手術室看護師って実際どんな仕事?現役看護師が詳しく紹介!

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#871 2019/10/26UP
手術室看護師って実際どんな仕事?現役看護師が詳しく紹介!
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最近、テレビドラマ等のメディアで題材とされることも多い手術の現場ですが、憧れやかっこいいと感じる方も多いのでないのでしょうか。
では、実際に手術室で働く看護師はどのような仕事なのでしょうか?メリットやデメリットなど、現役の手術室看護師がお話しします。

1.手術室看護師の業務とは?

手術室看護師は大きく分けて器械出し看護師(直接看護師)と外回り看護師(間接看護師)の2つの役割があります。
器械出し看護師とは、その名の通り手術で使用する器械の準備や片付け、手術中に医師へ器械を渡すというのが主な役割です。
世間の皆さんがイメージする”オペ看”というのもこちらが大半かと思います。
次に外回り看護師とは、患者さんの入室から麻酔導入、体位セッティング、手術中の管理、麻酔覚醒、退室までの看護を行う役割です。
患者さんが手術を安全に受けられるための大きな役割を担っています。
では、それぞれの役割について詳しくお伝えします。

2.器械出し看護師の役割とは?

器械出し看護師の仕事は、器械の準備から始まります。多くの術式では必要な物品はほとんど決まっています。
施設によってはマニュアル化されているところが多いでしょう。まずは、自身が担当する術式に必要な物品を準備します。
とはいえ、患者さんの病状や医師の好みなど、使用する物品は必ずしも毎回同じではありません。そのため、最終的には医師とコミュニケーションを図り、その日に使用する器械を決定するのです。手術に使用する器械は高額な医療材料が多くを占めるため取り扱いには要注意です。
そして、手術が開始されるまでに手術時手洗いを行い手術用滅菌ガウンを着用し、手術器具の準備を行い手術開始となります。
手術が開始されると医師の要求する器械を渡しますが、そのためには自分自身でも術式について知識がなければなりません。
手術器具にはハサミ1つをとっても、皮膚に使用するもの・血管に使用するもの・糸を切るのに使用するもの等々、用途によってさまざまな器械があります。
術野を確認しながら、手術の進行はどのような段階なのか?医師が今欲しているのはどのような器具なのか?この先に想定される危険はどのようなことがあるか?その危険にはどのような準備が必要か?など、手術の進行に沿って考え、行動することが必要となります。
手術が終了すると、使用した器械の片づけを行います。器具に破損はないか、数は揃っているかなど最終チェックを行います。

3.外回り看護師の役割とは?

外回り看護師は、担当の患者さんを手術室へ迎えることから始まります。ですので、その前に患者さんを迎え入れるための準備を万全にしておかなければなりません。患者さんの既往歴やアレルギー・感染症の有無、検査データの確認、これまでの経過等を把握しておきます。さらに、使用する部屋の最終チェックも行います。手術が安全に終了するためには事前の準備が重要となります。
患者さんが手術室へ入室すると、病棟看護師からの申し送りを受け患者さんを引き継ぎます。モニター類の装着や点滴ルートの確保を終えると麻酔導入となります。麻酔導入はもちろん麻酔科医が行いますが、患者さんの状態を観察し安全に麻酔がかかるのを確認します。麻酔がかかると気管挿管の介助を行います。そして、術式に準じて点滴ルートの追加や体位セッティングを行います。言うまでもないですが、この時すでに患者さんは麻酔がかかり意識がなく、筋弛緩薬の影響で身体に力が入らない状態です。そのため、体位セッティングの際は手術時間を考慮し、同一体位による褥瘡・神経障害の予防、手術による体温低下の予防に注意しなければなりません。また、術式によって仰臥位・側臥位・腹臥位・ジャックナイフ等々体位は異なります。医師の要望も確認しながら、患者さんの負担を最小限に抑えた体位の工夫が必要となります。
体位のセッティングが終わると手術開始となります。手術開始後はモニター監視にて麻酔科医や執刀医とコミュニケーションを図りながら患者さんを管理します。術中、追加で物品が必要となった場合や輸血が必要となった場合、緊急事態などにも対応します。外回り看護師はいわば手術におけるコーディネーターの役割を担っているといえます。手術が終了すると、麻酔科医にて麻酔覚醒し挿管チューブを抜きます。患者さんの状態が安定していることが確認できれば、退室となります。その際、入室時にはなかった皮膚損傷や神経障害がないか確認します。

4.手術室看護師のメリットは?

手術室の看護師は他の部署の看護師とは明らかに業務内容が異なります。より専門知識が必要とされ、解剖・術式・麻酔など全診療科の知識が必要となります。そのため、手術という分野に特化することができますし専門性を高めることができます。手術看護の分野には認定看護師もあります。より専門性を高めるということは転職にも有利になりますし、手術室看護師を経験しておくとブランクがあっても復職しやすいことが多いです。また、医師だけでなく臨床工学技士や放射線技師、医療機器メーカーなど多職種との連携を図ることができます。他にも、休日は予定手術がないですので他部署に比べるとカレンダー通りの休みが取りやすいです。さらに、手術室看護師には危険手当が付く施設が多いです。ただし、金額はその施設によって差がありますので確認してくださいね。

5.手術室看護師のデメリットは?

前述にもあるように、専門性が高いゆえに学習することが多く新人時代には苦労することも多いかもしれません。器械や術式を含めて覚えることはたくさんあります。また、よく言われることといえば他部署に比べて給料が低くなる施設が多いことです。夜間や休日は予定手術がないため勤務するのは2~3人程度です。そのため、他部署に比べて夜勤や休日出勤が少ないことが原因です。施設によってはオンコールの体制を取っているところもあるので、その場合はその分の手当てが付きます。

6.手術看護師におけるキャリアアップの方法は?

メリットでも少し述べましたが、手術看護認定看護師というものがあります。
役割としては「・手術侵襲を最小限にし、二次的合併症を予防するための安全管理(体温・体位管理、手術機材・機器の適切な管理)・周手術期(術前・中・後)における継続看護の実践」(日本看護協会HPより)です。取得方法は、看護師免許を取得後、実務経験を通算5年以上(うち3年以上は認定看護分野)積み、認定看護師教育機関を修了したのち認定看護師認定審査をうけ、合格すると認定看護師となることができます。
他にも日本手術学会が認定する手術看護実践指導看護師というものがあります。この認定制度は「手術看護の質の保証・実践力の向上・チームの指導的役割」を担う看護師を認定する制度です。(日本手術学会HPより)
手術看護実践指導看護師は申請資格を満たしていれば日本手術学会へ書類を提出し審査を受けたのち認定されます。
さらに、周術期管理チーム認定制度というものがあります。これは公益社団法人日本麻酔科学会が周術期診療の質の向上を目指し提唱しているものです。この制度は周術期管理チームメンバーとして麻酔科医・看護師・薬剤師・臨床工学技士を対象としています。申請資格を満たしたうえで書類審査・筆記試験によって認定されます。チーム医療が重要とされる医療現場において注目の認定制度です。施設によってはこれらの資格を保有していることで手当てが付く場合もあります。その点も踏まえてキャリアアップの1つの方法として3つの資格を挙げてみました。

まとめ

今回は、手術室看護師の仕事内容を中心にまとめてみました。
現在学生で手術看護に興味のある方、すでに看護師で手術室看護師を検討されている方、いろいろなことを書きましたが私自身、手術室看護師として働いていてとてもやりがいを感じます。患者さんと接する時間は非常に短いですがその分、麻酔がかかっている間の患者さんの安全はわたしたち看護師も大きく担っています。
最近ではロボット支援下での手術も話題になっておりメディアでも多く取り上げられています。手術看護の分野は今後さらに注目されています。ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。

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