MSWを目指す方、MSWを知らない方、少しでも興味を持った方へMSWがどんな仕事なのかを解説します。
新卒の方、転職を希望される方もわかりやすいように⑦つのポイントを紹介します。
①MSWとは?
MSW(医療ソーシャルワーカー)は主に病院やクリニック等で医療機関で働く相談援助の専門職です。
MSWという職種は職種名であり、資格要件は医療機関独自で設定しているところも多くあります。機関の規模にもよりますが、MSWとして働く方の多くが、「社会福祉士」という国家資格の基礎資格を持っています。
他にも、精神科病院ではPSW(精神保健福祉士)の国家資格であったり、社会福祉主事の任用資格で業務をしている方もいらっしゃると思います。
社会福祉士であれば、大学等で受験資格を得てから国家試験に合格する方もいれば、社会人として働きながら、キャリアアップとして取得される方も多いのではないでしょうか。
②MSWの仕事内容
仕事内容も病院の規模によりますが、主な仕事のひとつに入退院の支援があります。
急病や転院で入院される患者さんの受け入れ、ベッドの調整などの業務に始まり、治療を受けて改善したり、安定した病状になった方が自宅や施設等その他の生活の場へと退院していくために、家族や関係機関、専門職とを繋ぎ、退院後の生活がより良いものになるよう支援していくお仕事です。
入院時には所属医療機関の空きベッドや対応できる診療科があるのか対応をしなくてはなりませんし、治療を受けるにあたって、本人や家族にとって有益な医療、福祉に関する制度の利用提案や説明をする場面も出てきます。
退院が近づくと、在宅での生活のために介護保険をはじめとする各種サービスの利用調整のために他職種との連携をしていく必要があります。
これら知識は、仕事をする中で取得していくことが十分に可能ですし、異業種から新たに転職される場合でも、その都度調べたりすることで、自然と身についていく情報だと思います。
また、院内での業務だけでなく、院外の地域の医療機関や福祉施設との連携をすることもあります。
近年は国が「地域包括ケアシステム」という医療と福祉の連携を目指した新たな支援の体制づくりを進めています。
その指標のある中で、MSWとしては、地域医療の維持と発展のために、時には病院の代表として地域と繋がっていく必要性が出てきます。この仕事は新卒のMSWよりも、転職経験のある社会人経験者のMSWが活躍できる機会になるのではないでしょうか。
③院内での他職種連携
MSWは医療機関という組織の中の1つの職種として位置付けられます。院内には医師をはじめ、看護師、リハビリ職、薬剤師、介護士、医療事務など様々な職種の職員が働いており、患者のためにチームで支援にあたっています。
医師や看護師、リハビリ職は主に患者に直接関わりながら病気の治癒を目的に支援をしています。MSWはその状況を把握し、今後の生活の見立てをし、本人の生活をコーディネートしていく調整役とも言えるでしょう。
多くの専門職がいる中で、時には治療のために医療が優先になったり、介護サービスのために本人の意思を確認したりと、本人に代わって関係する専門職の意見を聞き、最善の支援方法を調整する技術や知識が必要になるため、高いコミュニケーション技術が求められます。
④MSWのやりがい
MSWは入退院の支援をすると申し上げましたが、特に近年はどこの医療機関でも、高齢者に関わる機会が増えているのではないでしょうか。特に脳梗塞や骨折での入院の場合は、新たに介護保険をはじめとした支援のサービスや制度の利用が必要になるケースが多くあります。
そうした支援体制の構築やサービス利用につながるための説明、きっかけづくりをするのもMSWです。適切な早期の関わりや対応を受けることができたならば、その後の生活がより豊かになりますし、万が一その支援が受けられなければ、患者の人生は大きく変わるものになるかもしれません。
相談、対人援助を行う場面で、いかに知識と技術を持ってオーダーメイドの支援が展開できるかが、MSWのやりがいの1つなのではないでしょうか。
⑤転職してMSWになれるのか?
前述の通り、MSWは職種であり、仕事に就くにあたって必ずしも資格が必要という場合ばかりではありません。無資格のまま転職をし、はじめは入退院の支援のみを担当しながら、経験と資格を取得して対応の幅を広げてMSWとして活躍をするという方法もあります。
⑥どんな人が向いているか?
MSWは医療機関で働く職員です。そのため関わる方は病気や怪我で苦しむ本人とその家族が多いです。病気や怪我で不安だったり、落ち込んでいる人もいるでしょうし、身体的にも精神的にも痛みを感じている人もいることでしょう。そうした方々と寄り添うこちができる方が必要になります。
励ますことも説得することも時には必要でしょうが、さりげなく支えること、具体的には、本人が自力で生活の再建をしていこうとする意欲を持ち続けられるよう、信頼関係を築ける努力ができる方が望ましいと思います。
その根底には、人のことが好きであることは欠かせないポイントかとも思います。
⑦MSWからの転職
MSWになってからも更なるステップアップを考える時期が来ることも考えられます。
MSWは入退院の最前線で活躍するだけでなく、医療職との関わり、事務系の職員との関わりの機会も多いので、医療機関全体を把握できる貴重な職種でもあります。そのため、事務長など事務系の経営陣として活躍していく可能性もありますし、相談援助の専門職として地域や介護保険、障害福祉や児童等様々な分野での活躍も期待できると考えます。そのためには、社会福祉士をはじめ、関連の専門職資格取得も視野に入れながら活動することが必要となるので、自己研鑽を積み重ねていくことが重要です。
まとめ
MSWを目指している方、普段の生活のでMSWに関わる機会は少ないかもしれません。決して目立つ仕事ではありませんが、その支援を必要とする人はいます。そして支援を続けることで自身のスキルアップもでき、新たな道も開けるでしょう。思い立った方はぜひMSWへの道をご検討ください。
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