看護師を目指す皆さんは、これまで数多くの知識や技術を習得し、誰かの助けとなるべく励んできたと思います。ですが、そんな皆さんでも履歴書の書き方や面接のポイントなどに関しては、まだまだ知識不足なのではないでしょうか?
1・看護師を目指す皆さんへ
就職において、皆さんがまず一番はじめに気にするべき点は「自分に合った職場」を見つけることです。たとえば「家から近かった」「給料がよかった」「受かりやすそうだった」などの理由で就職先を選んだ多くの方は、後々あまり良い結果にならないことが多いのです。 それというのも「なんとなく」で選んだ職場と、「どうしてもここに就職したい」という気持ちで選んだ職場とでは、どうしても履歴書の書き方や面接での受け答えの熱意に差が出てしまいます。 面接官はプロですので、そういった熱意の差を敏感に察知し、あなたにとって答えにくい質問を繰り出してくることもあります。 また、実際に就職して働いているうちに「自分は本当にここで仕事をしていけるのか」と不安に思うことも多々あるでしょう。 本当に熱意をもって入った職場であれば、そういった疑問を抱くことは少なくなるはずです。 看護師の仕事は激務ですし、他人の命にもかかわる仕事です。当然、業務の中で先輩スタッフから怒られたり、注意されたりすることも多くなります。そんな大変な日々を乗り越えるためには「熱意」が必要です。 就職においては、まず「どのような苦難を味わおうとも、一人前の看護師になってみせる」という気概を持って臨める職場を選ぶことが重要なのです。
2・より良い履歴書作成はリサーチから
履歴書を書くコツなどは、もしかすると学校の先生や先輩などから教わることもあるかもしれません。たとえば「自分のスキルをわかりやすく記載する」であったり「どのような方法で職場に貢献できるかを記載する」であったりが代表的な例となるでしょうか。 もちろんそれは間違いではありません。 ですが、さらにもう1歩踏み込んでアドバイスをするなら「就職先について徹底的に調べたうえで、職場の色に合わせた履歴書を書く」というものがあげられます。 たとえば「最新のリハビリ設備が整った医院」に就職したいのに「昔ながらの治療方法やリハビリについて多くの知識を備えています」と書いたところで、書類選考の担当者からしてみれば「そういったスキルは必要ない」ということになり、選考から外されてしまうことにもあり得ます。 どれだけ面接に自信があったとしても、まずは書類選考を突破しないことには意味がありませんので、そういった意味でも就職先に関する下調べは何よりも時間をかけて行うべき項目であるといえるでしょう。 また、この際調べた内容は面接時にも大いに役に立ちます。 医院のHPを熟読する。医院の理念や治療方針を自分なりにかみ砕き、理解するなどして、より「医院の求める人材」らしさを前面にアピールした履歴書作成に臨みましょう。
3・自己PRの書き方について
自己PRと言われても、今一何を書けばいいのかわからない、という方はいませんか? かくいう自分もそういった疑問を抱き続け、結果何社も落ちてしまったという経験があります。 そうして多くの履歴書を書く中で、自分なりに「書類選考をパスしやすい自己PR」というものが見えてきました。 ここで私が紹介することが「正解」とは限りませんが、何かの参考になることもあると思いますので、ぜひご一読いただければと思います。 自己PRの定番とされるポイントの中に「自分の長所、短所」について客観的な視点で述べる、というものがあります。 多くの方は少しでも自分をよく見せようと思うからか、ここで長所について述べがちになってしまいます。ですが、人間は不完全な生き物ですので、どうしたって長所だけでなく、短所も出てきます。 では、短所について正直に書くことが良いのかというと、その答えは「否」となります。 たとえば「人と会話することが苦手」という短所を例に出してみましょう。 この場合、履歴書の自己PR欄には「積極的なコミュニケーションよりも、1歩引いた位置から、冷静に状況を分析することを重視する性格」というような書き方をしてみるなどはいかがでしょうか? このようにして、短所であっても「メリット」に絡めた書き方ができれば、より自分を客観視できている文章が書けるかと思います。 また、長所に関しても1点注意しておいてほしいことがあります。 それは「思いついたことを何でも書かない」ということです。 たとえば看護師の業務で「PCを使ってイラストを描くのが得意です」なんて書いたところで、それが何の役に立つのか?ということになりますよね? 長所は「看護師として業務を行ううえで役立ちそうな内容」かどうかをしっかりと吟味したうえで、2つか3つに絞って書くのがちょうどよいかと思います。
4・面接時の心構えについて
人間には向き不向きというものがあります。たとえ技術や知識、履歴書に問題がなくても面接が苦手な人は、やはりどうしても就職には不利になってしまうように思います。 たとえどのような仕事であれ、突き詰めて言えば「人と人」との関わり合いとなります。仕事をくれる人がいて、仕事を遂行するあなたがいて……そうして、業務は成り立つのです。そのため面接が苦手な人、つまりコミュニケーションが苦手な人よりは、コミュニケーションが得意な人のほうが受かりやすいのはどうしたって避けられない事実なのです。 ですが、ここで悲観的になってはいけません。 たとえば日頃から「自分はコミュニケーションが苦手」だと思っている人は、面接時の表情や態度に、それがありありと浮かんでしまう傾向にあります。 苦手をすぐに克服するこは難しいかもしれませんが、面接前から悲観的……あるいは、不安な心持ちでいても仕方がないように思います。 気分を楽にして「ちょっと友達とお話しするだけ」といったように、いっそ割り切ってリラックスした気持ちで面接に臨んでみてはいかがでしょうか? あまり緊張していると面接官から「緊張してますか?」と聞かれることにもなりかねません。 面接官は「同僚になるかもしれないあなた」のことを色々と知りたいと思ってくれています。 ですからあなたの方も「自分の職場や先輩スタッフ」のことを多く知りたい、と思いながら面接に臨んでみるのがよいでしょう。 熱意を持つことは大事ですが、決して空回りしないよう、冷静に……そして、リラックスした気分で「面接」ではなく「会話」を心がけて面接会場へ向かってください。
5・面接時のやり取り
面接の際、言葉に詰まってしまって思うようにしゃべれなかった、という経験がある方はいませんか? その原因は「質問内容をある程度予習してきたことによる油断」や「想定外の質問をされて戸惑ってしまう」ことが主であるように感じられます。 面接官は時々意地悪な質問をしてきます。 そういった、あなたにとって答えにくい質問に対して、どう返答するのかを面接官は観察しているのです。 慌ててしまって、トンチンカンな返答を返したり、言葉に詰まって無言になったりしてしまわないよう注意してください。 まずは冷静になって「質問を整理する」ことに努めましょう。 面接官の問いを復唱するなどして、無言の時間を作らない。 無言になる際には「少し考えていいですか?」と断りを入れる。 など、工夫をすることで冷静さを取り戻してください。 この時「早く答えないと」と焦ってしまっては逆効果です。 面接時の返答は「心持ちゆっくりとしたペース」で行うよう努めるのがよいでしょう。 また「もしも自分が焦っている」と感じた時は、そっと手の甲をつねるなどして刺激を与えることも効果的ですので、ぜひ覚えておいてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 今回、自分の経験や面接担当者から聞いた話をもとに、履歴書の書き方、自己PRの書き方、面接時の対応を主としてお話させていただきました。 皆さんが「なりたい自分」になるためには、それにふさわしい職場選びが重要です。 長く熱意をもって働ける、よい職場に巡り合えればよいですね。
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