訪問看護師は、在宅医療が注目される今、これからももっと需要が増える分野です。しかし興味はあっても不安が大きいからちょっと…と思う人も多いのではないでしょうか。そんな訪問看護師になるためのヒントをご紹介します。
訪問看護師は、在宅生活を送る人にとってはとても重要なカギを握る人材です。病院での滞在日数が短縮され、早期に自宅に戻る人も増えています。また入院して闘病生活を送っていても、これ以上治療の施しようがないという人は、最期を在宅で迎えたいと希望を持つ人もいます。高齢者が増えていく一方で、訪問看護師は重要なカギを握る人材なのです。
一方で訪問看護師はまだまだ不足しています。実際には訪問看護師に興味があるな、なりたいなと思っても、在宅で一人で利用者さんに向き合うことが出来るだろうか?看取りなんてできるのかな?という不安から、訪問看護師になることに躊躇する人は少なくありません。しかし訪問看護師は誰もが始めから知識を持ってなったわけではありません。誰もが初めて直面するケースから、勉強させてもらい成長を続けてきたのです。
そこで今回は訪問看護師になるために知っておきたいこと、方法をご紹介していきたいと思います。
・一つの科しか経験していなくても基本的な知識があれば問題なし
看護師になる前には、一通り看護についての知識や技術を勉強しているはずです。そして国家資格を得ているはずです。国家資格を得て就職して、一つの科しか経験していなくても訪問看護師になることはできます。それはベースに基本的な知識があるからなんです。
訪問看護で携わる利用者の中には、神経難病の人もいれば末期がんの人もいます。また精神疾患もいれば小児もいる…。利用者層も広く、対象疾患も多いのが特徴です。訪問の依頼を受けて、面談をする、初めて訪問する時には看護師誰もが戸惑うかもしれません。
しかしそれは訪問を願う利用者にとっても同じです。もしかするとこれまでさまざまな訪問看護ステーションに問い合わせたけれど、断られたという背景があるかもしれません。最後の砦として依頼をしてくるケースだって少なくないのです。
また在宅に帰りたいけれど、専門職の助けを借りなければ、その願いをかなえられないという場合もあるし、末期がんにおいては、今帰らなくてはもう帰ることはできないというタイミングの問題もあるため、非常に訪問看護は必要とされているのですね。
そのような期待が込められているので、依頼があった場合受ける前提で検討を重ねていく必要があるのです。そしてそれが、みんなで必要なことを勉強して学んでいくきっかけになるのです。
本来は看護師であればいろいろな知識や技術、方法を持っていて当然と言われることもあるかもしれません。しかしながら、だれもがすべての知識を持っているはずはないのです。誰かが得意分野を持っていればお互いに勉強しあうことだってできます。わからないことは研修に出て学ぶということもできますね。
訪問看護師は、経験を積みながら知識や技術を習得していくことが出来るので、一つの科しか経験しておらず不安という人でも大丈夫なのです。
・迷った時には利用者の声に耳を傾けよう
病院では医師に指示されたことは何が何でもこなさなくてはいけないと、限られた勤務時間内に忙しく動き回って患者にケアを行うことが少なくありません。患者が主体であるはずだけれど、段取りを考えたりするとどうしても看護師主体に動いてしまうことが多くなってしまうのです。
しかし訪問看護師として訪問する時には、お宅に伺うという立場なので利用者主体である意識が強くなります。そのため医師に指示された処置や点滴などは必ず行う必要があるけれど、清拭や栄養といったことは利用者の希望で判断することが出来るのです。
訪問看護師になった時には、限られた時間の中ですべてケアを行うことが出来るかしら?と不安を持つ人が多いですが、
実は利用者と相談しながら、ゆっくり処置を考えていくことが出来ます。例えば、1時間のうち必ず行う処置は20分。あとは清拭をするか?リハビリをするか?など体調などを見ながら一緒に考えることが出来るのです。
もちろん処置だけで1時間かかることもあるので、すべてが利用者の希望に沿うということはできません。また毎日訪問していれば、毎日異なるケアを相談しながらできるけれど、週一回の訪問ではやはり限られた時間で決まったことしかできないということも少なくありません。
しかしいずれにしても迷った時にはまず利用者の希望を聞いて、その日のケアを考えることが出来るので、その点では安心できるのではないでしょうか。病院の時のように、次から次へと仕事に追われる精神的な負担が少し異なるといえます。
・訪問看護師として重要なのは技術かコミュニケーションか?
訪問看護師として在宅医療にかかわるときには、技術も必要ですが、それ以上にコミュニケーションが重要です。訪問看護師は、利用者宅に訪問するとかかわるのは利用者だけではありません。そこは生活の場であるため、家族がいることもありますし、ケアマネやヘルパーなど多職種の人とかかわることだってあるのですね。
また在宅生活を送るうえで不安になることは、生活の継続や金銭にかかわること。そのため利用者の悩みは、病気のことだけではなく生活の不安も大きいのです。そこで私たちは、少しでも現在の生活を維持できるように、必要な医療的ケアを提供しながら、コミュニケーションを図ってその改善のために多職種でサポートすることが重要な課題になるのです。
利用者も不安があっても看護師にすべてを話してくれるわけではありませんね。もちろん長年の信頼関係があってからこそ成り立つものなのです。
また利用者自身が不安に感じることがなくても、介護する家族は強い不安を持っていることもあります。利用者のそばにいるのは家族です。家族の協力なしでは在宅生活を送ることは困難です。そのような家族をサポートするために、私たちは家族とも良好な信頼関係を築き、コミュニケーションを図る必要があります。
そこで訪問看護師として重要なのは、確かな技術とコミュニケーション。どちらも重要です。それを引き出すコミュニケーション能力を高めることが訪問看護師になるうえで重要であるといえます。
まとめ
いかがでしたか?訪問看護師は、仕事をしながら成長していくことが出来るので、必ずしも経験が豊富でなくてもなることが出来ます。また訪問看護師になるためにはコミュニケーション能力を磨くことの重要性も理解できましたか?
これからの時代は訪問看護師が必要とされるので、不安があっても少し勇気をもって飛び込んでみませんか?
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