私は高校卒業後に美容関係の専門学校へ行き、美容業の道へとすすんでいたのですが、とあるきっかけによって医療関係の仕事に携わり看護師を志しました。私のように全く医療とは関係のない業種から看護師を目指す方へのヒントや参考になればと思います。
社会人から看護師になるには
冒頭でもお話しさせて頂きましたが、私は今現在看護師として働いている「社会人から看護師になった」人間です。きっかけは十人十色です。方法もそれぞれです。私と同じように社会人から看護師を目指す方や、看護師になろうか迷っている方たちに少しでも情報提供やきっかけになればと思います。
みなさんにとって、看護師を目指したのは良いけれど、まずは何をしたら良いのか分からない…と悩んでいる方は多いと思います。
とりあえずインターネットで検索をしたり、看護学校のホームページを見たりされているのではないかと思います。
そこで、私が実際に看護師になるまでに選択した方法や経験を踏まえてご紹介したいと思います。
正看護師と准看護師の違い
看護師には2つの資格が存在します。
「正看護師」と「准看護師」の2つの資格があり、この2つは保健師助産師看護師法という法律によって違いが定められています。
正看護師
厚生労働大臣の免許を受けて、療養上の世話、または診療の補助を行う
准看護師
都道府県知事の免許を得て、医師、歯科医師、または看護師の指示を受けて療養上の世話、または診療の補助を行う
このように定められており、准看護師は看護師の指示を受けなければ業務を行えないということになります。しかし、現場においての看護師と准看護師の業務の違いはほとんど無く日々の業務ではほぼ同じ内容をこなさないといけません。
学校選び
次に、看護師を目指すのであれば必ず学校に通わなくてはなりません。
准看護学校、正看護学校、短大、大学など選択肢は様々です。(最終学歴が中学校であれば正看護師の学校ではなく准看護師の学校になります)
准看護師であれば2年制、正看護師の専門学校と短大は3年制、大学では4年制となっており、4年制の大学では保健師の資格も一緒に取得できる学校が多い様です。
また、専門学校によっては社会人枠の多い学校や少ない学校などもありますので、学校を選ぶ際にはしっかりと情報を得る事をおすすめします。
私自身が行った学校の情報収集ですが、塾へ通い講師の先生から様々な専門学校の話しを伺い、社会人枠の多い専門学校を受験校として選びました。情報量の多さは流石でした。
受験勉強
看護学校を受験するにあたり、准看護師であれば中学校レベル、正看護師であれば高校レベルの問題が出題されます。正看護師の学校では、国語・数学・英語が試験となっている学校が多いですが、中には理科系を含む学校もあります。
私は一度独学で受験し失敗してしまったため、二度目の受験の時には塾へ通い勉強をしていました。しかし塾へ通うにも金額は安くないため、基礎の勉強は直接専門学校から取り寄せた過去問題や、本屋に売られている過去問題集で乗り切りました。
受験が近づくと「直前対策講座」という短期集中の授業を行ってくれる塾も多くなるため、そちらを利用して受験勉強をしていました。また、塾では面接の模擬試験があるなど、とても充実した内容でした。
看護学校入学
合格通知が届くと、早期に振り込まなければならない入学金の案内も一緒に届きます。学校にもよりますが、入学金・教科書代・授業料・施設設備費など、一気に多額の金額が必要になります。
当時の私は貯金がほとんど無い状態だったのですが、看護師を志した際に「看護師資格取得支援」のある病院へと転職しており、病院独自の奨学金を受けて納入する事ができました。
病院独自の奨学金とは、資格取得後に奨学金を受けた病院で数年間看護師として働く事を約束する代わりに受けられる独自の制度です。
また、もし後々奨学金を受けた病院での就職に疑問を持ったり、他の病院で働きたいと思った際には、働きたい病院に奨学金制度があれば借り換えをして希望の就職先に就職する事も可能です。私自身も奨学金の借り換えを相談して就職をしました。
授業
授業内容は、座学・技術演習があり、取得単位数が多くテスト三昧の日々でした。私が通っていた学校ではグループワークも多く、グループでの技術試験もあり、グループ内の学生全員が合格するまで皆で技術練習をしなければならない事もありました。
実習
医療系の専門学校の実習はキツいと聞いた事がある方も多いのではないでしょうか?
まず実習が始まる前には驚くほどの事前課題の山や、実習が始まれば実習記録で眠れない日々が続く事も多くなります。しかし、実習では実際に患者さんを受け持ち、受け持ち患者さんに対する看護を自分で考え実践していく事が出来、看護師としての実感や看護観を持つ事につながります。
患者さんに寄り添う事で、患者さんや家族さんから「ありがとう」の言葉を頂くこともあります。現場に出てから思う事は、看護学生が受け持っている患者さんは、頑張ろうとする意欲が湧く方が多い印象を受けます。
現場では1対1の看護は出来ませんが、看護学生の間は基本1対1です。多くの時間を患者さんと共有し、一番身近な存在になる事ができます。丁寧に接する事で、疾患と症状の結びつき、必要である看護が見えたり必要な関わりを学ぶ事が出来ますので、くじけそうになっても頑張って欲しいと思います。
国家試験
看護学校卒業前にはいよいよ国家試験がやってきます。
1年生の早い段階から少しずつ勉強が始まる学校もありますし、模擬試験や国家試験対策が定期的に学校で行われる事が多いと思います。国家試験はマークシートの選択式の試験になり、引っ掛け問題も多数存在します。問題を解くのはもちろんですがマークシートの記入ミスは致命的ですので、学校でもしつこいくらいに注意を促されます。
勉強方法ですが、私は就職が決まっていた病院で開かれる国家試験対策講座を受けたり、通学・通勤の合間に勉強出来る様にと国家試験対策アプリを使用していました。
転職サイトにも過去問題が豊富に更新されるため、転職サイトへ登録し利用する事もありました。また看護学校受験時と同様に、塾の対策講座を受ける等もしていました。
まとめ
最後になりましたが、今現在医療業や看護師の仕事に興味を持ち、これから取り組みをして行こうとされている社会人の方や、どうしようか迷われている方も多いと思います。
実際に学校へ行くとくじけそうになる事や、考えただけでも「やっぱり自分には無理かもしれない…」と諦めようかと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、何よりも患者さんから「ありがとう」と言われる、とてもやり甲斐のある仕事ですので、是非諦めずに目指して欲しいと思います。
いつの日か同じ臨床の場で働ける仲間となれる事を願っています。
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