看護師として、特別養護老人ホームで働くこともありますね。その特別養護老人ホームで働く看護師と言うのは、通常の病院勤務の看護師とは少し違う安全配慮が必要となります。ここでは、特別養護老人ホームで働く看護師に必要な安全配慮のコツについてご紹介します。
・採血時に注意する事
特別養護老人ホームであっても、入所者の健康管理のために採血を実施することがあります。病院で入院をしている患者さんほどではありませんが、時々行います。その時、通常の患者さんと違い、配慮が必要となるのです。
その一つとして、駆血帯は縛り過ぎないようにします。お年寄りの場合は、痛みに鈍感となっているので、いたいということを伝えない場合もあります。特に入所者の中にはそのことについて、分からずにそのままされるままになっていることもあるのです。その人の場合は、看護師が特に注意をすることが大切です。それは、痛みを訴えないのでこちらが配慮することが重要なのです。特にそれは駆血帯でも同様のことが言えます。駆血帯を縛りすぎてしまうと、あざになることがあるからです。その人の特徴を知り、縛り過ぎないようにしましょう。また、駆血帯は洋服の上から縛るようにします。そうすることにより、肌へのダメージが少なくなります。
採血をする場合は、針を入れる時に血管が細いので直ぐに破けてしまうことを想定しなければなりません。一度失敗をしてしまうと、恐怖を抱かせることになります。我慢強い人もいますが、そうでないとても不安がり入所者の方が多いです。一回で採血をして失敗をしてしまった場合は出来たらほかの人に変わって実施してもらうことも一つの方法です。
そして血管がもろい事とその後に出血をしやすいので、しばらく採血後におさえることが重要です。気づいたら、出血をしていたということになるからです。しっかり止血されていることを確認して、その場所を離れるようにしましょう。
・入浴時の観察のコツ
入浴を介助する場合は、立ち上がりなどの時にしっかり支えることが大切となります。入所者さんは、しっかりしている人もいますがそのことを信じてその場所を離れてしまうと座り込んでしまうことがあるのです。足が弱っているので、少しの時間ならその場所を離れても大丈夫だろうと信じ込むことは危険です。少しでも離れることがないように、しっかり抑える、そばを離れないようにします。
また観察として、入浴時は全身を観察できる一番良い機会です。その時に、あざがある、かきむしって出血しているなどの場合は、処置を行います。処置は医師の指示のもとで軟膏などを塗布します。ひどい場合は、指示を仰ぐことも必要です。
入浴が終了すると、素早く体をふくようにします。お年寄りの場合は、特に寒さに弱くさむさを訴えることが多いからです。少しでも早くふいて乾かして上げるようにしましょう。
移動をする場合は、足が車椅子に触っていないか、手は安全な位置にあるのかなど安全配慮を怠らないようにしましょう。
・食事で配慮する事
食事を介助する時に、最も注意をするのは誤嚥に注意をすることです。早く食事を済ませたいという気持ちが介助をする方にはありますが、急がせることはとても危険です。そのことをしっかり頭において介助をします。
咳き込んでいるなどの場合は特に注意が必要です。もしもの時に備えて、吸引ができるようにいつでも使える準備をしておきましょう。
・識別確認は重要
特別養護老人ホームの入所者の場合は、病院のようにネームバンドなどの識別をしていないことがあります。そのことから識別確認について、特に注意をして行うことが大切です。似たようなお年寄りばかりなので、特に注意が必要なのです。その人と思い込んでしまい、処置などをすると大変なことになります。特に大変となるのは、なんといっても入所者を間違って内服をさせることです。違う人の内服薬を内服させてしまうと、たちまち命の危険があります。血圧の薬などを間違うと、血圧が急に下がり命が危なくなるのです。そのことを思うと、しっかり識別を確認するようにしましょう。入室する前に、その人の部屋であるのか確認をします。その後は、ベッドネームを確認します。そしてその当人であることをしっかり確認をしましょう。もしも自信がない場合は、別のスタッフに確認をしたりして思い込むことがないようにします。
本人に確認をしても、はいと返事をすることがあります。本人に確認をしたので大丈夫と言うことはありません。そのことをしっかり頭に抑えておきましょう。
・コミュニケーションが大事
普段と少し違うなど、些細は変化に気づくことは特別養護老人ホームではとても重要です。話すことができない人など、向こうからアクションとして示すことができない人が多いからです。その場合は、看護師がいち早く気づくことが大事です。
その時、なんとなくおかしいと思うのは普段の会話で気づくこともあります。普段からコミュニケーションをとり、そのことに気づけるようにします。
また入所者とのコミュニケーションをとることにより、自分も仕事がしやすくなります。それはなんといっても、処置などの時にこの看護師さんならという気持ちを持って協力してもらうことができるからです。
入所者の中には、ほとんど言葉を発しない人もいます。しかし理解していることもあるのです。処置を行う時には、必ず処置を行うことを入院患者さんに伝えるように言葉で説明を行いましょう。それはとても重要です。
・家族との関係も大事
家族との関係についても、とても重要視します。
それは家族にとっては変わっていく入所者の姿を見て、ある程度葛藤を持つことがあるからです。こんなに老けてしまった、ボケてしまった等ショックを受けることがあります。
そしてそのショックをスタッフにどうしてなのかと詰め寄ることもあるのです。ひどい場合は、訴えるという人もいるかもしれません。今の時代は、施設での虐待などのことが報道されているので、スタッフに対して厳しい目で判断することもあります。そのことから、家族との関係を良好に保つことはとても大切なことです。
その時、度々話をしている場合は、そんなに詰め寄られることはありません。あまり話をしない場合は、不安になりその行動を示すことがあります。入所者の家族が面会にきた場合などは、必ず声をかけてコミュニケーションを取るようにしましょう。
そのようにすることにより、日々の変化について家族が知ることができます。また信頼関係を築いていると、家族としても信頼して預けても大丈夫と思ってもらうことができるのです。
面会が少ない家族の場合は、特に必須です。必ず声をかけて、様子を伝えるようにしましょう。
・介護士との情報を共有する
介護士は、看護師よりもより入所者のことを理解しています。それは一番身近で介助をしているからです。そのことから看護師は、介護士との情報を共有できる機会を多く持ちましょう。特に委員会などを作ると、その場所で共有することができます。医療者として、そのことはとても重要ですね。
・健康管理は特に大事
入所者は、ちょっとしたことでも悪化することがあります。例えば、風邪をひいた時はたちまち肺炎を起こしてしまうこともあるのです。抵抗力が弱いので、その結果、そんな状態になることも少なくありません。
その時、安全面として一番大事なのは自らの健康配慮です。健康でいることが、一番大切です。もしも風邪をひいている場合は、仕事をすることは控えましょう。そして自分が感染源となることを防ぐようにします。またほかの入所者からの感染も厳重に行います。マスクをする、風邪をひかないように生活を心がけるなど気をつけるようにします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?特別養護老人ホームでは、病院の患者さん以上に安全面で配慮することが大切です。自分ができないと思った場合は、介護士やそのほかの看護師などの協力を得て、安全面を怠らないようにしたいですね。コミュニケーションは、特に重要です。そのことも仕事で重要な位置づけにして、仕事をしていきましょう。
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