての貴方をそういって視点でも見ていると思います。 つまり、「病院」だから、「医療」だからと物怖じする必要はなく、今まで皆さんが培ってきたコミュニケーション能力を試行錯誤しながら最大限に発揮すれば、きっと通用します。知識や技術といったものは、正直後付けでも間に合うでしょう。学ぶ姿勢、MSW としての自分なりの芯を大切に突き進んでください。

【ストレスコントロールを身に付ける】

MSW は非常にストレスの溜まりやすい仕事だと思います。毎日のストレスコントロールをどう行うかで、MSW として仕事をどれだけ継続できるかが決まるでしょう。しかし、ストレスをコントロールするのは容易ではありません。 例えば、職場でストレスを感じる場面は、挙げればキリがありませんが、多くは医師と患者家族の板挟みになる、はたまた患者家族内の仲介役とならなければいけないこともあるでしょう。そんな場面では、理不尽な想いをすることもあるかと思います。そんなときにMSW の業務内容を理解してくれるのは他職種の誰でもないMSW しかいません。真に話を理解し、共感しアドバイスをくれるのは、とくに同じ職場のMSW に他ならないでしょう。そのため、もし職場に複数のMSW 所属しているのであれば、相談できる関係性を作っておくのが良いでしょう。そうでなければ、自分一人で溜め込むことになり、MSW としての寿命を縮めることになります。もし、職場にMSW が貴方しかいないのであれば、研修や地域のMSW 会などで、外部のMSW とパイプを作ることをお勧めします。 このストレスコントロールが上手くできるようになることは、次にお伝えるするMSW としての経験を積むことに直結するため、是非転職後に試してもらいたいと思います。

【継続は力なり!MSW としての成功体験が何よりの自信になる】

MSW として何よりも大事にしてもらいたいのが、「経験」です。一年や二年でMSW とは異なる職種へ転職する方が少なくない中で、MSW としてある程度の経験年数を積むことはとても価値があります。なぜなら、毎日が過酷な業務であるといっても過言ではないMSW の仕事ですから、3年、5年、それ以上継続して続けられていることは自分自身が精神的に強くなっていると同時に、様々な事例に携わることができていることであり、自然と知識や技術が身に付いているものです。その中で、自分自身でできたこととできなかったこと、笑ったり泣いたりすることが貴方を間違いなく成長させてくれるでしょう。一般的にもよく言われますが、3年経験してようやっとMSW として一人前のスタートが切れると思いますから、まずはそこまで一喜一憂しながら日々を邁進していきましょう。

まとめ

いかがでしたか? 医療知識が必要なMSW だからといって、物怖じすることは一切ありません。大切なのは転職後の仕事に対する姿勢や働きやすい環境を、自分自身で試行錯誤して調整していくことにあります。例え暗闇のなかにいても、長く続けることで光が見えてくることもあります。 MSW へ転職を考えている方にとって、一歩を踏み出すための後押しになれば幸いです。

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