MSWの急性期病院から慢性期病院への転職。やりがいよりも環境が大事。

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#946 2020/01/07UP
MSWの急性期病院から慢性期病院への転職。やりがいよりも環境が大事。
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元々有名急性期病院に勤めていましたが、転職して現在MSWとして働いている病院は田舎の時代遅れの病院です。キャリアや給料は、前者のほうが全然いいのですが、2年で転職を決め、後者の病院に入職。勤務は7年続いています。転職先を選ぶ際のポイントを経験談から話します。MSWは多様性のある仕事なので一概に言えませんが、僕の経験が転職を考えている方や新卒の方の参考になれば幸いです。選ぶとどんなメリットがあるのかとについてご紹介します。

僕が転職をした理由:

MSWの新卒での就職は「急性期病院」を希望する人が多いと思います。大学の就職指導からも「最初は急性期にいったほうがいい」などと言われることが多いです。
僕は国家資格を取得後、新卒で「超急性期」いわゆるスーパー救急の病院へ入職しました。そこは地域でもかなりの有名病院で、全国の中でも最先端の治療や患者サービスを行っている病院でした。
もちろん就職試験は狭き門で「運」で合格したようなものでしたが、当時の僕としては期待に満ちており、その病院で働けることを誇りに思っているところもありました。
入職後は「入院をした患者さんを2週間以内に退院をさせなければならない」という流れの中で、毎日が目まぐるしく過ぎていきました。
実際の病院の中身は、新人ソーシャルワーカーの教育体制もできておらず、大した指導もありませんでしたが、僕は必至で毎日を過ごしていました。

〇主な仕事

外来からの受診相談
入院患者との生活場面面接
相談業務
入院・退院の調整
入院時の診察に同席
病棟カンファレンスへの参加
退院前の支援会議

基本的には1人の患者に1人のソーシャルワーカーという担当制で動いており、新人の僕も責任感をもって業務にあたっていたのですが、たくさんのケースをこなしている中で、自分の支援は正しいことをしているのか?間違っているのか?わからなくなってしまいました。
というのも、僕がイメージしていた病院のMSWと実際のMSWはギャップが大きく、医療業界は医師が中心でソーシャルワーカーには何の力もないということを肌で感じたからです。気づくとやりがいを失っていきました。

また、MSWという専門職以前のに社会人として未熟だったということもあり、他の職種・年上の人とどうコミュニケーションをとっていいのかも迷っていました。特に急性期の看護師は威圧的で、ナースセンターに行くと、新人の僕はいつも緊張している感じでした。

そういった心境・環境の中、一生懸命業務をこなしましたが、あいまいな対応をしていたせいか看護師や他の職種にも責められることもありました。

周りに相談しても解決せず、他職種に聞いても「そんなのはそちらが考えること」と言われ、どうしようもなくなってしまい・・・疲弊した結果、身体的にも精神的にも体調を崩しました。

虫垂炎で入院をしたり、精神的にも病んでしまい、職場にも行けなくなってしまいました。半年間休みをもらいましたが、そこから職場復帰をするのは困難でした。
この時僕は、24歳で2年間の勤務。実質1年半くらいしか働けてません。

転職を決める:

転職サイトなどで求人を探すとMSWの募集数は多かったりするのですが、介護業務があったりと専門職として理解のある職場は少ないです。そして、給料も安い。
いろいろと求人を探しましたが、僕の気持ちの中ではもうMSWはやりたくありませんでした。
結果、病院を退職後は警備の当直のアルバイトを始めました。そして、たまたま病院の当直担当になってしまいました。
その病院は、地域では昔から人生の最後を迎える人が入院をする高齢患者層中心の慢性期病院です。僕も昔から存在は知っていましたが「絶対にここには就職はしたくない」と思っていました。

なぜか僕が社会福祉士の資格をもっていることがバレてしまい、その慢性期病院のMSWとして働いてほしいと依頼がありました。
その病院は、前の職場からすると治療やサービスといった何もかもがレベルの低い病院でしたが、とても悩みましたが・・・アルバイトに比べて給料も良かったことから依頼を受けることにしました。

入職してみると業務も急性期とは真逆で患者の退院までの流れも遅く、患者層も高齢者ばかりだったことから、業務的には前の病院と比べるとはるかに簡単でした。

〇主な業務

入退院の調整
在院日数など数字の管理
雑務

しかし、考えていた通りにMSWという職種を理解していない人がほとんどで、前の病院のように専門職としての扱いを受けることはありませんでした。
もともと自分の職業に対して諦めの気持ちが大半であった僕ですが、そんな僕でもMSWとしてのやりがいという点では全くモチベーションの上がらない職場でした。なので「3年経ったら転職しよう」なんて考えていました(今思うと諦めの気持ちが大半だったからこそ、長く続いたのかなと思うこともあります)。

あまりにも業務が滅茶苦茶であったために業務を整理していく必要がありました。他の病院の勤務を経験をしているのが僕だけだったので、少ない知識ではありましたが、前の病院で培ってきた業務の知識やノウハウを取り入れるように上司に相談したり、自分でも実践していきました。

最初は僕自身嫌々ながら業務をこなしていましたが、職場にだんだんと「自分の居場所」ができたような感覚がありました。他社に頼られることも増え、前の病院ではちっぽけな存在としか思えなかった自分が少し自信を取り戻したような気がしたのです。

今では勤務年数が長くなってきたことで、同士も増えて以前の病院よりも働きやすい職場です。「いつか転職しよう」という気持ちは消えていませんが、今年で7年目になります。

最後に:

僕が転職を経験し、学んだ中で「今後再転職をするときに考えたいこと」は「居場所」です。やりがいも重要な要素なのですが、1番は「自分が働きやすい環境」ということが1番大事です。

「コミュニケーションが取れる仲間」や「気持ちに余裕が持てる職場環境」があれば、やりがいがなくてもなんとかなります。

周りからの評判などがどんなに良い職場でも自分にとって良い職場でなければ、働く意味がないです。

☆転職を決めるべき職場

やりがいがない
職場環境が悪い
人間関係が悪い

この3つの事項に1つでも該当していたら転職を考えるべきだとかんがえます。

☆長続きできる職場

やりがいがある
職場環境が良い
人間環境が良好

しかし、実際のところ環境が自分に合っているのかどうかを見極めてから入職するのは難しいと思います。なので、すべて職場任せという考えではなく、自分でも働きやすい環境づくりは必要です。コミュニケーションを取ったり、雰囲気作りを少なからずしていく必要があります。例えばですが、僕は1年に1回新人だけの忘年会などコミュニケーションと仲間づくりの場を作りました。つながりを増やしていくことで業務が円滑になりました。

もちろん嫌なこともたくさんありますが、ストレスを分かち合える仲間がいるだけでも全然職場の環境は違います。

まとめ

転職先に選ぶのは評判や給料ではなく「自分が働きやすい環境かどうか」ということが1番大事です。しかし、実際には中々見極めるのは難しいです。
職場だけに頼るのではなく、自分もスキルアップしたり、行動力を持ち「働きやすい環境づくり」を自分でしていかなければなりません。少しでも参考にしていただければ幸いです。

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