看護師の資格を取って、一番最初に働いた場所で、今後の看護師人生において、大きく自分の道を左右することになります。これは実体験をもとにしていますので、就職一発目として認識していただければ良いと思います。
その背景には、看護師のレベルの底上げが関与しています。よくよく考えてみると専門学校・短期大学・大学と卒業して国家試験に合格すれば、みんな過程は違えど、看護師となることが出来ます。4年大学程の学費を掛けずとも、看護師のライセンスは取得することが出来るのです。
しかし新卒での就職時に基本給が専門学校と大学では大きく、1万程違います。
しかし年間に12万円、ボーナスで約5万、総合計17万円の差額が出ますが、この17万円×10年でも170万円です。30年頑張って働いても510万円しか変わらないのです。
専門学校は、医師会などが経営しているところでは、ひと月3万円程度の学費で看護学校に通うことが出来ます。つまり年間36万×3年なので108万円です。
しかし大学は学費だけで4年間800万円くらいかかります。単純な差額が約650万~700万程です。
30年働いても、その差額は埋めることが出来ないのです。その為私は、同じ国家資格なら専門学校の安価な方をお勧めします。実際に働いていても、最初の就職先すら間違わなければ、4年大学よりもはるかに、良い看護人生を送ることが出来るからです。
看護師として、就職先を考えると、様々な選択肢が現在の世の中ではあります。今の日本の医療は地域への医療に力を注いでいます。これは人口の現象、高齢者の増加が背景にあります。高齢者が増えることは、医療費の増大を示します。つまり病院に長く入院してもらっては、国の医療費の財政を赤字に追い込むからです。その為短期入院では、病院に診療報酬を出す疾患もあります。それだけ地域に返すことに重きをおいています。
そこで最近注目されているのは、訪問看護ステーションやデイケア、デイホスピタルなど、自宅に居ながら、医療的補助うけるという就職先です。
これは、現在のところやりがいもあり、給料も夜勤なしでの単価は非常に高いものとなります。今後も大きな視野が望める分野(訪問看護)になります。それ以外にもクリニックや個人医院、総合病院、大学病院、薬剤メーカーや医療機器メーカー、英語を活かした、シップナース(豪華客船などに添乗する看護師)や自衛隊(かなりの倍率ですが、入隊すれば退職金も高く、給料も普通の看護師より優遇されます。)アミューズメントパークでの医務室や学校の保健室、企業での保健師などの仕事も多数あります。このように幅広い就職の選択肢があると、正直どこに行けばいいのか迷うと思います。ただ言えるのは、看護師の免許は病院だけで使用するものではないということです。出来るだけ早い段階で自分の目標をみつけることも大切です。
さて、ここからが本題になります。
私が実際に体験して感じた就職のポイントを教えていきたいと思います。地方の看護学校を卒業すると、奨学金などのしばりから、地元の病院を選択したり、郷土愛が強く、その県から離れないという学生の現象がおおく見受けられます。
そもそも、その選択肢が大きな可能性の芽を瞑ってしまっています。看護学校新卒というのはとても力のあることなのです。
経験がある中途採用などは、自分の経験が武器になります。すなわち即戦力です。即戦力となるにはもちろんバックグラウンドは大きければ大きいほど効果を生みます。よく考えてみてください。
クリニックしか経験のない5年目の看護師が、総合病院で採用されると思いますか?様々な疾患もわからない、個人医院の医師の支配された状況でしか働いたことがないため、意外と医療の常識が通用しないことが多い傾向にあります。
その為、万が一、就職できたとしても長続きせずに辞める傾向にあります。私はそのような人を見たことがあります。新卒というのは真っ白な存在で、採用する病院もあなたの可能性に非常に興味を持っています。その可能性を決して無駄にしてはいけません。地元の病院が決まったからいいやとか、面接に行ったら合格したから、もうこの病院でいいやとか、給料があんまりかわらないから、楽な方にしたっとかは、あなたの数十年先の未来の可能性を閉ざすことになります。
ここで覚えてもらいたいことは、一番最初は、是非とも大学病院に就職するということです。これはとても大事な事です。「大学なんて無理、私専門学校だから」っと思っている人は、その考えを改めてください。
地方都市とちがって、大阪や東京は、比較的大学病院に受かりやすいのが現状です。
私は、専門学校を出て、東京の大学病院で働いていました。東京都は大学病院が数多くあり、就職先も豊富です。中には就職支度金として40万以上支給する大学病院もあるほどです。
都内ではそれくらい払ってでも人材がほしいのです。都会は怖いとか、やっぱり地元がいいと思う気持ちはわかります。しかし大学で経験をしてから帰省すればいいのです。まずは大学病院で少なくとも3年は経験を積んで下さい。
給料も、経験も、知識も数年後には全く比較にならないほど伸びます。大学病院は教育機関です。どの科にいっても学習をする機会がもうけられています。最初は勉強ばかりで大変と思い、カリキュラムについていくのが大変ですが、数か月で確実になれます。むしろ学習することが普通となってくるのです。しかし、地方の病院はこのような教育環境が整っていないので、仕事が終われば、終わりです。はじめのうちは、同期の動きが羨ましく思えるでしょうが、数年たったら、雲泥の知識の差がうまれ、自然と学習するスタンスになっているので、経験するだけで勉強のやり方がわかり、効率よく働けるようになります。そのような教育制度がととのっているので、大学病院で働いていたと履歴書で記載すると、是非うちに就職してくださいという動きになります。また大学にいると、専門・認定・特定看護師などへの道が容易に開けます。多くの先輩がいたり、その専門・認定・特定看護を教えている教授なども在籍したりするため、比較的試験にも受かりやすいですし、仕事をしながら資格取得のバックアップもしっかりとしています。
上記の理由から看護師として一番最初の就職先があなたの人生のカギとなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?看護師として新卒として就職を考えたときに、きちんと将来を見通すことがとても重要になります。転職などで求められるのは、即戦力です。その即戦力となる背景には大学病院などの巨大な組織がかなりの力を発揮します。医療界でいう大学病院は、社会でいう一流企業と同じような感じだと私は思っています。是非最初の就職先は自分の可能性を引き出せる大きな医療機関を選択してください。
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