看護師の転職における最終目標は、もちろん別の病院、クリニック、施設、企業での内定です。内定にな るためには、面接も受ける事になります。 転職活動のクライマックスは、面接です。 面接をクリアすれば、希望する病院・医院・クリニック、介護施設に入職できます。
●面接時の服装・身だしなみ
面接時の服装の基本はスーツです。仕事の後に面接に行く場合であれば、女性の場合、スーツ以外でも問題ないでしょう。ただし、ジャケットを着用で、フォーマルな雰囲気の洋服を選びましょう。派手な色、目立つ柄、胸元が大きく開いたシャツは厳禁です。 ダーク系のパンツもしくはスカート、ダーク系のパンプスなどシンプルな靴(低めのヒール)くらいがよいでしょう。スカートの場合、短すぎるものはダメです。ストッキングもベージュなどナチュラルな色が無難です。あえて自分らしさを服装で表す必要はありません。 鞄やアクセサリーなどの小物も、目立ちすぎない、控えめなものを選びましょう。 髪型は清潔感を与えるスタイルがベストです。 長い髪の人は一つにまとめます。メイクはいわゆるナチュラルメイクがよいです。香水は控えめにしましょう。 人は第一印象が9割とよく言われます。やはり、見た目から受ける印象は重要です。 「この人と一緒に仕事がしたい」「しっかり仕事をしてくれそう」という印象を相手に与えられるようなスタイルを心がけましょう。
●面接当日の流れ
前日は挨拶、一礼などマナー、面接場所までの交通手段や所要時間をチェックしておきましょう。
【面接場所へ向かう】
公共交通機関が遅れることもあるので、余裕をもって少なくとも10分前に到着するようにしましょう。
【病院に到着】
早く到着したときは、待合室で座って待ちます。携帯電話の電源を切り、面接担当者の名前を確認。またトイレで最後の身だしなみチェックします。
【受付】
1人での面接の場合、 「お忙しいところ失礼します。本日○○時に面接のお約束をいただいております、看護師の○○と申しま す。看護部(人事部)の○○様にお取り次ぎ頂けますでしょうか?」 キャリアコンサルタント同伴の場合は、指示に従います。
【面接室】
(相手が待っている場合)
・面接場所へ案内されたら、部屋に入る前にノックをして、「どうぞ」と返事を待っ てから、扉を開け、「失礼します」と挨拶をしてから入室する。
・部屋に入ったら、まず一礼。「看護師の○○と申します。本日はお忙しいところ、 面接のお時間をいただきありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたしま
す」と挨拶。
礼儀は非常に大切です。 まず姿勢ですが、背筋がピンと伸びている人とそうでない猫背の人では、受ける印象が全く印象が異なります。
そして、多くの人はあまり意識していませんが、正しいお辞儀と挨拶をすることで、面接担当者印象が良くなるでしょう。
面接の最初の礼と最後の礼をしっかりとやることで、場の雰囲気だけでなく、あなたの印象がガラリとわってきます。
当然、面接中の受け答えにも影響してきます。
ぜひ、正しい礼のやり方を覚えておきましょう。
面接でのお辞儀には2種類あります。
・腰から15度傾ける【会釈】:入室・退室時のお辞儀
・背筋を伸ばしで腰から30度傾ける【敬礼】:イスの横でのお辞儀
その他、腰から45度傾ける【最敬礼】があります。
(相手が後から入ってくる場合)
・部屋に通されたときに面接担当者が来ていないときは、座って待つ。
・担当者が入ってきたら、起立して挨拶をする。 ・相手から着席を促されてから席に
座ります。 (座るときには「失礼します」と言ってから)
【面接中】 ・背筋を伸ばす。
・なるべく相手の目を見ながら話す(複数の場合、目配りも忘れずに)。
・表情に気をつけて、明るい笑顔で大きな声でハキハキと。
・緊張しやすい人は、質問されたら「はい」と一息入れて答える。
【面接終了】
・起立して、「本日はありがとうございました。」と一礼をする。
・ドアを開けて、面接官の方に一度向き直って、「失礼いたします」と一礼して退出
します。
・病院の玄関を出るまでに、他の職員の人とすれ違ったら、軽く会釈をしましょう。
今から約2500年前に、中国に孫武という武将がいました。孫武は軍師として有名で、現在でも世界中のビジネスマンに読まれて続けている兵法書、『孫子』の作者です。 この中で、おそらく最も有名な言葉でビジネスの現場で活用されているのが、 「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」です。 つまり、敵についても味方についても情勢をしっかり把握していれば、何度戦っても敗れることはないという意味です。
これを看護師の転職時に当てはめると、応募する病院のことを詳しく知っており、なおかつ、自己分析がしっかりとできていれば、面接で落とされることはないということです。
看護師人材紹介会社を利用する場合は、面接の前に応募する病院・施設のことを徹底的に担当のキャリアコンサルタントに聞いたうえで、しっかりと自己分析を行って、準備しておきましょう。
●面接で必ず聞かれる6つの質問と回答例
Q1「なぜ当院(当施設)で働きたいのですか?」
ほとんどすべての病院で、志望動機を聞かれます。あらかじめ提出した履歴書に書いた志望動機を覚えて話すのではなく、アレンジを加えるとよいでしょう。
今回、応募した理由を箇条書きにして、自分自身の経験、長所、スキル、看護観と看護採用側の求める人材を結び付けられることがベストです。
「自分のキャリアが活かせそうだ」というのであれば、どのようにその経験が活かせるのかを具体的に説明できればよいでしょう。
【回答例①】
「これまで、総合病院の循環器病棟を〇年間担当しました。最後の3年間は、新人の教育担当を任されるようになりました。貴院は○○の治療実績が多く、日本でも有数の病院で、私のこれまでの経験を活かしつつ、看護師としてより高い技術を習得することができるのではないかと考えて志望しました。」
【回答例②】 「いままでは急性期病院でひたすら経験を積み、看護技術・手技を磨いてきました。しかし、祖母を看取ってから、施設看護にも興味を持つようになりました。貴院は、特に地域医療を推進されており、急性期、慢性期、在宅、訪問看護まで一貫した医療を提供されています。そのためこれまで以上に幅広い経験を積むことが可能で、今まで培ってきた私の経験も活用できると考えて、志望しました」
Q2 「なぜ前の病院を退職された(退職する)のですか?」
この質問も必ず聞かれる質問です。このように退職理由を聞かれて、つい正直に答えてしまい印象が悪くなる方がいます。
特に人間関係で「師長や主任からのパワハラを受けた」、「職場でのいじめに耐えられなかった」などです。 こうした理由は、看護師の退職理由(本音)では、ベスト5に入るよくある理由ですが、面接の場で話すのは避けた方が良いでしょう。
また「給与が安く、福利厚生が不十分だった」「忙しいうえに労働環境が悪かった」といった理由を話すのもよくありません。たとえ、それが事実でもこういったマイナスの理由は控えて、プラスに変えて話すようにします。
この病院(施設)であれば、キャリアプランを考えた時に退職、転職は必要であったと言えるだけの理由を説明できるようにしておきましょう。
転職回数が多過ぎる場合、採用側もかなり重視する質問なので、またすぐに辞めてしまうのでは?といった面接官の不安を払しょくできるだけの説明を考えておく必要があります。
【回答例①】
「現在働いている病院は一般病床600床の病院です。急性期医療が中心です。もともと急性期の看護で働くことを希望しており、急性期医療に必要とされる看護技術や知識を身につけてきました。これからはより忙しくやりがいのある第一線の急性期病院で経験を積みたいと考えて転職を決意しました。」
【回答例②】
「小児科で働いていたのですが、結婚、出産と夫の転勤でこれまで3回の転職を行いました。しかし、ようやく息子も小学3年生になり、生活が落ち着き、育児と両立できる病院を探していました。今までの病院は自宅が遠く夜勤が多かったですが、自宅に近い場所で以前の働いていた経験を活かせる職場として貴院に応募いたしました」
Q3 「看護師を目指した理由は何ですか?」
看護師を目指した理由を聞くのは、採用者側があなたの人柄や性格を知りたいからです。看護師を目指す理由としてよくあるのが、「(身近な)人の役に立ちたい」、「失業することがほとんどなく安定している職業だから」などです。
しかし、面接ではそれだけでは物足りません。
たとえば、「看護師が主人公の ドラマを見て憧れた」、「病気がちで看護師さんにお世話になっていた」などのエピソードや、看護師を目指して感じたり、考えたことなども含めて話すとよいでしょう。
【回答例】
「最初に看護師になりたいと思ったのは、中学3年生の時に、祖母が脳梗塞で他界し、病院の廊下で大泣きしていた私に看護師さんが話しかけ、話を聞いてもらった事がきっかけです。その時に看護の仕事っていいなと憧れました。その後、専門学校の3年を経て、看護師になりました。実際に仕事を始めると、出 逢う看護師さんに使命を持っておられ、患者さんが落ち込んだり不安を感じているときのサポートのことや終末期の看護で患者さんをいかに満足して過ごしていただくことなど学び考えさせられました。看護という仕事の奥深さを感じています。看護師という職業を選んで本当に良かったと思います。」
Q4 「看護師として大切にしている(必要な)ことは何ですか?」
看護観を聞く質問です。看護観は看護師としての生き方に大きくかかわることですが、人それぞれの答えがあります。
したがって、看護師として働いてきて経験してきたこと、患者さんとのかかわり合いなどのエピソードを伝えられるように整理しておくとよいでしょう。
看護師向けの雑誌に掲載されている先輩ナースのインタビューを参考にするとよいです。
【回答例】 「私は、患者さんに安心してもらうために、どんなに忙しくても笑顔を意識し自分の家族と同じように思いながら、行き届いたケアを行えるように心がけています。以前、忙しかったときに患者さんに変に気を使わせて、痛みを我慢させていたことがあったからです。それ以来、忙しくても話しやすい雰囲気を作ることを大切にしています。」
Q5 「これまでにインシデントの経験はありますか?」
医療現場では常にヒヤリ・ハットと呼ばれる大きな事故につながらなかったが、一歩間違えれば大きな事故につながっていたかもしれないということが、しばしば起こるものです。
そして、ほとんどの看護師がインシデントを経験しているはずです。
面接官は、「インシデントは経験したことがありません」という答えを望んでいるわけではありません。
それよりもインシデントを経験して、どういった予防法を考えたか、普段の仕事でそのようにその経験を活かしているのかといった答えを期待しています。
【回答例】
「はい、あります。患者さんに渡す内服薬を間違えて渡すところでした。患者さんにいつもと違う薬だと指摘されて、気が付きました。命には関わる内服薬だったのでまだよかったのですが、後で思い返すと背筋が凍ります。
原因は確認を怠ったことで、この事例は、レポートで報告し共有しました。 」
Q6 「いつから働けますか?」
まだ退職日が決まっていない時も正直にそのことを伝えましょう。就業規則を読んで、退職の手続きと引き継ぎの期間を考えたうえで、おおよその目安を伝えておくとよいです。 すでに退職をしている場合は、1ヶ月以内に働けるように準備をしておくとよいでしょう。
まとめ
以上、利用者様の主治医と上手に付き合うコツを挙げましたがいかがでしたでしょうか?あまり親しくない主治医と関わる際には緊張するものです。怒られないか、断られないか…と心配することも多いことでしょう。 しかし事前の準備や日頃の関わり次第で信頼関係を作ることができますので、焦らず基本的なことを押さえていきましょう。今後の参考になれば幸いです。
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