看護師にはクリニックで働くのにもメリットがあり、最近は特に人気が高まってきました。クリニックに就職して働きたいと思っている人が押さえておくと良いポイントを紹介します。
クリニックは医療系で働きたい看護師の間で人気が高くなってきています。
特にワークライフバランスを重視していきたい人や患者との距離をできるだけ近くしたい人、高度な医療よりも身近な医療を大切にしたい人などから注目されているのがクリニックの特徴です。
クリニックを選ぶ上での心構えや自分に合っているクリニックの選び方のコツを理解すると、本当に働きたいと思える就職先を見つけ出せる可能性が高まります。
クリニックに就職したいときには病院への就職とは少し違う考え方を持つことが重要なので、考えるべきポイントを一通り把握しておきましょう。
・クリニックは基礎から専門まで幅広いスキルが必要
病院に就職するときにも専門の診療科目を決める必要が生じますが、総合病院を選ぶとジョブローテーションなどをして専門を決めるまでに時間を確保できることもよくあります。
しかし、クリニックの場合には専門病院を志望するときと同様に基本的には専門の診療科目を就職活動の時点で決めてしまわなければなりません。
一般内科や皮膚科、消化器内科や呼吸器内科などの保険診療が中心のクリニックだけでなく、美容クリニックや性病クリニックなどのように自由診療がほとんどのところもあります。
診療科目の違いに加えて、どのような診療をしていくかというクリニックごとの方針によって身につけなければならない専門スキルも異なっています。
大病院や大学病院のように高度医療を行っているケースもあるため、就職先によっては基礎から専門まで幅広いスキルが求められることもないわけではありません。看護学生が就職する時点でそんなに高度なスキルを身につけていることはあまりないでしょう。
しかし、すぐにスキルを習得して一人前になるのを期待されている傾向が病院に比べても強いのが一般的です。
クリニックではかなり看護師の人数が少ない場合が多く、誰もが一通りの仕事をこなせることが求められます。
何か一つに特化したスキルを手に入れられれば大丈夫ということは稀で、幅広くスキルを学んでいかなければなりません。学習意欲の高さや貪欲さが求められるということは念頭に置いておきましょう。
受け身ではなく前向きに学んで頑張っていきたいという気持ちを持っている人ならすぐにスキルを習得して活躍できるようになると考えられます。
・大手クリニックと個人クリニックの間の大きな違い
就職先を選ぶときには大手クリニックにするか個人クリニックにするかで悩むことがよくあります。
重要なのは違いを理解しておくことで、特に考えておきたいのが教育のあり方です。
一般的に大手クリニックでは初期研修が行われ、基本的なスキルや知識、仕事をする上での姿勢などについて学ぶ機会があります。
それに対して個人クリニックではOJTが基本になっていて、現場で実際に手を動かしながら学んでいく形になるのが通例です。
個人クリニックでは現場での教育が充実しているとは限らないという点にも注意が必要な点で、看護師の人数がかなり限られている影響であまり手厚い教育を受けられない場合が多くなっています。
教育が必要な時期にだけ派遣看護師を雇って教育に割ける時間を確保するといったことができる大手クリニックとは大きな差が生じてしまうのは確かです。
ただ、その分だけ初期から主体的に考えながら仕事をする機会を手に入れられるのは個人クリニックのメリットでしょう。
また、個人クリニックの方が規模が小さく、医師や他のスタッフともコミュニケーションとを取りやすいのが一般的です。
小さなコミュニティーの中で働くのが性に合っている人は個人クリニックに向いています。
複数のクリニックや診療科を抱えている大手とは違って個人クリニックには転勤や異動がないという点もメリットで、安定して働きやすい環境が手に入るでしょう。どちらにもメリットもデメリットもあるので自分に合っているのはどちらかという視点で比較してみるのが重要です。
・ワークライフバランス重視の人が注意すべき待遇
病院に比べてクリニックの方がワークライフバランスを充実させやすいからクリニックに就職したいという人は待遇について十分に注意することが大切です。
夜勤がない、残業が少ないというのがよく言われている魅力ですが、必ずしもどのクリニックでも当てはまることではありません。
ベッドのあるクリニックでは病院と同じように夜勤があります。
また、看護師の数がかなり少なく、書類処理が多いクリニックでは毎日のように残業が発生することがあります。
同様に気をつけておいた方が良いのが休日や休憩時間の位置付けです。
休診日が休みだと考えてしまいがちですが、休診日にも検診などに対応していて出勤が必要なクリニックもあります。
また、午前と午後の診療の間に時間があるクリニックでは、その時間が休憩時間になっていて自由行動ができるところもあれば、検診や各種検査の受託などに対応することが求められるところもあるので注意が必要です。
ワークライフバランスを考える上で役に立つ福利厚生が整っているかを確認するのも重要になります。
一般的には病院に比べると福利厚生は充実していない傾向があり、育児やキャリアに関する支援はあまり整っていない場合がほとんどです。
必要な福利厚生が何かを考えて就職先の候補を探すようにしましょう。
このような待遇の実態は募集要項から判断できることもありますが、残業の実態などは書面的な情報からは判断できない場合が多いでしょう。面接のときに定時通りに働いているのが普通なのかといった形で質問をしてどのくらいの残業があるのかを暗に聞いてみるのが良い方法です。
まとめ
このように就職先としてクリニックを選びたいと思ったら、スキルを幅広く学ぶ意欲があるかをよく考え、大手クリニックと個人クリニックの違いを理解して選ぶことが大切です。また、ワークライフバランスを重視する人は待遇についても細かく吟味して納得できる就職先を探すようにしましょう。
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