周りには子育てと仕事を両立している人が多いけれど、どうやっているのだろうと思ったことはありませんか?
育児休業を終え元の職場に看護師として復帰するにあたりどのようなことを準備しておいたほうが良いのでしょうか?
そのコツやポイントについて私の体験談をもとにお伝えしたいと思います。と、知っておけば対策できることをまとめて徹底解説していきます。
看護師として働きながら結婚・出産という新たな人生の節目を迎えられるというのは嬉しいことですよね。その反面長い間仕事から離れることになるけど大丈夫なのだろうか?仕事復帰となれば夜勤は?土日勤務や残業ってなれば育児はどうしようと考えることがあります。そのため心身共に気力体力が必要なことから退職を選ぶ看護師も少なくありません。
看護師という免許があれば働く施設はいくらでも探すことが出来ますが、幼い子どもを抱えながら転職先を探したり、新たな環境の中で病院独自のやり方を覚えたり、一から人間関係を築いていくというのは心身ともに大変な作業です。その点産休前と同じ職場であれば業務に入りやすいという利点があります。
ここでは、産休・育休制度を利用し、いざ育休明け元の職場で看護師として働く上でのコツやポイントを見ていきましょう。長男を出産、その後育児休業を利用し生後10か月で職場復帰した私の体験談を踏まえ紹介していきます。
職場復帰後の働き方にはどのようなものがあるのか?
1歳に満たない息子の子育てに悪戦苦闘しながらいきなりフルタイム・夜勤ありの勤務で復帰した私。私も夫の両親も遠方でありなかなか協力が得られず、色々準備していたつもりでも夫婦2人で乗り切るには色々な失敗がありました。
フルタイム復帰のメリットとしては、共働きのため生活が潤う・同僚と同じように勤務しているため気を遣う必要が無い・キャリア形成しやすいなどが挙げられます。しかしメリットとして、自分の自由な時間がほとんど無い・夜勤や不規則な勤務に加え家事や育児に追われ体調管理が大変・何より家族や子どもと一緒に過ごせる時間が極端に減ってしまうということがありました。
初めての子育て…初めて歩く姿も話す言葉も側で見ていたい、そんな親心も空しくただただ仕事と育児をこなす日々だったと思います。では、自分に余裕を持ちながら子育ても優先できる勤務は可能なのでしょうか?その一つに育児・介護休業法により3歳未満の子どもがいる労働者に労働時間の短縮、時間外勤務の制限をするなど「時短」という勤務方法が定められています。時短勤務にも1日の労働時間を短縮するものや、日勤だけの勤務、1週間に3日の勤務など病院によってその働き方も様々で、個人の生活環境やライフスタイルによって決めることが出来ます。
看護師のブランクがあっていきなりフルタイムは心配という人にとってもこの時短勤務は是非活用したい制度ですね。また時短勤務で復帰する場合、必ず職場との面談があると思いますが、ここで家庭の状況とどこまで自分ができるのかしっかり伝える事が大事となります。
どの病院も人手不足は深刻な問題だと思います。「家族に相談してみます」「夜勤も出来る時はします」と言った曖昧な返答は病院の思うつぼ。私も1歳を過ぎるまでは土日勤務・夜勤の免除といった条件を出していたにも関わらず1度でも条件を呑むとその後も同じような要求が続き、シフトを見ると夜勤だらけといった状況になったことを覚えています。このようにならないためにも、復帰の条件と要望は細かくはっきり伝え、本当に大丈夫と思えるまで変更には応じないことがポイントとなります。
中には時短勤務で復帰したけれど、周りがバタバタ働いているのに先に帰るのは申し訳ない、自分だけ土日は休みで皆大変そうなど負い目を感じる人もいるかもしれません。そんな時はとにかく周りに感謝の気持ちを伝えましょう。そして働いている時間は、仕事に打ち込み、出来る限りは同僚の手伝いも行う、病棟が忙しい時期で家族の協力得られる場合は出来る範囲で協力するといった誠意を見せることで職場のスタッフの協力も得やすくなります。同僚に対し出来ることは行い、病院管理者に対しては自分の意見を曲げない!というのは結構大事な要素だと思います。
家族の協力を得るには?事前に行いたい話し合いやトレーニングは?
次に気になるのが、復帰の目途は立ったけど家庭のことはどうしよう?ということだと思います。育児に家事…でも出来る時間は限られている、一人であれもこれもこなすには限界があります。得られる援助はすべて活用しながら勤務に備えましょう。
まず一番側に居て協力者となるのが夫です。育休中は家のことはすべて妻という人は多いでしょうが、夫がどれだけ協力してくれるかが仕事との両立には不可欠です。先にも述べたようにいきなり夜勤ありのフルタイム復帰した我が家は当然私の居ない間、息子の世話(食事・おむつ交換・寝かしつけ・保育園の送り迎え等)と夫自身の事に関して全て任せていました。
これまでママと離れたことが無いという家庭も多いと思いますが、いきなり全てをすることは夫にとっても、子どもにとっても難しいので普段の生活の中で少しずつ覚えてもらうことがコツです。
そして、ママ自身も食事は温めるだけに準備する、着替えや保育園の準備などは整えておく、家の掃除など完璧にしようと思わないといった気持ちと行動を変化することで、息子もパパと二人の時間を楽しむことが出来るようになりました。共働きのため家事分担をどのように担うか、復職後のシミュレーションを細かく行うこともスムーズに看護師として復帰するポイントになると思います。
それでも夫婦2人ではどうしようもないこともあります。保育園に行きだすと急な発熱・病気で迎えが必要になることもあります。祖父母が近くにいる場合には協力のお願いをしておく、具体的にかかりつけ小児科を知らせておく、普段の子どもの様子を伝えておくことといったことも大切です。
またうちは核家族で誰もいないという家庭には、育児の援助を受けたい人と育児の援助を行いたい人が会員となり育児を助け合うファミリーサポートセンターへの登録、市町村の子育て支援センターなどで行われる一時預かりや一時保育の利用、必要時はベビーシッターの利用といった方法もありますので検討してみるとよいかもしれません。
子どもを保育園に預けるにあたっての注意点は?
世間では待機児童問題が常に議論され、今年10月には保育園の無償化が始まり子育て家庭にとっては話題につきません。
看護師と子育ての両立にあたって、保育園の利用は不可欠です。職場の体制も家族の協力体制も整ったけど、保育園に入園できないとなれば復帰も厳しくなります。
妊娠中から保活を開始する人も多いと思いますが、地方であっても待機児童問題は深刻です。
年度途中からの入園は空きが無く、新年度入園の申請を余儀なくされる場合もあります。さらには新年度の入園でも1歳児クラスは希望者が多くは入れないこともしばしば。その為0歳の途中であっても4月からの入園を希望し早めに職場復帰する方も多いのが現状です。
また、4月の保育園入園と同時復帰は「慣らし保育」を行う園もあるため、その間の協力者を探す必要があります。多くの自治体では認可保育園入園の条件として、保育園入園日の翌月初日までに職場復帰することとしているところも多いため、それを逆に活用し4月保育園入園、5月から職場復帰を考えるのもコツかもしれません。
また職場に院内託児所を設けている病院では十分に活用する価値があると思います。我が家の場合も始めは託児所を利用していましたが、院内に子どもがいるという安心感、母乳育児のため哺乳瓶を受け付けなかったことから自分の休憩中に授乳に行ったりする融通も聞かせてもらえました。
家事育児を楽にするあれこれ
最後に私が看護師として復帰後あって便利だったなと思うものを紹介します。仕事をしているといかに家事を楽にし、子どもとの時間を作るかが課題でした。そんな時、洗濯乾燥付き除湿器や食器乾燥機、ルンバといった家電には助けられ、中でも小型の冷凍庫は重宝しました。
買い物に行く時間がとれなかったり、家族が温められるだけに作り置きを保存したり、時には冷凍食品を利用するうえで通常の冷蔵庫の冷凍室では足りず、別に冷凍庫を購入することで食事の準備がとてもスムーズになりました。
育児の上では、夜勤等もしていると保育園への送迎が違う家族になることは多々あります。その為各車にチャイルドシートを準備しておけば急な迎えの変更等にも対応することが出来ました。それぞれの家庭環境によって必要な便利グッズは様々でしょうが、十分に活用すると生活にゆとりが生まれることでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
育児も楽しみたいけど、看護師も続けたいという人は多いと思います。決して楽ではありませんが、職場復帰の方法や家族を含めた周りのサポート体制、保育園利用など事前の準備を整えておくことでスムーズに復帰することも可能です。そして新たな生活のリズムがつくと気持ちにも余裕が出来、看護師としても母親としてもさらに成長できると気がします。そして母親として日常生活で得た経験は看護師の糧となるはずです。
きっとあなたの看護を必要としている患者さんも沢山いるはずです。もし仕事復帰をどうしようと考えていれば、少しずつ生活を整え育児も十分に楽しみながら看護師との両立を目指してみませんか。
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