看護師や准看護師、保健師、助産師などの看護職の求人は他の職種と比較し就職先の選択肢は多いです。人材不足も重なり採用状況良好です。良い病院を選ぶためにも正しい履歴書、職歴書が重要。あなたの自己PRはどんな内容ですか?学校生活で精を出したエピソードなど。書けることが沢山あるからこそ、内容に困る人も多いのです。就活生時代10病院に履歴書を出し全て通過した現役看護師による自己PRのポイントを解説します。
①パソコンではなく手書きで書く
就職に向けた第一関門の履歴書は必ず手書きで書きましょう。最近ではパソコンで履歴書を作成する方も増えてきましたがやはり手書きの履歴書の方が好まれるケースが多いです。
また、書き損じてしまった場合には、修正テープやホワイト(修正液)で直さずに、新しい履歴書に書き直しましょう。
修正テープを使っている履歴書は、あまり印象が良くなく、応募の意欲が低いのではないかと思われてしまうことがあります。
思わぬ書き損じに備えて、履歴書は記入する1枚だけではなく、予め余裕をもった数を用意しましょう。
② 文字は丁寧に清書する
文字は丁寧に書きましょう。「文字は人を現す」とも言われ、文字の綺麗さよりむしろ就職に向けた採用側は「文字の書き方」を見ています。
例えば、雑な書き方ではないか、欄に対して文字が小さすぎないか、誤字脱字がないかなどです。 文字が記入欄からはみ出したり、字が曲がったりナナメになったりしないように気をつけましょう。
略字も使わない方が無難です。
文字がその方の性格を表すと考える採用者も多く、上記のようなポイントは良く見られていますので、できれば「鉛筆等で下書きをしてからボールペンで清書する」事をおすすめします。
③ 空白や空欄は極力なくす
空欄がなく、丁寧に書いた履歴書からはやはりやる気を感じ取る事ができます。
逆に空欄が目立ったり、文章量が極端に少ない履歴書ではやる気を疑われる事になりますのでしっかり書きましょう。
また、フリガナの欄にはちゃんとフリガナを記入しましょう。
「フリガナ」とカタカナで書かれていればカタカナで、「ふりがな」とひらがなで書かれていればひらがなでカナを振ります。
① 日付
履歴書を書いた日付ではなく、提出する日付を記載します。
② 写真
面接後に履歴書を見ながら採用を考える、履歴書を見ながら他のスタッフと相談するという事は良くあります。
写真も手を抜かず、しっかり 3ヶ月以内に撮影した証明写真を貼りましょう。
はがれないようにしっかり貼り付けることをお忘れなく。
まれに糊付けを忘れて、履歴書と写真を別々に持ってきてしまう人がいますが、いい加減な印象を与えてしまうのでこれはNG。 スナップ写真の切り抜きやスマートフォンのアプリを使った写真加工、プリクラなどを履歴書に貼るのは絶対にやめましょう。
③ 経歴
学歴は、中学卒業以降の入学/卒業を記入する。高校は省略せずに「高等学校」と書きましょう。
新卒の就職活動の場合には、現在通学している学校を「卒業見込み」とします。
職歴は、現在までの入職・退職を記入します。看護以外の職歴がある場合はそれも忘れずに。
経歴はすべて省略せずに正しく書きましょう。在職中の場合、「現在に至る」、退職した場合は「一身上の都合で退職」と記載しましょう。
在学中に看護助手としてアルバイトをしていた場合などには、記載することでアピールポイントにすることができます。
ただし、ファーストフードやコンビニなど、在学中に行っていた業務と無関係のアルバイトを記載する必要はありません。
記載が済んだら、次の行の右端に「以上」と記載します。
④ 免許・資格
看護師免許、准看護師免許、保健師免許、助産師免許については必ず記載しましょう。
実際の免許証を確認し、取得の年月を間違えないように気をつけてください。
新卒の就職活動で、まだ看護師免許等を取得していない場合には20xx年3月看護師免許取得見込みと記載します。
他の資格についても省略せずに正式名称で記載しましょう。英検3級など、級数が低く仕事と関係が薄い資格は、書かない方が無難です。
ただし、業務に関係するものであれば、必ずしも国家資格だけではなく、通信講座などで取得したいわゆる民間資格を記載することも可能です。
なお、運転免許は書いて問題ありません。訪問看護ステーションや往診のクリニックであれば運転免許は必ず記載しましょう。 ”
また、理学療法士や保育士、歯科衛生士など、医療・福祉関係の資格(免許)を持っている場合には、大きなアピールポイントになりますので必ず記載しましょう。
⑤ 志望動機
志望動機の欄は、履歴書の中でも特に重要な項目ですので、しっかりと書きましょう。
志望動機がしっかり書けている履歴書からは、応募に対する熱意が伝わり、印象がよくなります。
逆に、明らかに手を抜いた内容であったり、文字数が極端に少なかったりすると、応募に対する熱意がないと判断され、印象が悪くなるので要注意です。
「面倒くさい」、「何を書いたら良いかわからない」などの理由で空白にしてしまうのはもってのほかです。
応募先の病院やクリニックなどの印象をグッとよくする志望動機を書けるように頑張りましょう。
まず、「貴院の診療理念に共感したため」などのありきたりなフレーズはだめです。
また、「家から近かったため」、「給与が高いため」、「土日休みであったため」など、条件面だけの志望動機ですと、もっと良い条件の職場が見つかれば辞めてしまうかもしれないと思われてしまい、募集事業所から敬遠されがちです。
例え条件面に一番惹かれたとしても、ホームページなどで病院やクリニックの特徴を調べ、興味を持ったきっかけやどんな部分に魅力を感じるのかを、自身のキャリアや目標、提供したい看護業務と結び付けて具体的に書きましょう。
書き方が分からず困ってしまう方は、下記「パターン別の印象のよい志望動機例」を参考にしてみてください。
また、前の職場の退職理由を記載する場合は、愚痴や文句にならないよう前向きな内容で記載しましょう。 面接でも質問される可能性が高いので、口頭でも自然に答えられるようにしておきたいですね。
※応募先について、病院やクリニックに対しては「貴院(きいん)」または「御院(おんいん)」、介護施設等を運営している企業に対しては「貴社(きしゃ)」または「御社(おんしゃ)」という言葉を使います。
面接時にも同様の言葉を使いますので覚えておきましょう。
特に、書面やメールなどの「文語」の場合は「貴院」「貴社」という言葉を使う方が良いとされています。
さて、皆さんが一番悩むのは志望動機だと思います。そこで、他の人に差を付けるポイントを紹介します。
・「私はバイト先でバイトリーダーとして、後輩や新人の教育を任されていました」
・「看護の世界で人のためにお役に立ちたいと考えました」
・「半年間アメリカで留学をしていました」
一見よくある自己PRですが、「よくある」からこそ落とし穴があります。
この「留学」「お役に立ちたい」「バイトリーダー」の3つのワードですが、耳にタコができるほど多くの学生から聞くワードです。
ただでさえ聞き飽きるワードな上、内容が薄いと正直履歴書を受け取った担当者は「で?」となってしまいます。バイトリーダーは役職としては弱いですし、留学も今や経験も珍しくない時代だからです。「お役に立ちたい」は人の命を預かる病院では当たり前のです。むしろ、その気持ちがない人は看護職として働いてはいけないと考えます。
なのであえてそれを避け、自分だけの特別なエピソードを盛り込むのも一つの手だと思います。
実際に私は就活の面接で、彼氏の話や家族の話を自己PRに盛り込みました。
『ゼロから企画をすることが得意で、学校の文化祭でサプライズを計画して、こんなことに取り組みました』
『三人姉妹の末っ子で、とても自由に育ってきたので冒険心が強く自分で何でも考えて処理する能力があります』
など、必ず自分をアピールするセリフを含めたうえで一味違う自己PRをすることで、印象にも残りやすく、また嘘偽りなく話せるので自分自身も気持ちが楽になります。
実はこれがかなり有効で、某大学病院の役員面接でも、『学校の企画はまだ続いているの?』と聞かれるくらい印象に残っていたみたいです。
しかし、正直これは難易度が高く、コミュニケーション能力に自信のある方にしかお勧めできません。
そこで「5W1H手法」を用いることをお勧めします。5W1Hとは文章の要素を整理し組み立てる際に用いる手法です。
これは自己PRだけでなく、社会人になってプレゼンテーションや教育でも非常に重要な項目なので是非覚えておいてください。
what (何を:内容)
why (何故:目的)
who (誰が:人)
where(どこで:場所)
when (いつまで:期間)
how (どのように:手段)
例えば「留学」にフォーカスを当てます。留学にも語学・異文化交流・経営勉強・研究・旅行(娯楽)など目的が様々で『アメリカに半年間留学しました』だけでは、そもそもなぜアメリカなのか、何をしに行ったのかが分かりません。
この場合は『ネイティブの英語が話せるようになりたいので(why)アメリカの語学学校(where)で半年間(when)英語を学びました(what)』と置き換えてみましょう。
「留学」というキーワードは一切使っていないのに、海外で自分が何を学んだのか具体的に説明しているので面接官も深掘りしやすい自己PRとなります。
その後の面接でも、ここまで考えた上で臨めば、あらぬ方向から質問を受けたとしてもしっかり答えることが出来ます。
バイトやサークルも同様に何年間働いていたのか(when)、どのようにチームワークを向上させたのか(how)のように要素を整理してから文章を作成してみましょう。
この5W1H手法を覚えることであらゆる応用もできます。
5W1Hに加えて、具体的な数字を入れてみましょう。
ここでいう具体的な数字というのは、結果や期間、規模のことを指します。
海外であれば滞在期間、TOIECの点数、資格の階級。バイトであれば勤続年数、社員人数。サークルであれば大会の規模、順位。
他にも習い事や趣味でもどれぐらい続けているか、大会実績などは非常に有効な要素になるので、思いつく数字はまず文章に加えてみましょう。
数字というのはシンプルに能力の判断ができる素晴らしい文字です。
『英語が得意です』と『英語が得意なのでTOIECで700点取りました』では、明らかに後者の方が能力が高いと判断できますね。
ただしここで一つ重要な注意点があります。
シンプルに能力の判断が出来るからこそ、マイナスイメージになるような数字は逆に取り込んではいけません。
例えばマイナースポーツで競技人口50人ほどの全国大会で1位になったのと、野球や水泳などの何万人もいる競技人口の全国大会で1位になるのだと、どちらが凄いと思えますか?
『競技人口どのくらいなの?』と聞かれ、ガッカリされるような数字だと判断する場合は、含めない方が得策です。
マイナースポーツでもどれだけ1位を獲ることが難しいのか等説明することが出来ればどんどんアピールすることは就職するためには重要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
履歴書は自分の字でしっかり、丁寧に記し、自分の長所やスキルをアピールすることの重要性が分かってもらえたのではないでしょうか。自身の良い所、自信があるところをしっかり詳しく記入しましょう。「看護師として病院で働く上で役に立つこと」をPRするという目的を忘れないように。看護職に関係のないアピールをしても、自己PRにはなりません。看護師としての現場経験がない看護学生の皆さんの場合、職歴をアピールすることはできないので、自分の性格、過去の経験などから、看護師として貢献できそうな要素をピックアップしてPRにつなげましょう。皆さんが素晴らしいナースとして羽ばたける日を心待ちにしています。
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