苦手意識を捨てよう!アセスメントをするときの3つのポイント。

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#778 2019/07/29UP
苦手意識を捨てよう!アセスメントをするときの3つのポイント。
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看護学生時代から看護師になってからも日々つきまとうのがアセスメント。苦手意識がある人は少なくないのではないのでしょうか。アセスメントは学生時代から書いても書いても教員に直され、指導され…「自分はアセスメントが苦手なんだ。」と思っている人も中にはいると思います。

しかし、アセスメントをする時のポイントを押さえれば、徐々にその力は付いてきます。一緒に考えていきましょう。
 

『アセスメント』って何だろう?

そもそもアセスメントって何でしょう。アセスメントという言葉が難しくさせている要因なのでは…と思ってしまうくらい、捉えにくい言葉だと思います。

アセスメントとは、評価、査定のことを意味します。要は、『患者さんの情報収集をした事実から、考えられること』と、ざっくりと捉えておきましょう。


患者さんが入院してきました。情報収集をします。その情報をもとに必要な看護は何かな、と考えていく過程がアセスメントです。

情報収集をしてアセスメントした結果、看護計画が立案され、実際に看護を行い、その評価をして、再アセスメントをしていくことが看護過程なのです。アセスメントは看護過程の一部であり、柱になるところでもあります。

アセスメントの3つのコツ。

患者さんに興味を持って情報収集をする。

アセスメントをするためには、情報収集が必要です。情報がなければ、『何が原因でこの人は病気になったんだろう。何に困っているんだろう。何が問題になっているんだろう。』ということが明確になりません。まずは患者さんに興味を向けて、情報収集をすることがアセスメントをする時に必要になってきます。

例えば、80歳の男性が緊急入院してきました。
主訴は『息苦しさ』です。るいそうで衣類は失禁して汚れています。たまたま大家さんが訪問した時に具合が悪そうにしているのを発見し救急要請をされました。


みなさんはどんな情報を集めますか?

息苦しさという主訴から、まずはSpo2、呼吸回数、肺雑音といったフィジカルアセスメントやバイタルサインを測ります。気道内分泌物もあり熱もあるようです。どうやら喫煙歴もあるようです。既往歴にCOPDがありました。レントゲンは真っ白になっています。 血液検査で炎症反応が上がっています。Spo2は80%台で酸素投与を開始しました。

肺炎かな?COPD増悪?肺がんや肺膿瘍でもあるのかも。喘息?

身体を見ると下肢が浮腫んでいます。採血上BNPも上がっていました。この患者さんは肺炎契機の心不全のようですね。バイタルサイン、フィジカルアセスメント、既往歴、生活歴、家族歴、発達段階や性別も必要な情報です。


そこでいったん考えましょう。

痰もあるし、胸水も溜まっているので息苦しく、呼吸が苦しくなっているんだな。呼吸の清浄化が図れないのとガス交換の障害があるな。でもCOPDがあるから、酸素を投与しすぎるとCO2ナルコーシスになる可能性があるから注意しないとな。

ということが考えられます。

心不全の治療で胸水が溜まっているので、利尿剤を使います。『利尿剤を使うので循環動態や血管内脱水、電解質異常に注意しないといけないかな。』ということもありますね。

るいそうで安静のため床上安静になりました。心不全で肺炎もあるので食止め管理をしています。尿量測定のため膀胱留置カテーテルも入れました。本人もぐったりしていて意識も朦朧としています。

すると、『低栄養や便のオムツ内排泄、自己体動がないことによる褥瘡リスクがあるな。意識が朦朧としてるし高齢だからせん妄や危険認知力低下による危険行為の可能性があるな。バルンも入ってるし、尿路感染にも注意しなければ。』と思えば、それを予防する策を考えます。

大家さんが訪ねて発見された経緯から調べると、独居のようでした。介護保険もありません。

入院でADLや認知力が低下する可能性があるな。社会サービスの必要があるかもしれないな。自宅に退院となったらどこまでADLをアップさせないといけないかな。食事はどうやっていたんだろう。生活費には困ってなかったのかな。ソーシャルワーカーに情報を渡しといた方がいいかな。


と退院後の生活も情報から考えることができますね。

意識がはっきりしてから本人に聞くと、身寄りもなく退院しても自宅で暮らしたいと思っているようです。

ちゃんと病院に受診できるかな。コンプライアンスはどうだろう。どんな退院指導が必要かな。酸素が切れなかったらHOTが必要だな。
誤嚥性肺炎だったら嚥下機能は大丈夫かな。水分はとろみ剤を使った方がいいかもしれない。


など考える過程もアセスメントです。

考えられる可能性を探る。


事例の中でいろいろな考察ができましたね。ちょっと考えすぎなんじゃない?という思いうる最悪な状態までも考え、計画に活かし、看護に活かすことが必要です。

得た情報から考えられることを自分の引き出しから出しまくるのもアセスメントのコツだと言えるでしょう。

ネガティブな可能性もポジティブな可能性も考察することが大切です。いろいろな可能性を探る中で、看護計画にあげるべきポイントが見えてくるはずです。

アセスメントしたものに優先順位をつけることも必要ですね。

今回でいえば、まずは生命の維持に関わってくる『呼吸』というところが第一優先のアセスメント事項になります。その次は『排泄』、『危険防止』が続きます。急性期を抜けたら『退院に向けての学習』というところを看護サポートしていくのがいいかな、と思い浮かべます。

予防策・解決策を考える。

色々な問題点が出てくると、色々な改善するポイントや予防点が出てくるかと思います。

例えば、膀胱留置カテーテルが入ってれば、もちろん尿路感染のリスクが上がりますよね。そのためには、毎日陰部洗浄をして保清をするような看護を考えないといけません。


意識はある中でナースコールが押せないとなると、転倒や転落の危険性があったり、安静度をオーバーしてしまう可能性があるので、抑制やセンサーで対応した方がいいかな。と思い、まずは離床センサーを設置するのもアセスメントです。

ここまでできればアセスメントはOKでしょう。アセスメントをした結果で看護計画を立てていけばいいのです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

アセスメントって考えなければいけないことが多くてとても大変ですが、看護の醍醐味でもあります。疾患への知識が足りないな。情報収集能力が低いな。発達段階のことをもっと知らないといいアセスメントができないかな。と、自分の苦手なところを知ることでアセスメント能力は上がってくると思います。自分の中の引き出しを増やせばアセスメントなんて怖くないです。

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