私が新卒として総合病院の内科病棟で3年間勤務した経験、結婚を機にワークライフバランスを見直し現在の小規模病院へ転職した経験から、新卒での就職先の選び方やワークライフバランスを考慮した転職先の探し方のポイントをお伝えします。
【新卒での就職】
私は専門学校を卒業し、新卒で総合病院へ就職しました。外科や循環器などでやっていける自信がなかった私は内科病棟を希望し、血液内科・緩和ケアの混合病棟へ配属となりました。
<内科病棟の良かった点>
・血液内科・緩和ケアの病棟なので化学療法や麻薬の取り扱いが多かったです。特に麻薬に関しては患者1人1人に合った様々な使用方法を学ぶことができました。
・外科などのようにオペ出し、オペ後の管理がない分そこまでバタバタしておらず、長期入院している患者ばかりなのでじっくり関わることができました。
化学療法を繰り返していく過程、終末期に向かっていく過程の中にある患者や家族との関わりを通し、看護師としての自分ができること、チームとしてできること、他職種と連携していくことの必要性などを学ぶことができました。
・血液内科の患者の多くは週2回採血をしていたため、夜勤での採血患者の人数は他の病棟の倍はいました。そのため、採血手技やスピードは身に付くと思います。
<内科病棟で後悔した点>
・末梢ルートからの化学療法は漏れたりした時のリスクが大きく、化学療法も数クール繰り返さなければ寛解しないため、ほとんどの患者がCVCを挿入しており、他の病棟に比べて末梢ルート確保の経験は積めません。
・オペ出し、オペ後の管理、人工呼吸器の管理、心電図モニターの管理などの経験数が極めて少なく、新人のうちに学んでおきたいことが経験できませんでした。
経験年数を重ねてからでは聞にくいことでもあるので、その点では内科病棟を希望したことを後悔しました。
個人の考え方によっても違うと思いますが、他の病棟で勤務する同期の話を聞いているとオペ出しなどを経験していない自分に自信が持てなくなる時がありました。
【ワークライフバランスを考えての転職】
私は結婚を機に3年間務めた総合病院を退職しました。県外へ引っ越さなければいけなかったのでどうしようもない選択でしたが、ワークライフバランスを考えると間違った選択ではないと思います。
私の場合、転職の転機となったのは結婚でした。女性は結婚、出産、子育てなどの場面においてワークライフバランスを見直すことが多いと思います。同居か、核家族か、親が近くにいるかなどによっても考え方は違ってくると思います。
私はお互いの両親が近くにおらず、完全なる核家族でした。旦那も不規則勤務であるため、将来子供が生まれた時のことを考えると今までのように総合病院で働いていくことは難しく、融通のきく職場でなければいけないと思いました。また、総合病院はサービス残業が当たり前のようにありますが、仕事よりも家庭が優先と思い現在の小規模病院へ転職しました。
<ワークライフバランスを考えた転職のポイント>
・上記にも述べたように同居か、核家族か、親が近くにいるかなどの家庭状況や転職の転機となったことを踏まえた上でどのような働き方をしていきたいかを考えます。結婚が転機の場合は、家族計画なども踏まえて転職先を探すことをオススメします。育休実績なども掲示されているためしっかりとチェックしておくと良いです。
・残業の有無も掲示されているため、どの程度の残業があるのか、残業代はしっかり出るのかをチェックします。将来、子供が生まれて保育園などに預ける場合、残業があると延長保育になってしまうこともあるため将来を見据えて細かいところまでチェックしておくと良いです。
・転職サイトやハローワークなど、転職先の探し方は様々ですが、必ず職場見学に行くことをオススメします。職場の雰囲気は勿論ですが、働いている方々の年齢層も確認することで将来子育てをしていくことに対しての理解を得られるかどうかもチェックすることができます。
・将来も見据えて正社員かパートかなどの働き方を考えると良いです。
・家族の勤務形態を踏まえて自分の働き方を考えるのをオススメします。家族が不規則勤務である場合、将来子供が生まれて急な休みをとらなければいけない場合、融通がきく職場であるに越したことはありません。
そのため、夜勤の有無、何交代か、年間の休みの多さ、病棟か、外来かなど自分に合った働き方を考えたほうが良いです。
クリニックを希望する場合、休診日や診察時間、スタッフの人数を確認することで休みのとりやすさが分かると思います。
また、診察時間によっては休憩が2時間というところもあるので、交渉次第で休憩を1時間にしてその分1時間早く帰ることは可能か聞いてみるのもオススメです。
・候補として考えている病院やクリニック、施設の口コミをサイトでチェックするのをオススメします。求人サイトに書かれている情報だけでは分からないことも多々あります。実際に働いていた方々の生の声ほど役に立つ情報はありません。必ずチェックすることをオススメします。
私は今回、結婚を機に転職していたため、将来子供を生むことを考えて育休実績のあるところ、残業のないところ、様々な年齢層の方が働いているところ、休みのとりやすさなどを考慮し、クリニックなどではなく現在の小規模病院を選びました。また、転職サイトを利用しており、結婚を機に転職したこと、将来的に子供が欲しいことなどを事前に伝えてもらいました。そうすることで、働いてからの休みがとりやすくなったり勤務を考慮してもらいやすくなると思います。
転職サイトは、電話やメールで自分に合った働き方を一緒に考えてくれ、働き方の条件も交渉してくれるので1人で転職を進めていく自信がない人にはオススメです。転職サイトには載っていない求人でも気になるものがあれば問い合わせをしてくれるので、初めての転職にはハローワークだけでなく、転職サイトも併用すると安心だと思います。
転職サイトも1つだけではなく、2~3個利用するより詳しく調べられると思います。そして、様々な条件のもと、より多くの求人をチェックすることでその病院の特性も見えてくると思うので、気になる求人はどんどんチェックした方が良いです。口コミも必ずチェックし、掲示されている条件、働いていた方の生の声を踏まえた上で自分が希望する働き方と合致しているか見ていきましょう。
まとめ
以上の私の経験から、新卒での就職先を選ぶポイントは総合病院は絶対条件であり、まずは多くの経験を積むことが大切だと思います。私のように外科などでやっていく自信がない方でも、新人は分からないことが当たり前なので何を聞いても怒られません。
そして、新人は必ず最初は先輩とペアで動くので分からないことは聞き放題です。だから心配することは何もありません。
新卒での配属先の希望は外科や循環器など多くの経験が積める病棟を希望して下さい。新人時代に学んだことは長い看護師人生において最もいかされる知識となります。そのため、忙しくても大変でもより多くのことを学べるに越したことはありまそん。積極的に挑戦して下さい。
ワークライフバランスを考えての転職のポイントは仕事と家庭どちらを優先するか、家庭状況はどうか、職場の条件は自分に合っているかなどを踏まえて焦らずゆっくりじっくり探していくと良いと思います。
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