看護師のアセスメントの基本とゴートンの理論に基づくシートの書き方のコツ

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#689 2019/05/09UP
看護師のアセスメントの基本とゴートンの理論に基づくシートの書き方のコツ
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看護師にとってアセスメントの記入は大変大きな比重を占める仕事の一つです。これ一つで、患者さんの病状や体調から、精神状態や気持ちの変化まで、いろいろなことを記録し、他の関係者と共有することも出来るの有効な資料となります。そのため、しっかりと記入していくことが大切です。  

アセスメントシートの書き方のコツ

看護師の方にとってアセスメントはとても大切なものです。ですが、なかなか他の業務の時間に押されて、十分な時間がとれない、うまく纏まらない、どういったポイントで書いていいかわからない。そういった声がきかせれます。次のようなポイントを抑えておくのがよいでしょう。

アセスメントとは

看護師の方にとって、アセスメントとは次のような意味があります。

アセスメントは、患者本人や家族から得られた情報を、カテゴリ別に整理して、今後の治療や看護に役立てることです。内容は、病状から体調、精神状態や気持ちの変化、態度や行動の変化などが含まれています。

こういった情報を全て把握しきるのは至難の業ですので、一つ一つまとめて、自分の頭を整理するとと主に、他の関係者と情報共有できるのも良いところです。 ですが、なかかな難しいもので、なんとなくまとめただけではうまくいきませんし、主観的なものとなってしまいます。そのため、ある程度ルールに従って書いていくことがよいアセスメントづくりの方法です。 そこで次のような要素を織り込んでいくのがよいとされています。

看護ケアでアセスメントに織り込むべき要素

アンダーソンが構築した看護概念モデルがあり、これにしがたがって情報整理していくと良いとされています。

健康知覚

一つ目は、健康知覚です。健康知覚は、主に健康に関する全ての基本情報です。健康管理、健康状態、受診行動、疾患や治療への理解、運動習慣、服薬状況、身長、体重、BMI、飲酒の有無、喫煙と禁煙、既往歴などが含まれます。

例:”今日は病院へ行った”、”体調が良いなどです”、皮膚科通院、煙草3本
栄養代謝

二つ目としては、栄養や代謝にかかわることです。入院前後の食事の食べた量、嚥下の低下、体重やBMIの変化、皮膚の状況、褥創の有無、義歯の有無、血液データなどです。

例:入院中に食べ物が食べらえなくなった、入院中の朝食10割完食、糖尿病食を食べている
排泄

三つ目は、排泄に関することです。排泄回数、排せつ量、性状、腎機能データ、排泄行動の有無、介助の必要性、下剤使用があったか、安静状態、膀胱留置カテーテルがあるかなどです。

例:尿が出にくい、頻尿で夜中に何度もトイレに行ったm尿量〇ml/日、排便有り、便秘で3日間便が出ていない
運動・ADL

四番目は、活動や運動に関することです。ADLの状況、運動機能、呼吸機能、職業、運動歴、安静度、移動や移乗方法、住居環境、バイタルサイン、血液データです。

例:トイレに行けないのでポータブルトイレを使ている、安静度:ベッド上にいつもいる、ギャッヂアップ〇度が良い、入院前は毎朝のウォーキングが習慣だったが今は寝たきりで立ち上がりが難しい
睡眠休息

五つ目は、睡眠や休息にかかわることです。睡眠時間や、熟眠感、睡眠導入剤使用の有無、日中や休日の過ごし方などです。

例:なかなか寝付けなくて睡眠薬を常時飲んでいる、睡眠時間は6時間ぐらい、夜間2回覚醒する、早朝覚醒しその後眠れない、日中は一日中家にいる、、休日はたまに外に出るが近所を散歩する程度
認知

六つ目は、.認知や知覚機能です。意識レベルや聴力、視力、認知機能、疼痛状況、不安の有無、表情の変化です。

例:両耳に補聴器を装着している、意識はしっかりしている、時々物忘れをすることがある、急に怒り出すことがある、眼鏡は老眼をする、膝が傷むのでサプリメントを飲んでいる、
自己知覚

七つ目は、自己知覚です。自己概念、性格、社会役割、家族内役割、今後の疾患の見通しなどです。

例:明るい性格だったのだが、病気のせいで鬱っぽい症状が見られる、落ち込みやすい、几帳面で潔癖症のところがある、
環境

八つ目は、職業、社会役割、家族の面会状況、経済状況、キーパーソンです。

例:子供夫婦と同居している、孫が近隣に住んでいる、会社の部長をしていたが定年職をした、自営業で飲食店を営んでいる、

九つ目は、性や生殖に関することです。年齢、家族構成、更年期症状の有無などです。

例:〇歳女性で数年前に出産。夫と2人暮らしをしている、更年期症状の症状が時々見られる、数年前に前立腺肥大の兆候が見られる
コーピング

十番目は、コーピングです。 ストレス耐性や入院環境・仕事や生活でのストレス状況、ストレス発散方法、家族のサポートの有無、生活の支えとなるものや趣味、楽しみ、ストレス解消法などです。

例:生活のストレスでいつもイライラすると、薬を飲んだりすることもあるが、基本的にはスポーツをしたりしてストレス解消をしている、時々いそがしくなると怒りっぽくなるところがあるのでマッサージなどをしてもらっている、ストレスで肩こりや頭痛がひどくなると入浴時間をゆっくりとるようにしている
価値

十一番目は、価値や信念です。信仰・意思決定を決める価値観、信念・目標などです。

例:これまで仏教を信じて仏様にいつも感謝しています、病気になって今までの生活がいけなかったんだと反省することがあります、神にもすがりたいおもいです、信仰は特になし

 

書き方のコツ

このようなポイントで書いて行けばいいのですが、

ポイントとしては、主観的な記録と、客観的な記録を上手く組み合わせるということです。本人が実際に口にしたことをそのまま書く主観的なものと、客観的な事実やデータ(検査結果など)を両方書き記していくことでより信頼度のあるアセスメントが出来上がります。

このようにアセスメントで大切なのはいろいろな情報を細やかに記録しているということです。思いつくまま書いていても全体像がみえませんので、項目ごとにチェックして、全ての内容を網羅的にかいていくことが大切です。今回ご紹介しました内容は、必ず必要な基本事項となります。

まとめ

このように看護師のアセスメントで大切な項目をがあります。今回ご紹介しました項目はごく基本的なものばかりですが、こういう情報の集積が、患者さんの健康維持や治療や改善の一歩となります。日々記録していくことで、重要な気づきがあったり、悪化を防ぐこともできるので、是非しっかりとアセスメントを行っていきましょう。

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