訪問看護師は在宅医療を担う重要な仕事。病院とは異なり、思いもがけないことがトラブルに発展することも少なくありません。そこで今回は、訪問看護師になるために気を付けておきたい二つのポイントをご紹介していきます。
人は見た目で判断してはいけない、またするべきではないといっても、大体の人は外見から相手のことを見ていくものですよね。外見は簡単に知ることが出来るからなんです。
著者である私は現在訪問看護師として勤務していますが、同じ事業所の訪問看護師の中には、出禁になっている家などがあります。なぜ出禁になってしまったのか?大きなトラブルを起こしたわけでもないけれど、その利用者さんと相性が合わないというのが大きな理由です。相性が合わないというのは、感情的な問題もあり原因もさまざまなあるといえますが、時には、利用者さんの一方的な思いが時にその理由につながることがあるのです。
そこで今回は、第一印象を大きく左右する外見について、いくつかのポイントをご紹介します。訪問看護師になる方法の一つとしてぜひ参考にしてみてください。
・茶髪、タメ口は厳禁!
社会人として接遇を考えたとき、どこでも会話の仕方、敬語、口調、間の取り方を指導されることはよくあります。看護師の新人教育の際にも良く教育される項目の一つであるため、理解している看護師も多いです。
しかしながら、看護師として経験を積んでくると、ファッションから茶髪にする人は少なくありません。また高齢者に親しみを込めてタメ口になってしまう看護師もいるのです。
訪問看護師になった時、一番注意されたことがこの二つでした。若い同世代の看護師間では茶髪にすることはファッション性から許容されるかもしれない、しかし高齢者の中には茶髪であることを嫌う人もいるというのです。
確かに高齢者は私たち看護師の年代は、息子、娘、あるいは孫に近い年代。そのため茶髪であることが軽々しく見えてしまうことがあるのですね。そのため自然と嫌悪感を抱いてしまうことがあるのです。それが相性が合わない、この看護師は出禁ということにつながることも。
また高齢者に話かける時に、端的、明瞭に、そして理解しやすい言葉で話をするのが鉄則。そこでついつい方言丸出しでタメ口になってしまう看護師もいるのです。高齢者の中には、耳が遠く会話を理解することが難しい人もいます。その場合は、方言で話をすることもあるでしょう。しかしながら、これまで社会に貢献するために一生懸命に仕事をしてきて、それなりの地位を築いてきた人も多いです。また苦労してきた人も多いのも確か。
それを若い看護師にタメ口で会話されると、気分を害してしまう人もいるのですね。
そのような理由から、訪問看護師になるときには、会話の仕方に注意をすることがとても重要です。
以上のことをふまえて、訪問看護師になるときには、見た目の印象を左右する茶髪は厳禁、また敬語を使用して相手を気遣う声掛けの方法を学ぶ必要があるといえます。
・色気のある女性は注意が必要
訪問看護師は、病院で勤務する看護師とは異なり、ジャージで町の中を駆け回っています。ジャージが制服なんですから、色気も何もないだろうと思われるかもしれません。しかし自然と女性らしさが出ている看護師もいるので注意が必要なのです。
利用者の中には、男性も女性もいますが、寝たきりの男性の中には、若い訪問看護師が来ることを好む人もいます。それは優しいからというだけではありません。動くことが出来ない、でも人間として本能的に持っている性的な感情はあるという意味からなんです。そして定期的に訪問してくる看護師の手を握ってくる、性的な発言をするということも少なくないのです。
これらのことは決して珍しいことではありません。私たちもそれを理解しているので、なるべく女性らしさは出さず、軽く受け流す程度で利用者に接します。もしも相手の行動に度が過ぎれば、ケアマネなどに間に入ってもらう、訪問看護師二人体制で訪問に入るなどという対処をします。なかなか改善しない場合、原因となる看護師の出禁。それでも改善しない時は最終的には訪問を終了するということもあります。
もしも訪問を終了されたら利用者も困りますよね。また継続性が必要な利用者の介護や看護をそのままで終了させるのは私たちも不本意です。そのためお互いが納得できるように話し合いの場を持つこともあります。
ただこれらはトラブルのもとになるので、始めから訪問看護でも対処しています。例えば、制服のポロシャツの下には、必ず長袖Tシャツなどを着て、下着や素肌が見えないようにするといった衣類の調整は基本的なこと。屈んでも腕を持ち上げても素肌が見えないように必ずTシャツは着用しています。
また利用者さんと信頼関係のしっかりとれる年配の訪問看護師を割り当てるといったことも重要です。訪問が長くなると、いろいろな話をするようになりますが、利用者さん、その家族と適度な距離感をとって接することも重要です。それがあとでトラブルにならないように配慮する私たちの大切な仕事の一つです。
私たちは毎日どの利用者を訪問するか調整します。その際に、色気のある看護師は結構注意して訪問先を選ぶ必要があるのですね。それが訪問看護ステーションの所長の頭を悩ませるところでもあるのです。
訪問看護師の世界はまだまだ女性の看護師が多いです。私たちのステーションでも女性ばかり。利用者がたとえ女性であっても、その家族にはニートの息子がいたり…どこでも男性がいるものです。そのため問題にならないようにあらかじめ対処をすることが重要です。
訪問看護師になる方法として、自分に色気があるかどうかなんてわからないことが多いと思います。また仕事中には、全く女性らしさということを意識していない看護師がほとんどでしょう。しかしもしも実習をしている最中から、何らかの男性からの声掛けが多いなあ、性的な発言をされたことがあるなあという人は、注意したほうがいいと思われます。
まとめ
いかがでしたか?病院とは異なり、訪問看護師には違った視点で気を付けるべきものがあると感じられたでしょうか。接遇の面で当たり前だと思われることもありますが、これから訪問看護師になりたいと思っている人は、普段の生活のなかから、ヘアスタイルや会話の表現、また相手との距離の取り方などに気を付けておくことが大切だといえます。
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