外来看護師における業務をすこしでも円滑に進めることができるためにどういった方法があるのか。
診察までどのようにすればスムーズに業務遂行できるのか。そういった悩みのある方は多くいらっしゃると思います。
今回は問診、処置におけるちょっとしたコツをお知らせしていきます。
外来看護師の業務のコツと向いている人の素質とは!?
病院にとっての「顔」と言えば外来看護師です。総合病院ではさまざまな患者さんが外来を訪れ検査、処置を行い時には入院が必要な場合もあります。また外来診察を行っている医師と患者さんのつなぎ役としても外来看護師の業務は多岐にわたります。外来看護師の業務におけるいくつかの場面でのコツをご紹介していきたいと思います。
外来看護師の問診術
外来看護師の問診は一筋縄ではいきません。とくに総合内科の問診カウンターには老若男女さまざまな患者さんが多様な訴えを看護師に投げかけてきます。当たり前ではありますが何故今病院を受診したのか。その理由を明確にすることが必要です。患者さんにははっきりした訴えがない場合もしばしばあります・
「最近調子がわるくて食事がすすまない・・」
などを理由に来院される場合もあります。
そこが看護師としての腕の見せ所なのです。
患者さんの社社会的背景、生活歴(アルコール、たばこ)今までに大きな病気はないか、現在治療している病気はないか。それらをトータルして問診していき、どこに原因があるのか探りながら患者さんの話を聞いていくのです。
その事前に得た情報をカルテ記載していくことで実際診察に入ったときに医師と患者さんがスムーズなコミュニケーションが可能になるというわけです。診察室に入り何の情報もないまま、医師が診察しようとしても情報収集に時間を取られ診察から検査、処置までに時間を要してしまい結果外来患者さんの待ち時間はどんどん延びていきます。
総合病院では患者さんの待ち時間の長さはクレームにも繋がりやすく特に短縮には努めていきたいところです。
漠然と患者さんと話すだけでは必要な情報が得られないだけでなく不必要な話が延々と続いていくなんてことにもなりかねません。
そうならないためにも医師が診察するうえでどのような情報が必要なのか、質問の雛形などをあらかじめ作っておくのがコツです。
自分の中で雛形に当てはめていく形を取れば短時間である程度絞った質問を行うことができ、診察への流れがスムーズになります。
外来看護師の処置について
外来看護師において採血、点滴は一番行うことの多い処置になります。
定期通院の患者さん、フォローアップの患者さん、など来院目的はさまざまですが基本的な採血は検査として必須項目となります。病棟で寝たきりの患者さんと違い、看護師の顔をじっと見つめながら採血をお願いする患者さんもいます。
慣れないうちはそれがプレッシャーと感じてしまう方もいるかもしれません。
そんなときは患者さんと話しながら処置を行うことも一つの方法です。処置の最中が実は患者さんとコミュニケーションをとる時間にもなります。
採血、点滴両方にいえることは血管選びです。いくら経験を積んだ看護師でも蛇行した血管で静脈を確保するのは至難の業です。何度も刺されては患者さんは痛い思いをするだけです。確実に(と言っても失敗することは誰にでもありますが)自分の技術で行える血管を選ぶことが採血、点滴の際のコツになります。
ここで点滴留置の際の教科書に載っていないコツを二つご紹介します。
穿刺する方向と反対に皮膚を引っ張り血管が逃げないように固定する
太い血管と思って穿刺してみるとグニャっと折れ曲がって針先が逃げてしまった経験がある看護師はたくさんいると思います。それは患者さんの皮膚を固定している手が穿刺方向と同じ方向に皮膚を押さえている可能性があります。手技者側に引き寄せるように皮膚を引っ張れば血管は固定され逃げる可能性が低くなりさらに若干の蛇行ならば真っすぐにすることも可能です。
血管を抄う
血管の位置によっては内筒が血管内に入って逆血が確認できても外筒を進めることが難しい位置があると思います。外筒を進める際には血管を貫通しないよう平行に近づけて進めますが、この平行に近づける動作ができないことが原因です。
それを回避するために行うコツがあります。サーフローやスーパーキャスなどが留置針として一般的だと思いますが、開封したあとそのまま使うのではなく留置する外筒の根本から若干曲げて角度をつけるのです。そうすることで外筒を進める際に直線で穿刺するよりも余裕ができて血管を下から抄う感覚で穿刺することが可能になります。針のキャップを使って清潔に曲げて不潔にならないようにします。
この2つは看護学校では教えてくれない裏技的な方法ですが現場では有効な手段になります。
救急部や病棟との連携
外来看護師をしていると時に、血圧が低くショック状態であったり、喘息発作で酸素化がかなり悪い患者さんと遭遇することがあります。
すべての患者さんが内科の診察まで待機可能とは限りません。
喘息などの重責発作は直ちに気管支拡張薬やステロイドを投与しなければ命に係わる病態です。そういった場合は直ちに救急部と連絡を取り、患者さんを速やかに診察することも外来看護師の大きな役割です。
総合病院では受付(医事課)、外来(初診)、救急部が連携を取り合えるように院内トリアージのマニュアルを設けていることがほとんどだと思います。普段から各部署との連携方法などは確認しておき重症患者を見逃さず診察まで時間を待たせない心構えが大切です。
判断に迷ったときにはひとりで考えず報告、連絡、相談を怠らず積極的に他部署とコミュニケーションをとっていくこともが重要になってきます。
診察後に帰宅可能と判断されたら安心ですが、なかには検査結果が悪く入院が必要と判断される患者さんもいらっしゃいます。そうすると次は病棟と連携をとり患者さんのベッドを確保する必要があります。
患者さんの現在の状況、検査結果、診断など申し送り事項をまとめ、入院に必要な書類の作成なども発生します。事務的な業務も外来看護師には複数存在するため業務の優先順位を考えて行わなければなりません。
まとめ
外来看護師は経験したことがない方にはわからない難しさがあると思います。
とくに初めての受診の患者さんなどは情報もないので難しい場合が多いですよね。
患者さんを診察するうえで問診は避けては通れない工程になります。
情報を引き出すコミュニケーション能力が必要になってきます。
患者さんと会話する機会が多い外来ではそういった患者さんとの会話も楽しみながら日々の業務を頑張っていただきたいです。
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