看護師のキャリアアップの方法として、資格を取得するという方法があります。その中でも、看護師や看護師を目指す人であれば必ず聞いたことがあるのが、認定看護師、専任看護師だと思います。そこで、認定看護師とは何か?認定看護師になるためにはどうしたらいいのか?をご紹介したいと思います。
認定看護師とは
認定看護師(Certified Nurse)とは、21種類の認定看護分野に関して認定教育機関にて教育を受け、認定試験に合格した者をいい、2018年7月時点で19.835人の看護師が認定看護師として活躍しています。
特定の看護分野において、熟練した知識及び看護技術を用いて質の高い看護を実践のできる認定看護師を社会に送りだすことにより、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上を図ることを目的としています。
21の認定看護分野としては、
があります。
認定看護師の役割
認定看護師には3つの役割があります。
- 実践:患者、家族及び集団に対して熟練した看護技術を用いて高水準の看護を実践する
- 指導:看護実践を通して看護職に対して指導を行う
- 相談:看護職に対しコンサルテーションを行う
つまり、看護現場で率先して患者によりよい看護技術を行うとともに、他の職員も同様に実践できるよう指導を行うこと、また看護職の相談に乗り問題解決の援助を行うことが認定看護師の役割となります。
認定看護師になるための条件
認定看護師になるためには以下の条件が必要です。
- 日本国の看護師免許を有する
- 看護師免許取得後、実務研修が通算5年以上あること
- 認定看護分野の実務経験が3年以上あること
年齢や学歴の制限はありません。また、離職中であっても、どこで勤務していても認定看護師資格を目指すことは可能です。
認定看護師になるための方法
認定看護師になるための条件を満たした状態で、認定看護師教育機関に入学し修了後、認定看護師認定審査をうけることが出来ます。
認定試験は毎年1回5月に全国5会場で同時に開催され、試験内容は4肢択一のマークシート方式となります。試験時間は100分です。
認定看護師認定審査に合格したら、認定看護師認定証が交付され、登録することが出来ます。
認定看護師になるための費用
認定看護師になるためには、約100万円はかかると言われています。
内訳は以下の通りです。
- 入試検定料:5万
- 入学金:5万円
- 授業料:70万
- 実習費:10万
- 認定審査費用:5万
- 認定費用:5万
以上の全ての人に必要な費用のほかに、教育機関や生活の環境に応じて、家賃や引っ越し費用もしくは交通費が必要になります。また知識を深めるためには、参考書の費用も必要になるでしょう。
しかし、必ずしも全額自己負担する必要はありません。病院によっては、全額もしくは一部を負担してくれることもあります。また、教育機関によっては奨学金制度もあるため、活用するといいでしょう。
金額については教育機関によって異なるため、じっくり調べてみましょう。
認定看護師の仕事
認定看護師の試験に合格したらそれで終わりではありません。資格を保持するためには、5年ごとに更新が必要となります。更新の方法は、看護実践と自己研鑽の実績について書類審査を受けることです。そのため資格保持した後は勤務している病院や組合にて資格に関連する研修を行い、認定看護としての役割を果たす必要があります。
認定看護師のメリット・デメリット
では、認定看護師になることのメリット・デメリットは何でしょうか?
メリット
- 仕事の範囲が広がることでやりがいが増える
- 資格を取得したことで昇進しやすい
- 資格手当がつく(病院によって手当の有無や金額は異なる)
- 転職や再就職の際に有利となる
デメリット
- 資格を取得するまでに時間を要する
- 教育機関での費用がかかる
- レポート提出が大変
- 資格の更新費用がかかる
認定看護師と専門看護師の違い
認定看護師のほかに専門看護師という言葉もよく耳にするかと思いますが、その違いは何でしょうか?
ケアする対象が違う
認定看護師の対象は患者に特定されますが、専門看護師は患者とその家族に対してトータルでケアをすることが出来るとともに、看護中の家族の相談を受けたり、地域の訪問看護施設へ働きかけたりしながら多くの人と連携したサポートを行うことができるのがポイントです。
役割の違い
専門看護師と認定看護師では役割が違います。
専門看護師・認定看護師の共通する役割としては前述したとおり、実践・指導・相談です。
専門看護師はさらに、患者に関わる全ての職種に関して調整を行うとともに、治療方針の決定など倫理的な問題が発生しやすい状態に関わり、患者・家族の思いを尊重して治療や療養が行えるよう援助を行います。また、専門知識や技術の向上のための研究活動を行うことも専門看護師の大事な役割となります。
つまり、専門看護師は、看護ケアの提供だけではなくより専門的で影響範囲が広い仕事をしたい人や、医療体制を整える活動がしたい人、よりよい看護ケアを実践するために、専門分野の看護研究を深めたい人に向いていると言えます。
逆に認定看護師は専門性の高い知識を身につけ医療現場でより質の高い看護ケアを実践したい人や、特定の医療分野に特化したプロフェッショナルになりたい人、常に現場の最前線にたって患者様と接していたい人に向いていると言えるでしょう。
認定看護師になるためにしておくこと
実務経験が必須
認定看護師の教育機関に入学するには、5年以上の実務経験と分野における経験が3年以上必要となります。
そのため、希望する分野での経験が効率的に積めるよう職場や配属希望を考える必要があります。
もし、いますぐにでも認定看護師になりたい方は、キャリアプランを考え、計画的に行うことで認定看護師を受ける条件を早く満たすことが出来るでしょう。
認定看護師の教育機関を受講する期間は給料がなくなる、もしくは減額されます。
また、教育機関に入学するためにも費用がかかります。
そのため目標に向かって貯金をしておくといいでしょう。
いざ入学したいがお金がないとなっては勿体ないです。
まとめ
いかがでしょうか?認定看護師になるための方法やそのためにしておくべきことは分かりましたでしょうか?
認定看護師になるには時間もお金も要しますが、仕事の幅はぐっと広がり、自分にとっての財産になるでしょう。さまざまな分野がありますが、自分にとって何か興味のある分野があれば挑戦してみる価値があります。認定看護師の資格を取得し、キャリアアップしたい看護師の少しでも助けになればと思います。でも救急看護師のことが理解できたでしょうか。あなたの夢、応援しています。
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