看護師のアセスメントの基本と書き方のコツ

会員登録 ログイン
メニュー
#690 2019/05/10UP
看護師のアセスメントの基本と書き方のコツ
更新情報を受け取る mail このエントリーをはてなブックマークに追加
mail

先回に引き続き、看護師アセスメントの基本的な書き方をご紹介していきます。先回はゴートンの理論に従っての書き方をご説明しましたが、今回はヘンダーソンの理論に従っての書き方をご説明していきます。それぞれ項目が違うので比べていくと便利です。


 

ヘンダーソンの看護理論に基づくアセスメントシートの書き方のコツ

先回ご説明しましたゴートンの理論に従った分類ほうによるアセスメントの書き方と、もう一つ代表的なものとしてヘンダーソンの理論に従ったアセスメント書き方があります。ヘンダーソンの看護理論のアセスメントの項目は、マズローの基本的欲求がベースとなっています。どちらも看護師にアセスメントでは基本となります。次のような項目があります。

ヘンダーソンの理論に従ったアセスメントの項目と書き方のポイント

呼吸

一つ目は、正常に呼吸することです。呼吸数、肺雑音、呼吸機能、経皮的酸素飽和度、胸部レントゲン、呼吸苦、息切れ、咳、痰喫煙歴、アレルギー、自宅周辺の大気環境などです。

例:呼吸数〇回/分、SpO2〇%。肺雑音なし、酸素呼吸器をつけている、息切れが激しい、アレルギーがある、花粉症気味である、肺気胸の病歴がある
飲食

二つ目は、適切に飲食することです。自宅や療養環境での食事の摂取量、水分の摂取量、摂取方法、嗜好品、アレルギーのある食品、身長、体重、BMI、必要栄養量、身体活動レベル、食欲、嚥下機能、口腔内の状態、嘔吐の有無、吐気の有無、血液データ(TP,Alb,Hb,TG)です。

例:仕事が忙しいので即席食品や出前などをよく食べている、自宅で自炊をして家族と食事をしている、ごはんは食べるがおかずが進まない、小麦アレルギーがある、昼夜しか食事をとらない、食事量は年々減少してる、歯が悪いので柔らかいものしか食べれない、好き嫌いが多く野菜を食べない、宅配弁当を食べている、日中水分を〇リットル摂る
排泄

三つ目は、あらゆる排泄経路から排泄することです。排泄回数、性状、量、尿意、便意、発汗、バランス、食事、水分摂取状況、麻痺の有無、腹部膨満、腸蠕動音、血液データ(BUN,Cr,GFR)です。

例:水分を多くとるので排尿は1日に何度も行きたがる、水分をあまり摂らない、食事をするとすぐに排便がある、排便は1日1回ある、便秘ぎみで3日に1回しか便通がない、濃縮尿がある
姿勢の保持

四つ目は、身体の位置を動かしやよい姿勢を保持することです。ADL、麻痺や骨折の有無、安静度、MMT、ドレーンや点滴の有無、生活習慣、認知機能、呼吸機能です。

例:枕を使用している、ベッド上での座位はできる
睡眠や休息

五つ目は、睡眠や休息です。自宅や療養環境での睡眠時間、パターン、疼痛、掻痒感の有無、入眠剤の有無、疲労の状態、療養環境への適応状況、安静度、騒音の有無、ストレス状況です。

例:普段は睡眠薬を飲んでいるので入眠は早いが、夜中に起きることがある、早朝に起きると再度睡眠に入ることが難しい
衣服選び・AOL

六つ目は、適切な衣類を選びです。着脱する、AOL、運動機能や認知機能傷害の有無、麻痺の有無です。

例:左マヒがあるので着替えが難しい、着替えを嫌がる、上腕骨骨折術後があるのでボタンの着脱が難しい
環境の調整

七つ目は、衣類の調節と環境の調整です。体温を生理的範囲内に維持する、バイタルサイン、療養環境の温度や湿度や空調状況です。

例:極度の寒がりなので、室内は〇度に常に設定しておく、手足冷たい、気温によって脈が速くなる
皮膚の保護

八つ目は、身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護することです。自宅/療養環境での入浴回数や方法、ADL、麻痺の有無、爪や鼻腔、口腔の保清です。

例:自宅では週〇3回訪問介護をしている、入浴は週に〇買い、入浴は介助が必要、口腔ケアは必要
危険

九つ目は、環境のさまざまな危険因子を避けることや、他人を傷害しないようにすることです。自宅や療養環境での危険箇所の有無や状況、術後せん妄の有無、皮膚損傷の有無、感染予防対策です。

例:手術後にせん妄があるようになった、衛生環境が悪く皮膚が良くただれる
コミュニケーションを持つ
十番目は、自分の感情や欲求、恐怖あるいは”気分”を表現して他者とコミュニケーションをもつことです。表情や言動、性格、家族や医療者との意志の疎通です。例:補聴器が常に必要でひとの話が聞き取れない、頑固なところがあり話を聞き入れないところがある、家族を通じてコミュニケーションをした方が良い
信仰

十一番目は、自分の信仰に従って礼拝することです。信仰の有無や価値観、信念や信仰による食事の制限、治療法の制限などです。

例:宗教上の理由で肉類は食べない、ベジタリアンである
仕事

十二番目は、達成感をもたらすような仕事をすることです。職業、社会的役割、入院や疾患が仕事、役割に与える影響です。

例:昨年仕事を退職してから気持ちがふさぎがちになった、町内会長をしており役を務めている
レクリレーション

十三番目は、遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加することです。趣味や休日の過ごし方、余暇活動です。

例:日ごろは趣味の盆栽のクラブに参加している、詩吟をするのが楽しみ、年に数回は旅行にいく
好奇心満足

十四番目は、正常”な発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させることです。発達段階、疾患・治療方法の理解、学習意欲、認知機能です。

例:市の高齢者の健康指導の教室に通って自分で健康管理をしている、テレビ講座で語学の勉強をしている

 

書き方のポイント

このように基本項目に従って書いていくことができますが、いろいろな面からかいていくことが大切です。

先回ご紹介しましたゴートンの理論に従った項目と比較するとより、本人の欲求レベルに従っていることから項目が細かくなっています。基本的にはどちらでもいいのですが、これは書いた書かないと自身でチェックしやすいことから初心者のかたにはヘンダーソンの理論が書きやすいといわれています。


全ての項目をできるだけ網羅的に書くようにすると、自然になれてきますので、全体像を上手くつかんで書くことが出来るようになってきます。アセスメントの良い書き方は、最初はとにかく細かくかいていくことです。

まとめ

このように、ヘンダーソンの理論にしがったアセスメントの記入方法は、大変細かく項目が分かれているので、初診でも書きやすいと言われています。まずはメモのようなものでも書いていくようにすると、少しずつ書き方のコツがつかめてきますので、書いてきましょう。看護師にとっては、必要不可欠のものとなりますので、良いアセスメントの書き方をしっかり習得してくださいね。

こんな記事/動画も見られています

 

こちらの本が読まれています

意見をメールする 更新情報を受け取る

バックナンバー

 

【看護師お役立ちコラム】への応募・問合わせ

名前【必須】
電話番号
Eメール【必須】
Eメール(確認)【必須】
問合わせ・応募内容
【必須】

 

Facebook Twitter email
看護師の転職・求人。病院を動画で確認!ミスマッチを防ぎます Pagetop