社会人を経験した後に、看護の道に進む人が増えています。厚生労働省によりますと、2017年度(平成29年度)に看護専門学校などに入学した40歳以上の人は10年前に比べて2・4倍に伸びているということです。元会社員や子育てが一段落した女性の姿も目立っています。体力的なハンディはありますが、人生経験や第三者的な視点に期待する声も根強いのが事実です。新たなステージで自分を輝かせてみてはいかがでしょうか。
一般的な社会人として何年か働いてから、看護師を目指して資格を取得して働いている人は、30代、40代、50代と多岐にわたります。 本気で「看護師になりたい」と思ったなら、クリアすべきハードルはありますが、年齢は関係なく可能性はあります。では、どうやって看護師資格を目指すのか。その方法には、大きく3つあります。
もっともシンプルな方法ですが、学校に通い看護師資格を取得する方法です。
会社員の場合は「働きながら」という点においては難しい方法です。まず、会社に長期休暇をもらう必要が出てきます。結婚している人ならば、退職し、学校に入学するのも1つの手です。看護師になるには高校卒業後、3年制か4年制の専門学校や短期大学の看護学科、もしくは4年制大学の看護学科などに通って卒業し、看護師国家試験を受験して合格する必要があります。 これらの看護学校に通うにはもちろん費用もかかりますし、入試に合格しないといけません。入学してからも授業や実習などで忙しく、働きながら通うのはあまり現実的ではありません。 学費や生活費などをある程度貯金が必要で、奨学金を利用するなどの方法で、資格習得を目指す方が多いようです。 ただ、もし看護学部でなくても4年制大学を卒業していれば、聖路加国際大学の看護学部3年次へ学士編入することができます。その場合、2年間看護学部で学んで卒業すれば、看護学学士と看護師国家試験の受験資格が同時に取得できます。 ただ、この編入制度は2017年度から始まったばかりなので、倍率や受験の傾向などつかみにくいかもしれません。
准看護師になるには、高校卒業後、2年制の准看護師養成学校に通い、准看護師試験を受験して合格することです。
准看護師養成学校は全日制なら週3日、定時制なら夜間のみで週5日の授業になるので、比較的時間が取りやすく、アルバイトなどで働きながら資格取得が目指せます。 しかし、准看護師だとできる看護に限りがあります。また、将来の正看護師資格を持っていた方が昇給しやすくなるなど、正看護師資格を取った方がメリットは大きいといえます。 このため、正看護師を目指せる方ならば正看護師資格を目指した方がいいかもしれません。 まず始めに准看護師を取得しておいて、働きながら後々、正看護師を目指すことも不可能ではありませんが、実務経験に加え、通信制の単位を取ることで受験資格が得るため、最終的に看護師になるまでにはそうとうな時間がかかります。 働きながらできるだけ費用を抑えることはできますが、例えば、先に正看護師資格を取得して5年働いた場合と、准看護師として5年働きながら正看護師になって働き始めた場合では、すべての収入合計に大きな差が生まれる可能性があります。はやり可能であれば正看護師を目指すこともお勧めです。
世間一般にいわれている『看護師』ですが、実際には2種類あります。
厚生労働大臣発行の国家資格である看護師と、都道府県知事発行の免許である准看護師です。准看護師の業務内容としては、看護師と同じように患者さんのケアを行います。しかし、看護師とは違い准看護師は「医師・歯科医師又は看護師の指示を受けて」業務を行います。 看護助手は医療行為はできませんが、看護師の助手として医療の現場で働けます。 資格は必要ないので、その分給料は看護師に比べて低いですが、実際に医療現場に携われる経験は貴重なものとなります。 看護助手の経験が資格取得の短縮に役立つかというと、期間が短くなるような制度はありませんが、ほかの仕事をしながら看護学校に通うよりは勉強になることがはるかに多いといえます。 看護助手として働きながら、看護師資格を取得する人をサポートする病院や施設もありますので、求人情報も見逃さないようにするのも重要になります。
准看護師になるメリットは、
1.2年間で資格が取得でき、費用も安い
・看護師よりも資格を取る期間が短いため、資格取得までにかかる費用が必然的に少ないということです。できるだけ早く看護職の仕事に就きたい、きちんと資格を持って働きたい、という人には最適の資格といえます。
2.働きながら資格取得ができる
・2年間の准看護師養成所では通学スタイルが異なります(①朝から夕方まで授業を行う全日制②平日の午後や夜間に授業を行う半日制)。ご自身の生活スタイルにあわせて選ぶことができ、働きながら資格取得することができます。事前に、志望する学校の時間割を確認し、仕事を持ちながらでも無理なく通えるかどうか確認しておくことが重要です。
3.准看護師試験の合格率は高く、同年に複数回の受験が可能
・准看護師試験は、各都道府県(6ブロック)で開催されており、出題内容・難易度は県によって多少異なるのですが合格率は全国平均97~98%と非常に高いです。また、試験日が各都道府県(6ブロック)異なるため、同年に複数回の受験が可能となります(各都道府県の准看護師試験受験要項に沿って願書提出・受理を要す)。
4.准看護師でも就職できる(就職が困難ではない)
・准看護師は中小の病院や精神科病院、クリニックや介護施設などには欠かせない存在です。仕事先に困ることはありません そこで、実例をご紹介したいと思います。
専門学校の教諭は「社会人学生は目的意識が明確で意欲的。他の学生を引っ張る存在として期待しています」と2人を高く評価しています。 短大、大学を含めた30歳以上の入学者は、2009年度の1509人から2246人と10年で1・5倍に増加していると言います。40歳以上は151人から359人に増加傾向を示しています。 背景には、少子化で学生減が見込まれる中、社会人経験者を増やしたい養成校側の事情があると言われています。小論文を試験科目に取り入れるなどし、配慮している学校も増えています。日本看護学校協議会では「社会人受け入れ枠を増やす動きが目立っています」と話しています。 女性が働く場は広がったが、安定した収入を得て働ける仕事は多くないのが現状です。看護師は国家資格を取得し、家庭と両立しながら働ける数少ない仕事の一つとして注目されています。若い看護師に比べ、夜勤などの勤務をこなす体力や技術習得のスピードなどで不利な面がある一方、異業種での仕事や介護、みとりを身近に感じた経験などが生かされるとの期待も高まっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。 どんなことでもそうですが、働きながらなにかを目指すというのは、容易なことではありません。それでもなお、看護師を目指す決意が固く、強い意志があれば、きっとやり遂げられると思います。 看護師の人手不足解消のためにも、看護師を目指す人へのサポートが国や地方自治体でも進められていますので、今後も新しい情報によって制度がかわってくることも期待できます。 お住いの地域の情報や厚生労働省、看護協会などのホームページなどもチェックして、自分に合う看護師資格取得方法を検討してみてくださいね。皆さんが素晴らしいナースに成長されることを願っています。
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