訪問看護師になるために準備しておくことと注意したほうがいいこと

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#681 2019/05/04UP
訪問看護師になるために準備しておくことと注意したほうがいいこと
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看護師自体は、まだまだ売り手市場ではあるかと思います。
訪問看護師募集している事業所はたくさんありますので、最初に選ぶ場所をよく見極めることが重要です。
病棟経験なしでも募集しているところもありますが、基本は3年程度は病棟で働いてから地域にでたほうが賢明です。
 

もっておいたほうがよいスキル・経験について

20年くらいは、訪問看護師が花形といわれた、夢のような奇跡のような時代がありました。ほんの一時で終わってしまいましたが。

今は、どうでしょうか。病院勤務の看護師ですら常に不足している状態ですから、在宅の分野にナースが充足するということは考えにくいように思います。そんな現状の中、地域や在宅に出て働きたいという思いをもたれている看護師さん、学生さんがおられましたらば、自分も経験者としてぜひ応援させていただきたいです。

まず、スキルというか経験値として、病棟経験は必須だと自分は思っています。

訪問看護師は身ひとつでいくわけですから、何かあったときも基本一人で判断して、行動しないといけません。内科とがん看護は経験しているとよいかと思います。外科と救命もあるとなおよいですね。褥瘡処置の方法なども往診医師によって変わりますが、最新処置の方法などは常にアップデートしておいたほうがよいです。

なので、新卒でいきなり飛び込むよりは、最低3年くらいは病院にいるといいと思います。まともな事業所の所長さんならば、あるいは、人事担当者ならば全員そういうと思います。最近は、経験1年くらいでも採用して、一から教えながら育てていくというところもあるようですが。


もっておいたほうがよい資格、というか事業所に入ってから、きっととらされるのがケアマネです。自分もケアマネをとることを求められましたが、とるかとらないかは自分で選んでよいと思います。ケアマネの勉強をしておくことは仕事に役に立ちますし、将来的に看護師の仕事ができなくなったときに潰しがききますので無駄にはならないかと思います。

訪問の看護師の仕事で最も重要なのは、各職種・関係機関との連携です。

つまり、仕事の半分以上を連絡調整に割いているといっても過言ではありません。連絡調整の際に、ケアマネの仕事内容や具体的な連絡の方法をよくわかっていると、非常に仕事がスムースです。

ただ蛇足ではありますが、年寄りからのアドバイスをさせていただくとすれば、ケアマネはもっていると損にはならないですが、現実には自分の仕事が回らなくなる可能性は十分にあります。だいぶ前から、在宅の現場においては、看護師、(略して訪看と現場ではいっています)とケアマネの仕事は両立は不可能といわれております。訪看になりたいのであれば、仕事は看護師のみにしておいたほうがよいと個人的には思います。

最初の職場のえらびかた

最初に就職した場所が病院で、なおかつ訪問看護ステーションが併設されているところであれば、数年たってからローテーション希望をだして異動がかなえられるようアピールをしていくという方法が一番無難と思います。自分が病棟でかかわって、指導をした患者さんが在宅でどのような暮らしぶりをしているのか、見てみると嬉しくなることもあったり、がっかりすることもきっと出てくるでしょう。

私の同僚は、一所懸命につくった指導のパンフレットが大事にビニールにくるまれて箪笥のおくにしまわれている現実をみて、

「病棟での自分のかかわりは全然伝わっていなかったな」

と肩を落としていました(笑)。でも、そのような現実をみることで、同僚は患者さんの生活をより詳細に深く知ることができますし、患者さんにとってのよりよい療養生活を支援するやり方を考えていくことができたのです。

あまり、おすすめできないのが、全国にたくさんフランチャイズ展開されている事業所です。

いわゆるベンチャー系列や、大手財閥系列などもともと介護・医療業界が主軸で事業をなしておらず、財力だけはあるような会社です。新興のフランチャイズ展開の中にもよく勉強しているところもありますので、それがすべてとは申しませんが、かつてのコ〇スンのように、ありえないような不正を平気でやっている事業所はおそらくそういった中にいくつかあります。

監査をクリアして、安定した利用者層を顧客に十分に抱えていること、ようは当たり前のことですが、地道にまじめに仕事をして黒字経営を安定してたもっている事業所で正社員として働くのがベストです。

私の個人的な印象では、2000年の介護保険施行以前より訪問看護ステーションの運営をつづけている、いわゆるその地元で老舗といわれているような事業所はあまりはずれはないかと思います。


ボーナス5か月分!といった賞与条件にはあまりとびつかずに、まずは、ステーションの見学に申し込み、同行訪問をしながら職場の雰囲気や仕事の内容をよく見極めてください。訪問に使う自転車は自分のマイチャリでいってくれ、携帯の酸素飽和度も支給されない、といったいい加減な事業所も結構あります。

あと、本気で都内で働きたい人でしたら、自転車に乗れない人は、のれるようにしておきましょう。都内ですと移動は自転車が中心になりますので、自転車運転マストです。

在宅の今後の展望

介護保険も年々改正というか、改悪されて利用者さんの負担が増えていく一方です。訪問看護は、介護の分野と重なり合う領域が多いので、ケアマネさんやヘルパーさんと話しをしていると、近年はとみに介護が食い物にされているなぁと感じます。

在宅にこだわって仕事をしていきたいという思いをぜひ持ち続けていただきたいと思いますし、自宅でこそ患者さんの輝きがますと思います。

終末期では、のぞんでおうちに帰ってそこで帰る人たちのエンドステージをどのように演出できるか、サポートスタッフとして一番腕が発揮できる分野かと思います。

今後は、独居の認知症、精神疾患の高齢者など困難事例がますます増えていくと思います。病院が患者さんをどんどん帰すようになってきている時代ですから、在宅看取りの患者さんも、非常に増えていくことは必須です。

非常に需要が高く、またスキルの高い訪問ナースは、引く手あまただと思います。

まとめ

訪問看護業界は、需要はこれからますますありますし、自分のやりがいも見いだせる非常に魅力的な職場です。
ほとんどの事業所は社員さんやパートふくめて5-6人程度で回しているところが多く、零細企業であります。少数精鋭でやっていくしかない以上、最初から即戦力としてある程度うごけることが求められます。病棟経験はぜひとも数年積んでから、チャレンジすることをおすすめします。また、最初の在宅の職場は、自分のキャリアとして非常に重要です。よくみきわめて、給与面だけでなく本当に在宅医療のことをわかっている事業所なのか、管理者はまともなのか自分の目で精査しましょう。

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