潜在看護師の抱える不安 復職までのプロセス

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#808 2019/08/26UP
潜在看護師の抱える不安 復職までのプロセス
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潜在看護師という言葉を耳にしたことはありますか?
現在、看護師不足でありますが、その要因の一つとして潜在看護師が増加していることです。
自ら希望して看護師の仕事から離れている方もおれば、復職したいが生活環境から復職できないという方もいます。
そこで潜在看護師が復職するための方法や、その支援についてご紹介したいと思います。

【潜在看護師とは】

子育てや介護など、さまざまな理由で離職した後、職場復帰または転職による復職をしていない看護師のことを「潜在看護師」といいます。潜在看護師は年々増加しており、現在は約71万人いると言われています。
深刻な看護師不足と言われている現在、潜在看護師の復職支援は、看護師の人材確保のためには必要不可欠と言えるでしょう。

【潜在看護師の離職理由】

看護師の離職理由として最も多いのは、妊娠や出産によるもので、その他に、結婚・子育て・自分の健康・転居などの個人の状況における理由や、勤務時間や超過勤務が多い、夜勤の負担が大きい、責任の重さや医療事故への不安、上司との関係など、職場の環境に関する理由があります。潜在看護師が転職・復職するためにはこれらの原因を解決する必要があるのではないでしょうか。

【潜在看護師の抱える不安】

潜在看護師の抱える不安としては、数年~数十年のブランクがあることから、技術の感覚が鈍っていないかということや、医療は日々進歩しているため、ついていけるかなどの不安があります。以上のことから、医療職であるがゆえの大きな責任感や緊張感に耐えられないのではと感じることが大きく、そのことが復職へためらう理由になるのではないかと思います。また家庭・子育てとの両立についても不安に感じる要因の一つでしょう。

【復職するための準備、できること】

①家族と話し合う

復職する際、少なからず家族の協力が必要となります。そのため、復職する目的は何なのか、金銭面の場合はいくら稼ぐ必要があるのか、働ける時間などしっかり話し合うことが大切です。曖昧にせず話し合っておくことで、家族の協力も得られ、復職活動、復職後の看護師生活も安心できるのではないでしょうか。

②看護の知識や技術を振り返る

医療は日々進歩しており、看護師として働いていた時とは異なる部分も多く戸惑うこともあるのではないかと思います。
そのため、一般的な看護技術から振り返りをしておくといいでしょう。
また、現在はアプリなどでも疾患や技術、検査データなど学ぶことも出来ます。アプリを取り入れ家事の合間に見るようにすると効率がよいかもしれません。
しかし、すべての知識・技術を習得しておく必要はありません。病院によってマニュアルも異なりますし、いざ復職した際に指導を受けながら学んでいっても十分間に合います。
また、ブランク期間が長い場合、紙カルテから電子カルテへと移行していることもあります。
そのためカルテ入力に関しては復職後の指導がありますが、一般的なパソコン入力等は出来るようになっておく方がいいでしょう。

③復職支援を受ける

潜在看護師の復職支援は、国の大きな課題となっています。2015年に国は看護師の人材確保促進に関する法律として「看護師等人材確保促進法」という法律を施行しました。これは、看護師に対して復職支援を行うことで、2025年までに看護師等の人材を確保することが目的となっています。
その取り組みとして各都道府県に設置されている看護協会にて復職支援サービスを行っているため、参加してみると知識面はもちろん演習もあり、復職に対する不安を少しでも軽減することが出来るとともに、働いていた時の感覚を思い出すことができ、復職後のイメージをすることが出来ます。

④雇用形態を検討する

復職すると、離職していた期間とは生活が大きく変わります。復職する際、どうしてもブランクを埋めたいと頑張りたくもなりますが、無理のある働き方をすると復職したとしても結局続けることが難しくなります。また、体力的にも落ちていることも考えられるため、最初から正社員、日勤夜勤のフル勤務ではストレスを感じやすいです。
そのため、まずは非正社員としての雇用や日勤勤務のみ、短時間勤務で仕事のある生活に身体を慣らすことや、急性期の病棟勤務でなく、慢性期病棟や外来勤務、介護福祉施設など、比較的落ち着いた部署を選択するのもいいでしょう。
病院の情報収集をする際は、病院の特色や雇用条件についても注意し調べ、今の自分に何が出来るかを考えてみてください。
また、パートナーシップを取り入れている病院も多くあります。パートナーシップの場合、一人で患者を担当するのではなく、メンバー数名で数人の患者を担当します。そのため、協力して看護に当たることができ、相談もしやすく、過度な責任を負う心配もなくなるといえるでしょう。
各病院の情報を収集するためには病院のホームページを調べる他に、転職支援サービスなどを利用することも便利です。

【潜在看護師のための支援】

①病院コース

指定病院にて、シミュレーターによる採血や輸液ポンプの取り扱いの演習を行います。また最新の感染予防対策や一次救命処置研修を行い知識や技術を学ぶことが出来ます。
病院によっては一時保育を取り入れている病院もあるため、活用することも可能です。(一時保育は条件もあります)

②トータルヘルスケケア

福祉分野に関するプログラムであり、体位変換や移乗・移送、吸引や注入に関する演習があります。

③eラーニング

医療安全や感染予防、認知症看護・フィジカルアセスメント、バイタルサインなど多数の内容があります。自宅でもパソコンやスマホで視聴可能となるため、自宅で家事や子育ての合間にすることが出来ます。また、パソコン環境のない方は指定されば場所で受講することも可能となっています。

④採血演習

指定の場所にて、シミュレーターを使用して採血演習を行います。
すべて看護協会の会員・非会員を問わず無料で受けることが出来ます。復職支援を受けることで復職に対する不安を軽減し、看護師として復職するための一歩になるのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしょうか?
大学病院、総合病院、民間病院、クリニック、介護老健施設など看護師の働く場所はたくさんあります。そのため、自分に合った環境で看護師として働くことができるでしょう。
復職を希望する場合は、無理なく続けることが出来るような部署・環境を選択することが大切であり、そうすることでプライベートと看護師生活との両立をすることが出来ます。
ぜひ参考にしてください。

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