病院から暮らしの場に出向いていく、訪問看護師になるには

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#784 2019/08/04UP
病院から暮らしの場に出向いていく、訪問看護師になるには
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病院から暮らしの場に出向いていく、訪問看護師になるにはどうすればいいのでしょうか?ここでは訪問看護師に転職したい人へ資格や役割などをご紹介いたします。

訪問看護師になる方法、どんな資格が必要か

施設や病院ではなく地域で働く看護師の働き方の一つに「訪問看護」があります。

訪問看護師になる方法としては、看護師の資格を持ち訪問看護ステーションなどに勤務すれば訪問看護師として働けます。ただし訪問をするためには医師の指示が必要です。

この例外に、訪問看護ステーションに在籍する看護師資格を持つケアマネージャーがあります。つまり看護師業務としてではなく、ケアマネージャー業務として医師の指示がなくても患者さんの家を訪問できるということです。ケアマネージャーになるには介護支援専門員の試験に合格し講習を受けなければなりません。

訪問看護の制度と役割

訪問看護には「医療保険で医師の指示を受けて訪問する」形と「介護保険で医師の指示を受けて訪問する」形の2種類があります。

どちらも資格や医師の指示を受けて訪問することに変わりはありませんが、制度上は「介護保険で医師の指示を受けて訪問する」形が医療保険によるものに優先されます。つまり介護保険のケアマネージャーがついていればほぼ「介護保険による訪問看護」になります。介護保険における訪問看護では主治医との関係の他に担当ケアマネージャーとうまく連携していく必要が出てきます。ケアマネージャーは生活面の主治医だと思えば理解し易いかと思います。

訪問看護はどんなことをする人か

それでは具体的に訪問看護師は何をするのでしょう?

高度な在宅医療のお手伝いはもちろん、歩行などリハビリのお手伝いや経管栄養の実施や指導、床ずれの処置、血圧・脈・体温・血糖値等の測定をして健康状態の観察をしたりします。さらに糖尿病や水虫の患者さんのフットケアとして足浴などをすることもあります。


同じ看護業務でも対象となる患者様とご家族の状況に応じて、どこまで行うかは千差万別です。

訪問看護師が持つべき視点

生活の場では病棟の常識が通用しないことが多々あります。また病棟の常識を持ち込むことでマイナスの影響が起こることもあります。それではここから、訪問看護師が持つべき視点を見ていきましょう。

主治医に患者さんの家庭での様子を的確に伝える

主治医の先生は患者さんのことを一番分かっています。しかし往診したことのない患者さんについてとなると、家での生活や環境を知らなかったり誤解していたりすることが意外にあるものです。患者さんもあえて主治医の先生には話してないことがあるかもしれません。

家に入るということは本当にたくさんのことが見えてきます。湿度、日当たり、ベッドの位置、トイレまでの距離、テーブルに出ている茶菓子、卓上調味料、お薬の置いてある位置そして家族関係。たくさんの見えてきたものの中から、主治医に伝えるべきものと、伝える必要のないものを判断しなければなりません。訪問してみると今現在の患者さんの治療の課題になっていることに関する有効な解決策が見つかることもあるのです。

具体例として、薬の飲み忘れが多い人が、あまり行かない部屋に薬を置いていたなどという時があります。娘が毎日電話をくれるなら電話の脇、必ず歯を磨く人なら洗面台の鏡の横など日に何度か行く決まった場所に薬をおくという工夫をすることもできます。
患者さんの目から見た「その人らしい暮らし」に思いを馳せる。

「模範的な糖尿病患者さん」というような言葉を使ったことがありますか?訪問看護において定型の「模範的な患者さん」はいないと思った方が良いでしょう。その代わりに千差万別の「暮らしの形」「人間関係の形」があります。

特に衛生面についてはどうしても病棟と暮らしの場では差が出ます。本当に清潔を保つ必要のある処置は、本当にそれが家庭で可能なのかという視点を持って指導しなければなりません。

また完璧に行うこと目指すよりも、患者さん自身にやってもらった方がリハビリになったり、生活の張り合いになったりすることもあります。

患者さんの心身の能力、介護する側の人の暮らしや年齢、ライフスタイルなども視野に入れながら指導することで、治療にとっても生活の質にとっても有意義な看護を行うことができます。

主役は常に患者さんとご家族であることを忘れない

病棟でも「看護計画」というものを立てますよね?病棟中では「看護計画の主役は患者さん」と言いながらも、やはり比重は看護師が行う内容が多いものです。しかし訪問看護の中の看護計画は常に患者さん、そして病棟ではあまり遭遇することのなかったご家族です。

「ご家族と患者さんが○○するために、看護師はどの部分をお手伝いすればよいか」をいつも念頭に置いて考えてください。そうすることで、治療・看護以外の場面でも患者さんとご家族が幸せに暮らすお手伝いができるとともに、看護師自身も楽になります。

自分の身を守る

訪問という密室で、看護師がハラスメントや暴力のリスクにさらされることがあります。一人で悩まず職場の同僚や地域のケアチームと速やかに情報共有を行うことが大切です。
ハラスメントをしたり暴力をふるったりする人は、他にも家族や地域で同様のことをしている可能性があります。このような患者さんに毅然とチーム対応していくことは、長い目で見れば後々患者さん自身のためにもなるのです。

看護師自身が生活者である

最後に、よい訪問看護師になるには、何よりも看護師さん自身が生活者であることが重要です。看護師さん自身が自分の暮らしを大事にしているということで、生活者の視点を持つことができます。ここでいう「暮らしを大事にする」ということは、完璧という意味ではなく、自分自身(いらっしゃればご家族も)をいたわりながら、うまくいくこともうまくいかないことも1つ1つを意識して暮らすという意味です。

その視点と看護師のキャリアを同時にもてた時、本当の意味で素晴らしい在宅看護をおこなうことができます。

まとめ

訪問看護についてなんとなくイメージしていただけたでしょうか?訪問看護は毎日が「あ、こんな暮らしもありなんだ」「こういう幸せの形もあるんだ」そんな発見の連続です。

看護師自身の暮らしも振り返らせてもらえる、とても楽しいお仕事です。訪問看護看護師になるには、まず訪問看護ステーションのお仕事を覗きに来てみてください。

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