介護施設への就職・転職を考えている方は不安な気持ちはもちろん、“どんな課が良いんだろう?““自分にはどんな施設が向いているんだろう?“と思うはずです。
私はこれまで実習でグループホーム、就職・転職でショートステイサービス、特別養護老人ホーム(ユニット型)、介護リハビリデイサービスに勤務した経験があります。
それを踏まえて今回は私が感じた点・仕事内容などをご紹介します。
1.グループホーム
グループホームは、家庭に近い環境で共同生活を送ることができる介護施設になります。
利用しているお年寄りの人数は基本的に5~10人程と非常に少ないです。
グループホームを利用しているお年寄りは65歳以上で要支援2または要介護1以上の方なので“寝たきり“という方はほとんど居なく、身の回りのことはある程度自分で行える方が多いです。
ですが車椅子を利用している方が比較的多いため、入浴介助やトイレ介助は必要です。
ベット上でのオムツ交換は基本的にないので仕事で腰を痛めるという心配はほとんどありません。
ちなみにグループホームでの主な仕事は食事の配膳・下膳・入浴介助・トイレ介助・食事作り・掃除です。
仕事内容は比較的簡単なものばかりで、利用しているお年寄りも少ないため介護施設への就職・転職が初めての方や、介護の仕事にブランクのある方でも働きやすい環境です。
また、勤務体制は基本的に早番・遅番・夜勤の3交代制です。
私がグループホームに携わって感じた点は、“良い距離間を保つ“ということの大切さです。
家庭に近い環境で共同生活をしているため利用しているお年寄りとスタッフは家族の様な関係の近さです。
そのためお年寄り同士が些細なことで言い合いになってしまったり、利用しているお年寄りがスタッフに対して強い口調で物事を言ってくるなんてこともあります。
家族の様な関係の近さだからこそお互いに本音を言えるのですが、良い距離間を保つことができないと仕事とプライベートのメリハリがつかない程適当な仕事のやり方になってしまいます。
それでは仕事をする上で事故が起きやすくなります。
もちろん利用しているお年寄りとの距離が近いことで他愛もない話が尽きないという良い点もあります。
グループホームへの就職・転職に向いている方は良い距離間を保ちながらプライベートと仕事のメリハリを付けることができる方かと思います。
2.ショートステイサービス
ショートステイサービスは、要介護のお年寄りが数日~1週間の短期入所ができる介護施設になります。
利用しているお年寄りの人数は大体20~40名程です。
施設内に特別養護老人ホームがあるショートステイサービスの場合、特別養護老人ホームの空きを待ちで毎日ショートステイサービスを利用しているお年寄りもいます。
特別養護老人ホームの空き待ちのお年寄りが3割、短期入所でのお年寄りが7割といったところです。
ショートステイサービスは要介護1~5の40歳以上の方が利用しており、自力で食事を食べる・トイレに行ける方は大体2割ほどです。
トイレ介助が必要な方は4割程、オムツ交換の方は4割程です。
日中のオムツ交換は大体4割程しか居ませんが、夜間は大体6割程がオムツ交換となります。
ちなみにショートステイでの主な仕事内容は短期入所の方の荷物チェック、食事の配膳・下膳、食事介助、入浴介助、ご家族宛ての連絡帳記入、掃除、トイレ誘導、おむつ交換です。
勤務体制は基本的に早番・遅番・夜勤となります。
私がショートステイサービスに勤務して感じた点は、“毎日が忙しい“ということです。
入所・退所が毎日5人前後なので、沢山の仕事をこなしながら入所者と退所者の荷物チェック、退所者のご家族宛ての連絡帳の記入をしなくてはなりません。
そのため勤務中はイレギュラーなことが多く、マニュアル通りや自分の思い通りに動くことができません。
ショートステイサービスへの就職・転職に向いている方は、臨機応変に対応ができ、細かい作業が好きな方かと思います。
また、お年寄りの入れ替わりが非常に激しいため、名前や病状等の暗記が必須になります。
そのため人の名前等を覚えることが得意な方はショートステイサービスでの勤務に向いていると思います。
ちなみに荷物チェックでは全ての物をチェックし、専用の用紙に記入しなくてはならないため大雑把な性格の方や、人の名前等を暗記することが苦手な方ははショートステイサービスでの勤務は向いていないです。
3.特別養護老人ホーム(ユニット型)
特別養護老人ホーム(ユニット型)は、入所しているお年寄り1人1人の個性と生活リズムに合わせたケアをし、それぞれの自立を尊重する介護施設です。
1人1部屋で、部屋の中にはトイレや洗面台などが完備されており、1人暮らしの様な間取りとなっています。
利用しているお年寄りは要介護3以上で、20~40人程が入所しています。
利用しているお年寄り1人1人の個性と生活リズム、自立の尊重をしている特別養護老人ホーム(ユニット型)ではありますが、自力でトイレに行くことができ、自力で食事ができる方は1割程しか居ません。
大体5割がトイレ介助が必須、4割がオムツ交換となっています。
食事介助が必要なのは1~2割程です。
ちなみに特別養護老人ホーム(ユニット型)の勤務体制は、基本的に早番・遅番・夜勤です。
主な仕事内容は食事の配膳・下膳、食事介助、掃除、入浴介助、トイレ介助、オムツ交換となります。
私が特別養護老人ホーム(ユニット型)に勤務して感じた点は、“理想としていた介護“という点です。
4ユニットで、1ユニットに居るお年寄りは10人前後と非常に少なく、1ユニットに2人のスタッフが就くため非常にまったりとした時間が流れています。
私は“お年寄りに寄り添った介護をしたい“と思っていたので、その理想に近い介護施設でした。
ですが、利用しているお年寄りが1ユニット10人前後と非常に少ないため、お年寄りの目が常に光っているというデメリットもありました。
例えば1人のお年寄りと凄く仲良くなってしまった場合、「あのスタッフはあの人にだけ良くしている」と思われてしまったり、少し強い口調で指摘や注意をすると「あのスタッフは性格が悪い」などと言われてしまうことがあります。
また、お年寄り同士で「あの人はスタッフが居ないとトイレに行けない」「食事を食べさせてもらわないと自分で食べられないなんて可哀想」などという陰口を言い合っていることもあります。
なので、特別養護老人ホーム(ユニット型)に勤務する際は常にお年寄りから見られているという意識で仕事をしなくてはなりません。
こうしたことから特別養護老人ホーム(ユニット型)への就職・転職が向いている方は、お年寄りにより寄り添った介護をしたいと考えてる方はもちろん、利用しているお年寄りに対して平等に接することができる方かと思います。
気に入ったお年寄りだけ良く接したり、嫌い・苦手なお年寄りには適当に接するといういわば極度の人の好き嫌いがあり、あからさまな態度を取ってしまう方は特別養護老人ホーム(ユニット型)は向いていなく、勤務するとなると利用しているお年寄りからよく思われず働きにくい環境になってしまいます。
4.介護リハビリデイサービス
介護リハビリデイサービスは、よく耳にする通所デイサービスとほとんど変わりません。
通所デイサービスは主にレクリエーションをメインとしていますが、介護リハビリデイサービスでは名前の通りリハビリをメインとした介護施設になります。
介護リハビリデイサービスを利用しているお年寄りは基本的に要支援1~2程で、人数は15~40人程となっています。
自宅で生活しているお年寄りが週に何度か利用する介護施設なので、日常生活のことは基本的に自分でできるお年寄りがほとんどです。
そのためオムツ交換が必要なお年寄りは居なく、トイレ介助が必要なお年寄りが4割程、トイレ誘導のみが必要なお年寄りが1割程で自力でトイレに行けるお年寄りが多く利用しています。
介護リハビリデイサービスの主な仕事は送迎、食事の配膳・下膳・入浴介助、トイレ介助・誘導、リハビリ介助、レクリエーションです。
勤務体制は日勤のみなので、「夜勤はできない・やりたくないけれど介護の仕事をしたい」と思っている方には働きやすい環境です。
私が介護リハビリデイサービスに勤務して感じた点は、“段取りの良さが大事“ということです。
約4時間の中で利用しているお年寄り全員に入浴・リハビリをさせなくてはならないため段取りが悪いと入浴は終わっているけれどリハビリメニューが全て終わっていないというお年寄りが出てきてしまいます。
また、利用している年寄りの中には「今日はリハビリをやりたくない」「今日はリハビリちょっとでいい」と言い出す方も居ます。
介護リハビリデイサービスはリハビリがメインの介護施設なので、「分かりました」という訳にはいきません。
利用しているお年寄りの体調に合わせてリハビリメニューの調節をすることは問題ありませんが、気分でリハビリをやりたがらないお年寄りには必ずリハビリをさせなくてはなりません。
なので、介護リハビリデイサービスへの就職・転職が向いている方は、良い意味でお年寄りを丸め込むことができ、車の運転が好きな方、そして日頃から段取りを意識して行動している方かと思います。
また、レクリエーションの時間があるのでゲームや体操を恥ずかしがらずに全力で先陣をきって行うことができる方は向いているかと思います。
お年寄りの言いなりになってしまったり、極度の恥ずかしがり屋の方は介護リハビリデイサービスは向いていないです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
介護施設はどれも似たような仕事内容ではありますが利用しているお年寄りの状態や人数が異なります。
また、介護の仕事は基本的に雑務が多く利用している1人1人のお年寄りの生活状況の記入や書類のまとめなどもあります。
毎日のやることが膨大だからこそ、その中でも自分に合った介護施設に就職・転職することで苦に感じることが少なく楽しみながら仕事をすることができます。
是非、介護施設への就職・転職の際には参考にしてみてください。に、皆様が素晴らしい教育機関、職場に巡り会えますように !!
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