この記事を読む方には、これから看護師を目指す方、転職や再就職を考えている方など様々な方がいると思います。私は臨床経験が7年あり、色々な思いや理由を持って看護師として働いている方をたくさん見てきました。そして看護師として働く上で恐らくほとんどの方が経験するであろう『転職』。これを私は3回経験しています。そんな私だからこそ出来る、経験から学んだアドバイスをしていきたいと思います。
就職・転職の時に気を付けるべきポイントは3つあります。
①自分の譲れない条件を早くから書き出し、転職支援会社に恥ずかしがらず伝える。 ②『経験を積みたい』には覚悟が必要。 ③失敗を恐れたら転職は出来ない。 これらのポイントは私が実際に就職と転職を通して学んだことです。まず①から解説していきます。(以下①~③で記載)
①は就職や転職を考えた時に真っ先にしておくべきことです。
もっと言うと実際に行動する前から常に考えておくべきことです。職場で働いていると分かりますが、看護師の業務は本当に忙しいです。そんな中で「もうだめだ」や「次の職場に行きたい」と考えてから行動に移していては遅いです。これは看護師が売り手市場なことに繋がりますが、看護師の就職や転職の募集は1年中あります。しかし良い条件(自分の求める条件)の求人はハッキリ言ってすぐに見つかることは稀です。また転職サイトを利用する、誰かにアドバイスを求めるなどをしようと思っていても、そもそも自分の考えや条件がまとまっていなければアドバイスは浅いものになってしまいますし、自分の中にも響きません。考えや条件が中途半端であれば就職先もまた中途半端になる可能性が高くなり、再度転職してしまうという悪循環に繋がります。これは経験のない新人にも言えることです。「大きい病院でとりあえず経験を積みたい。」など漠然とした考えで就職するよりも、「私は消化器、呼吸器、循環器など幅広く身体について学んで、どこでも働ける看護師を目指したい。そのあとは家族との時間を持ちたいので定時で帰れる病院を探したい。」程度は将来像を持っておくべきと断言します。あくまで将来像で大丈夫です。計画を持つことは理想ですが、早めから興味を持って調べる姿勢が最も大切です。また、就職や転職を考えた時に転職支援会社(マイナビや看護のお仕事等)を利用する人は多いと思います。私も3回中2回は転職エージェントを利用しています。これは転職エージェントの方と話したことなのですが、「就職や転職を考える看護師の方で本気の方は条件が具体的なのですぐに分かります。しかし恥ずかしがっているのか年収面などの条件はあまり言わない方が多いです。エージェントの立場としては条件が具体的になればなるほど本気度が伝わりより良い所を探してあげようと思います。お金の面も一番に考えるところのはずなので遠慮せずにどんどん伝えてほしい。サポートしてその人が就職出来て続いていることを聞くとすごく嬉しく感じます。」と言われました。私はこの時経験4年目で転職を考えており、すでに1回転職経験があったため、より具体的に条件を提示していました。エージェントの方には無理な条件は無理とはっきり伝えてくださいと事前に伝えていたので本当にスムーズに希望の職場に転職できました。初めて転職したときは転職の条件提示は遠慮がちに言ってしまい、エージェントの方と上手くコミュニケーションがとれず数か月掛かって転職先を決めました。転職先は自分の思ったところと条件面などやや違っており、失敗するにしてもはっきりと自分の条件は伝えておくべきだったと後悔が強く残りました。転職エージェントの方とは、はっきり言って転職後に連絡をとることなどは稀です。具体的な条件を早くから考えておくことと、遠慮せずに転職エージェントに条件を伝えることが最も確かな転職支援会社の利用方法だと私は思います。
②は急性期病棟での勤務経験を志している方へのアドバイスです。
私の経験から言うと、新人から急性期病棟での勤務を経験することは本当にお勧めします。確かに業務は忙しく、命に直結することもたくさんあり、毎日怒られてばかりになると思います。しかし看護師として、また生きていく上で本当に得難い経験が出来ると思います。これは私の経験則からですが、数年急性期病棟で働いた場合、全身のアセスメント能力や入院から退院までの流れ、病院の役割、医師との関係性、看護師の仕事とは何かが大まかにではありますが嫌でも分かります。新人から急性期分野に飛び込み経験を積みたいと考えることも大きく覚悟が必要です。しかし新人の場合はスタッフのサポートが手厚く、怒られることが仕事のように考える一面もあるため正直慣れることが多いです。これに対して、私が最も伝えたいことは慢性期などの経験が既にあって急性期の経験を積みたいと飛び込んだ場合です。これは本当の意味で覚悟が必要です。実は私は後者なのですが、本当に辛かったです。自分のこれまでの看護師としての仕事は何だっただろうと毎日考える日々でした。一緒に入職した中途採用者もほとんど辞めていきました。けれどこの試練を耐えたことで得難い経験を得たことは事実です。経験のある看護師ほどプライドが邪魔してしまいアドバイスを素直にきくことが出来ません。しかし看護師の業務は同じ分野で同じ病院でも病棟が変われば大切にしている看護の視点が異なったりするためほとんどの場合が仕事が出来ない認定されてしまいます。これが本当にきついです。安易な気持ちでなければ応援しますが、何となく自分は経験が足りないからと飛び込もうとしている方はどうかもう一度、本当に学びたい意欲があるのかを考えてもらえたらと思います。
③は転職後に失敗したらどうしようと踏み込めない人へのアドバイスです。
ここで言えることは2つです。転職しなくてはいけないけれど、どうしても失敗したくない人は①を早くから実行してください。転職はしたいけれど、どうしてもではない人はそこでの経験をもう少し積んでみてください。焦ってただ辞めたいからとした転職は結局同じことの繰り返しです。読んでいるあなたが思っている以上に、ほとんどの看護師が辞めたいなと思いながら毎日頑張って働いています。辞めたいのはあなただけではありません。辞めるなと言っているわけでは決してありません。浅い考えで準備なくする転職だけはお勧めしません。自分と早くから話し合ってみてください。例外ですが、自分の精神状態などがはっきり把握できずに、ただ辛いことを耐えて心を悪くして辞めていく人をたまに見ます。この場合はすぐにでも辞めてください。次の日からでも辞めていいと本気で思います。確かに職場の人に迷惑は掛かりますし、良い印象は持たれないでしょう。それでもそれが足かせになり、やめられず心を壊すくらいなら準備など不要です。職場は一つではありません。また仕事も一つではありません。自分の心と体だけが一つなんです。忘れないで下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか?就職・転職の時に気を付けるべきポイントは3つ!特に皆さんにお伝えしたかったことは、早くから自分の中の働く病院の条件について考えておくことです。この『早くから』は、新卒であれば卒業の1年前から。勤務している方であれば、やめようと思う3か月は前から始めてください。この条件よりも早いほど良いと思います。是非参考にしてみてくださいね。
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