年々機会が多くなる、高齢者への食事介助のコツ!

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#797 2019/08/17UP
年々機会が多くなる、高齢者への食事介助のコツ!
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現在の日本は超高齢社会となり、看護や介護の現場でも高齢者の患者さんが多く見受けられます。そんな患者さんをケアする中で、現場で食事介助をする機会は多くなりました。食事介助の一連の流れを説明しながら患者さんへの食事介助はどうしたらよいか、私が現場で学んだコツなどを紹介いたします。

①食前の準備としての口腔ケア

まず食事を開始する前に重要なのが、口腔ケアです。 いきなりお膳を運んで食事を開始するのではなく、食事を開始するまえに口腔ケアをすることで口腔内をきれいにし唾液の分泌を促すことで誤嚥性肺炎などを予防することができます。 また、口の中をきれいにすることで食事の味をおいしく感じることができます。認知症の患者さんの場合には、食事が始まることを自然にスムーズに知らせる意味合いもあります。洗面所まで移動可能な場合は、移動してもらいまずは自分でうがいや歯磨きなどの口腔ケアを行ってもらいましょう。 もし、ベッドからの移動が難しい場合などは、ベットをギャッジアップした状態でオーバーテーブルをセットし、ガーグルベースンや歯ブラシなどをセットして行ってもらいます。義歯などがある場合は、きれいに洗浄し装着しましょう。 高齢で嚥下機能が低下している患者さんの場合は、口腔ケアが終わったタイミングで嚥下訓練をするととても効果的になります。 嚥下訓練とは嚥下を予防するため継続的に行う訓練になります。 例えば、「ぱんだのたからもの」など、舌をよく動かして発声する言葉を発声してもらったり、ほほを膨らませたりすぼめたりすることを繰り返してもらいます。そうすることで食事に備えて舌の動きを良くしたり、唾液の分泌を促すことが可能です。また、アイススティックで口腔内のアイスマッサージをすることも有効です。アイススティックでマッサージすることで、良い刺激になり誤嚥を予防することができます。

②食事のセッティング

食事の前の準備が整ったら、次に食事をセッティングします。 まず、必要であればエプロンなどを装着し衣類が汚れないように配慮します。 高齢者にエプロンをする場合、自尊心を傷つける場合がありますので、例えば、「念のためにエプロンをさせてくださいね」などと声掛けをしながら装着介助するのがよいでしょう。そして、食事形態と患者さんに合わせた箸やスプーン、フォークなどを選びます。 認知症の患者さんの場合、プラスチックなどのスプーンなどをかみ切ってしまうことがあり、割れたスプーンで口の中を怪我してしまうリスクなどもあります。状態に合わせて、柔らかくよく曲がるゴム製のようなものを使用したりするとよいでしょう。 また、患者さんによってはマヒがあったり、マヒがなくても持ちにくさを感じている場合があります。そういった場合は、持ち手が太くなっている自助具などを使用すると自分でも食べることが可能になったりします。お椀も滑るとスプーンにすくいにくい場合がありますので、食器類も滑り止めが付いたものがありますのでそういったものを活用するとより良いです。 配膳にも注意して、例えば目が見えにくい場合などは手前にお皿を持って来たりと調整が必要です。片目が見えないなどの場合は見える方に寄せたりといった工夫をしましょう。 そして、重要なのがとろみ付けです。嚥下機能が問題ない場合は必要ないのですが、例えば汁物などでむせる場合や、刻んだおかずが口の中でまとまらずに嚥下しにくい場合などはとろみが必要になってきます。 患者さんに合わせて飲み物や汁物には介護用のとろみ剤を使用し1%とろみなど付けるようにしましょう。とろみを付けすぎても嚥下しにくい場合がありますので、きちんと計ってするとよいと思います。

③介助

自分で箸やスプーンをもって口に運ぶことができる場合は見守り程度でよいと思いますが、全介助の患者さんの場合いくつかのポイントがあります。 まず、患者さんにメニューを紹介します。 目に入るようにお皿やお椀を持ち上げて見せることで、食思をわかせることができます。そして、スプーンなどで一口大をすくった後、すくったものも視界に入るように見せます。今からこれを食べるんだという意識を向けさせる狙いがあります。きちんと目に入っており、患者さんが食事に意識が向けば、認知症の患者さんでも食事を食べるとこを理解しタイミングよく口を開けることにつながります。 食べ物を口に入れた後は、咀嚼を促します。認知症の患者さんの場合、咀嚼することを忘れていたり、咀嚼の仕方を忘れている場合も少なくありません。 そういったときは、「よく噛んでくださいね」と声をかけたり、ほほや顎に軽く触れたりして咀嚼を促すと有効です。 そして、その後はかならず嚥下したことを確認する必要があります。誤嚥せずに確実に嚥下しているかを確認せずに次の食事を口に入れると窒息などの危険もあります。必ずのど元をみて、嚥下をしているかをチェックするといいでしょう。 目視で確認しずらい場合などは、数回のみ聴診器をのど元に当てさせてもらい、嚥下音を確認するという方法もあります。嚥下したら、口の中に食事が残ってないか口を開けてもらって確認することも重要です。 きちんと嚥下ができていることを確認できたら、次の食事を口に運んでいきます。

④食後の口腔ケア

食事が終わったら、毎回必ず口腔ケアが必要です。 口腔ケアをしないと食事のカスなどが口腔内にとどまり不衛生で誤嚥性肺炎のリスクが高まります。自分でできる患者さんの場合も、介護者にて口腔内をチェックし、磨きのこしがないか確認しましょう。 義歯については、一旦取り外した後歯磨き粉を付けずにブラッシングします。夕食などの後は洗浄剤にそのまま浸けておきますが、昼間の時間帯は洗浄後は再び口腔内に装着してもらいましょう。これは、義歯を外している時間が長いと合わなくなってきてしまい、装着しにくくなってしまうことを防ぐためです。 また、義歯をしていると顔の見た目もよくなりますので日中は食事をしていないときも装着を促すようにしましょう。 歯ブラシでは歯間の汚れが取りにくい場合などは、フロスなどの使用も有効です。

まとめ

以上、利用者様の主治医と上手に付き合うコツを挙げましたがいかがでしたでしょうか?あまり親しくない主治医と関わる際には緊張するものです。怒られないか、断られないか…と心配することも多いことでしょう。 しかし事前の準備や日頃の関わり次第で信頼関係を作ることができますので、焦らず基本的なことを押さえていきましょう。今後の参考になれば幸いです。

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