転職で見つけた、私が本当にやりたかった看護!

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#890 2019/11/13UP
転職で見つけた、私が本当にやりたかった看護!
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看護師として働きながら感じ始めた小さな疑問。
私の本当にやりたかった看護って何だろう?
思い切って転職したことで、本当にやりたかった看護に出会えることができました!そんな体験談をお話しします。

・私の看護感って何だろう?芽生え始めた疑問。

看護学校を卒業した後、多くの人は病院に就職すると思います。
病院での業務は日々激務ですが、たくさんの症例や技術に触れることで、最初の新卒のころとは見違えるくらいめきめきと看護スキルが上達していきます。
採血が上手になったり、緊急時にもしっかり対応ができるようになったり、経験年数が上がるにつれ任せてもらえる仕事にも責任感が増してきたり・・・
そんな病院での看護師としての仕事にやりがいを感じる方もいますが、中には少しずつ疑問を感じてくる人もいます。
私は後者のほうでした。
私が就職した病棟は一般内科病棟で、主に消化器内科、血液内科の患者さんが多い病棟でした。
元気になって退院していく方ももちろんいらっしゃいましたが、なかには看取りをすることも多々ありました。
多くの看取りを経験させていただく中で、私の中の小さな「疑問」がだんだんと大きくなっていったのです。

例えば、ガンの末期の患者さんが全身状態が悪化してきて自分で食べることをしなくなった。
こんな時、病院では多くの場合は経口摂取できなくなたぶんを補うように点滴が始まります。
もし、ご家族の希望がった場合は、鼻からチューブを入れたり胃に穴をあけて、そこから流動食を入れる選択肢もあります。
自分でトイレで排泄できなくなり、おむつを着用することになった場合は、看護業務の一つとして定期的に時間を決めておむつ交換をします。
また、自力便が出ない場合は浣腸の処置が必要になりますが、それも同様です。
これもれっきとした看護師としての大事な仕事です。

人は食べたいときに食べて、尿や便を催したらトイレに行って排泄する。食べたくないときには食べないし、したくないときにはトイレにも行かない。
でも病院では患者さんの気持ちは置き去りに、経管栄養をしたり、点滴を続ける。
経験のある方はご存じかもしれませんが、全身状態が悪くなってくると、栄養や水分を吸収・分解することもできなくなります。
すると、ますます状態は悪化し、浮腫がひどくなったり嘔吐が起こることもあります。痰も増えてくるので、吸引が必要になるかもしれません。

病棟勤務でこんな経験を積み重ねていくうちに、「人間らしさって何なんだろう。看取りって何なんだろう。私がしたかった看護は何なんだろう」
そんな気持ちが強くなる一方でした。

・思い切って転職

日々の看護業務の中で芽生え始めた疑問は、日々の看護業務の中で解決することはなく、より一層強くなってきました。
そんな時に、恩師の方から誘われたのがホームホスピスでした。
その恩師の方も、私と同じように、病院で経験した多くの看取りの中で感じた違和感を拭うことができず、ホームホスピスを立ち上げました。
現在少しずつ認知され始めたホームホスピスですが、その頃はあまり知られていない分野でした。
病院ではなく在宅で看取りをしたいけど、介護サービスを受けながらでも自宅での介護や看取りは難しいのが現実です。
ホームホスピスはそんな方々への手助けをするための施設でした。
見学へ行かせていただき、ホームホスピスでの方針や看護についていろいろ聞かせていただきました。
まず一番びっくりしたのが、入居者の方の多くは、全身状態が悪化し、経口摂取ができなくなったら経管栄養や持続点滴をするという選択をしないということでした。
人間らしさ、その人らしさを大切にした看取りをするためのお手伝いをすることが、ここでの看護だということでした。
病院に比べれば医療業務や処置の経験は格段に少なくなりますが、私がしたかった看護が、ここではきっとできる!と思えました。
約10年働いた病棟でしたが、思い切って転職しました。

・看護師として活躍できる場所

看護師が働く場所はどこでしょう?そう聞かれると、多くの方は「病院」と答えると思います。
ですが、看護師として働く場所は病院だけではありません。
また、看護師として提供できる「看護技術」は、採血をすることや医療処置をすることだけでもありません。
苦しんでいる方にそっと手を差し伸べて、体をさすってあげる、状態を把握して体勢を整えてあげる、たったこれだけのことでも重要な「看護」なのです。
看取りとは、十人十色で、同じものは一つとしてありません。
ですが、病棟勤務で経験してきた看取りにはなかったような、静かな看取り、穏やかな看取りが格段に多いように思います。
私が転職したホームホスピスでは、訪問看護も行っており、私も訪問へ行くこともあります。
病院を退院した後の方に携わることで、退院後の在宅での問題点、利用者様や家族の方々が抱えている不安などを知ることができました。
その人の生活に寄り添いながら看護を提供すること、人間性を尊重し少しでも高いQOLを得ることができるようにお手伝いすること、これが私が本当にやりたかった看護なんだと気づくことができました。
私は今回思い切って転職したホームホスピスで、本当にやりたかった看護を日々行えることにとても充実感を感じています。

看護感はひとそれぞれ違いますし、病棟での看護が十分ではないということではありません。
やはり、病棟業務は日々激務ですし、多くの入院患者さんに平等に質の高い看護を提供するためには効率的な看護業務は必要不可欠です。
特定の分野での看護技術を取得したいなど、病院でしか経験できないことや得ることのできないものもあります。
それと同様に、病院以外では、病院では経験できないことや知ることができないこともあるということです。
看護の世界はとても広いです。
充実した看護師としての経験を送るためには、自分の看護感を見つめなおし、自分が目指す看護を行える場所を探すためにも、転職はおおきなきっかけになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
「私の看護感」。看護師の皆さんは一度は考えたことがあるのではないのでしょうか?
新しい環境に飛び込むことはとても勇気のいることです。
もし、自分の中の看護感と、現在の環境での看護とにギャップを感じているのなら、一度立ち止まって広い看護の世界をのぞいてみるのもいいかもしれません。

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