看護の現場においてライフスタイルに応じた働き方を取り入れる病院も増えつつあります。小さなお子さんを持ちながらナースとして働き続けるためにどんなことに気をつければいいか、お伝えしたいと思います。
看護師は、まだまだ女性が圧倒的に多い職種です。
高校を卒業し、専門学校や大学に進学した後国家試験を経て晴れて看護師としてのスタートを切るのが21歳?22歳。人生のライフイベントから考えると結婚や出産の適齢期をすぐに迎えてしまいます。
実際には結婚して退職し、専業主婦の道を選ぶ方もいますが、多くは妊娠、出産後も頑張って取得した資格を活かして看護師として働き続けたいと考えると思います。しかし、仕事と育児の両立方法がわからず、結果退職の道を選ぶ方も少なくありません。私自身も、妊娠した時に今では有り得ないですが、「育児休暇を1年取る人はいない」と上司から言われ、やむなく退職を経験しました。せっかく志し、努力して看護師になったからには、働き続けるためにどんなことに注意すればよいか、考えてみましょう。
①病院選び
まず、最初に就職する際に気をつけておかなければいけません。
新卒として初めて就職する場合、決めてとして病院を選ぶポイントは、おそらく「教育体制が充実している」「キレイな寮がある」「福利厚生が充実している」「認定看護師等へのチャレンジ支援がある」といったところでしょうか?
しかし、1番最初に働く病院こそ、慎重に選ぶべきではないでしょうか。
自分が妊娠、出産することを想定して、「ママさんナースはどのくらいいるのか」「託児施設は充実しているか」子育て中に必ず経験する、急な休みに対応してもらえるのか(年次有給休暇の取得率が高い)、子育てしながら働いていける環境があるだろうかという点も注目すべき内容です。
ママさんナースとして再就職や転職を考えている方にも病院選びでは、その点を情報収集することをおすすめします。
②働き始めたら
子供を持ち、働き始めた場合、まずは上司に急な休みをもらう可能性については念押ししておきましょう。
子供は突発的な体調不良を起こしやすく、特に新しい環境に入ると多くなる傾向があります。託児施設に適応できるまでの間は、度々職場に連絡が来ることを想定しておいてください。
その際の、周囲の反応も気になるところですね?
ママさんナースや、子育て経験のあるベテランさんが多い場所だと理解を得やすいかもしれません。年齢層が若いと「あの人ばっかり休みをもらってずるい」など、心無いことを言われることもあるでしょう。
直属の上司の理解も必須ですね。「仕事に支障が無いようにしてください」なんて言われたら、もう働けないと考えてしまうかもしれませんよね。
比較的理解を得られそうな、子育て経験のあるスタッフや上司のいる部署を希望しましょう。突発な休みが多くなることを考えて、必要以上に休暇希望を出さないなどの配慮も必要です。また、自分自身の体調管理も必要です。子供の事で休みをもらう事が多くなるので、せめて自分の体調不良を理由に休むことは避けられるよう、しっかり体調管理をしていきましょう。
残業が多い場合、保育園や学童のお迎えに間に合わなくなることも考えられます。その場合は、残業の少ない部署への異動や、一時的にパートになるという方法も視野に入れておきましょう。
③働くママとしてのメリット
シングルママさんにとっては、メリットどころか生活していくために仕事は欠かせないものですが、やはり働いて収入を得られるという事が最大のメリットでしょう。
育児に専念するため仕事を離れている間は収入がありません。
今は、在宅ワークなども増えていますが、ナースとして働いて得られる収入は大きなものですよね?子供の成長や、マイホーム購入などを考えても、収入が多いに越したことはありません。
未来に向けて貯蓄するためにも夫婦2人でしっかり収入があったほうが良いでしょう。
子供が高校、大学共に私立校を選んだ場合、大変な学費となります。長い目でみれば、自分達の老後にかかる費用も必要なのです。また、看護師としてのキャリアを継続するためにも働き続けることはおすすめです。勤続年数を長く持つことで転職の際には有利になる場合が多いからです。
マイホーム購入の際の、ローンを受ける時にも勤続年数により、借りられる金額が異なります。長ければ長いほど有利になるのです。
そして、子供にとって働く母親の姿を見せることも重要なのではないでしょうか。子育てと家事、仕事をしていくのは大変なことですが、その姿勢は子供に大きな影響を与えることとなるでしょう。母親を助けるために自立心が生まれることもあると思います。自立心を持つ子供は、自分の意見がしっかりと言えるなど、強く育つと思います。
④働くママとしてのデメリット
もしも、自分か夫の実家が近い場合は手助けを得られると思いますが、夫婦2人で働く場合、子供の病気などで休まなければいけないのは圧倒的に母親になるでしょう。夫の育児休暇取得など、少しずつ変化も見られますが、現実としては、子供の事で父親が仕事を休むのは大変かもしれませんね。ですから、仕事に穴を開ける事が増え、職場の仲間や上司に負い目を感じる場面も出てくるでしょう。
そして、地域の幼稚園には入れられず、保育園を選択するケースが多いので、子供が小さいうちは、いわゆる「ママ友」が出来にくいでしょう。
もちろん小学校くらいになれば、周囲のほとんどが、働くママさんをになるので必然的にママ友はできます。そして、希望休暇が多くなるので、学校行事に参加出来ないことも出てくるでしょう。
また、具合が悪い子を病児保育や託児所に置いて仕事に行かなければいけないストレスも大きいです。「専業主婦なら、こんなときそばにいてあげられるのになー」という思いは、働くママさんは誰もが持つものでしょう。
まとめ
いかがでしたか?子育てをしながらママさんナースとして働くためには、職場環境もさることながら、実家の手助けを得られるか、夫の職場風土は子育てに有効的か?など多くの情報収集が必要となります。自分ひとりで育児を抱え込まず、頼れるものは頼り、上手に両立していけるといいですね。目指した看護師という道をライフイベントに合わせて諦めることなく歩いていけるよう、頑張りましょう。
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