作業療法士として就職するにあたっての必要スキルと心構え

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#1019 2020/03/20UP
作業療法士として就職するにあたっての必要スキルと心構え
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作業療法士……所謂OTと呼ばれる職種を目指そうと思っている方や、作業療法士として病院への就職を考えている方に私自身の経験から、簡単にではありますが何点かアドバイスをさせていただければいいと思います。大変なこと、やりがい、心構えなど参考にしていただければ幸いです。

1・作業療法士になるためには

作業療法士として採用されるためには、国家資格を取得しておく必要があります。国家資格は、大学に行かずとも、専門学校で三年間の授業を受け、試験をパスすれば取得することが可能です。試験を受ける前に、約半年(3、4の現場に各1 ~3ヵ月ほど)の実習を受けるので、そこで自分の進路について改めて考え直す人も多いようです。事実、私もそのタイプでした。
作業療法士にも色々と種類……というか、専門性があり、主に担当することになる相手の層が違うのです。

2・作業療法士とはそもそも?

作業療法士とは、医師の指示のもとに「作業療法」を行う資格を持っている人のことを指します。
そのため、作業療法士の資格を持っているからといって、家族や友人に対してリハビリ指導をすることは違法となります。
あくまで「作業療法」を行う資格があるだけであり、どういった内容のリハビリなどを行うかを決めるのは作業療法士ではありません。
「身体障害者と精神障害者の応用動作能力と社会的適応能力を回復させること」を目的としており、そのためのサポートを行うのが作業療法士の役割なのです。

3・作業療法士として働いてみて

人の命や、今後の人生、生活に大きく関わる仕事になります。そのため、専門的な知識は必要ですし、業務中は常に気を張っておかなければなりません。ミスをすれば怒られ、上手く出来たとしてもそれが当然なので、褒められることはできません。一年間ほど病院で働いた経験がありますが、その間いつも大きなストレスに悩まされていたように思います。
こうして書くと、辛いことが多いように聞こえるかもしれません。
ですが、その一方でやりがいのある仕事でもある、というのが正直な感想です。たとえば、医療関係の知識が増えることや、自分の生活習慣などを見直す良い機会になること、そして患者さまから感謝されることが多い仕事でした。

4・現場に出てからの流れ

就職してから三ヶ月ほどの間は、先輩スタッフについてまわり、サポートばかりの日々でした。患者さまに自分一人で関わることはなく、また細かく先輩スタッフから注意を受ける毎日です。
三ヶ月が過ぎて、やっと自分一人で患者さんと関わる許可を貰えましたが、やはり状態や性格、リハビリの内容など一人一人異なるものです。そのため、初めて目にする症例であったり、イレギュラーな対応に迫られることも多々あり、いつも気が抜けません。常にオドオドビクビクしながら……けれど、それを患者さんに悟られないよう務めて笑顔を作りながら仕事をする毎日です。
私が務めていた院に就職して五年以上過ぎている先輩に「いつになったら慣れますか」と聞いてみたことがありますが、返って来た答えは「いつまでも慣れないし、慣れたらミスに繋がるから、慣れては駄目」というものでした。
その代わり、経験を積めば「自信」を得ることが出来るとのことです。

5・必要なスキルについて

まずは対話能力……コミュニケーション能力が、何を置いても重要であると感じました。患者さんの中には、自分の身体が自分の思うように動かないことに対して、強いストレスを感じている人もいらっしゃいます。そう言った方はリハビリに参加したがらなかったり、作業療法士や医師に対して攻撃的になっている場合もあります。ですが、だからと言って「はい、そうですか」と患者さまに対して何もしないわけにはいきません。
そのため、何を言われても笑顔で、優しく、そして分かりやすくリハビリをすることの意味や、目的を何度も何度もお話する必要がありました。患者さまから「分からない」と言われることが無いように、言葉を選ぶことも重要です。
ですが、コミュニケーションを重ねて信頼関係を結んでしまえば、患者さまもこちらの指示に従ってくれるようになりますし、攻撃的な言葉も使われなくなります。結局のところ、患者さまは不安で、そしてストレスが溜まっているのです。
その不安とストレスを出来る限り取り除いてあげるためにも、コミュニケーションは大切です。
また、私たち作業療法士も不安やストレスを抱えたまま仕事をするわけにはいきません。
不安は勉強を重ねることで取り除けます。
ストレスは、休日を使ってリフレッシュしましょう。

6・心構えについて

患者さまの中には、セクハラをしてくる人や、杖で殴ってくる人、罵詈雑言を吐きつけて来る人などもいます。私たちも人間ですので、そう言った患者さまに対して怒ったり、苛々したりしてしまうこともあるでしょう。ですが、それが仕事だから、と割り切ってあまり気にし過ぎないようにすることが大事なのではないかと思います。また、悩んでいることがあるのなら、先輩スタッフや医師に相談することで、解決する場合もあります。
人を頼って、人に頼られるような作業療法士を目指す。
そう言う心構えがあれば、多少辛くても、案外なんとかなるものです。

7・就職するなら

作業療法士として勤務するなら、大きな病院が良いかと思います。私が最初に勤務した病院は、個人経営の小さなところでした。先輩スタッフもいつも忙しそうで、アドバイスを聞いたり、教育を受けたりする時間がさほど確保できずに、半年ほどでそこは辞めてしまいました。次に勤務したのは、大きな病院です。募集人数が多かったこともありますが、何より設備が充実していたことや、新人教育に力を入れていたことがそこを選んだ一番の理由です。
学校で勉強をし、国家資格を取ったとはいえ素人です。
教科書と現場では、学べる内容も変わって来ます。
国家資格を取ったから、学校の成績が良かったからと慢心せずに「自分は素人で、何も知らない」という気持ちで就職すること、また、そう言った「新人」を受け入れてくれる就職先を探すことも、長く作業療法士を続けて行くうえで重要なのではないでしょうか。

まとめ

作業療法士の仕事は、大変なこと、分からないことの連続です。
怒られることも多いですし、人さまの命や今後の人生を預かる責任ある仕事でもあります。正直、ストレスも多いですが、その分やりがいもあります。また、お給料もなかなかに良い額が貰えますので、生活も安定します。作業療法士を目指している方がいるのなら「長く続けられそうか」「本当にその仕事がしたいのか」を、まずは一度考えてみるのがよいでしょう。もしも可能であれば、実際に作業療法士として働いている人に話を聞いてみると、悩みややりがい、現場の雰囲気など、詳しく聞くことができると思います。

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