気難しい&怒る患者さんの受け持ち!対応や接し方のコツ

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#680 2019/05/03UP
気難しい&怒る患者さんの受け持ち!対応や接し方のコツ
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看護師としてだけではなく社会人として働く上で避けては通れない道ですが、「この人苦手だなぁ」と思う患者がいらっしゃるのも事実です。私も幾度となく色々な患者さんと出会い、お叱りを受けながら、今ではどのような患者さんでもあまり苦手意識を持たずに看護することが出来るようになってきました。そんな気難しい患者さんへの対応方法の紹介です。
 

患者さんへどうして関わりにくいのかを考える。

最初になぜその患者さんを「気難しいなぁ」と思ったのか、改めて考えてみます。

  • 怒りっぽいから?
  • 上から目線だから?
  • 細かい指摘が多いから?
  • 話をしてくれないから?

など自分がなぜそう感じたかを考えます。ここで相手の行動を振り替えることで自分がどのような態度をとられると「気難しい、苦手だ」と感じるのかを知ることが出来ます。

どうしてそんな態度をとるでしょうか?

次に患者さんがなぜそのような行動をとっているのかを考えます。もちろん昔からの性格である方もたくさんいらっしゃるでしょう。

しかし意外と多いのが、「身体の調子が悪いから」です。

病院は元気な人がくるところではありません。みんな何かしらの病気の治療、療養を求めてやってきています。医療者が忘れがちなのはここです。

自分自身に置き換えてみると、風邪をひいていたり、頭痛があったり、お腹の調子が悪いときに、ニコニコと人当たりよく出来るでしょうか。もちろん出来る人もいるとは思います。しかしそれには大変な労力を使い、出来るなら

  • 「ほっといて欲しい」
  • 「なんだかイライラする」
  • 「せめて周りの環境くらい快適にし過ごしたい」

という気持ちになるのが当然なのです。対応のコツとしてはこの気持ちを忘れないことです。決して調子の良い方と関わっているわけではないこと、大きな病を抱えながら生きている人と関わっているのです。また病気を抱えている人は常に不安や心配ごとが隣り合わせな状況に陥っています。

人によっては人生を左右する大きな出来事に対してショックを受け、受け入れることが出来ない人も少なくありません。それゆえに普段なら「人当たりのいい人」が、「気難しい人」になってしまっていることも大いにあります。  

何に気をつけて関わったら良いのでしょうか

ではそんな患者さんと関わるとき、何に気をつけなければならないのでしょうか?

私が 1番に気をつけているのは声のトーンです。大きすぎず、丁寧に、労るような声。そして相手を敬い、丁寧な言葉で話します。自分に置き換えて想像してみましょう。体調が悪いとき、どんな声で話しかけてもらえると嬉しいか、きっと賑やかな高い声でも、元気のないボソボソとした小さい声でもないはずです。それを考えて患者さんとお話をすると印象がよく、意外と会話がスムーズに進みます。

仕事が忙しくなってくると、つい勢いに任せて話してしまい、必要なことだけ聞いてしまいがちですが、一呼吸をおいてゆっくり患者さんと話してみましょう。

また、患者さんに「私はあなたの味方ですよ」という姿勢をみせることも重要です。

そのためにはまず話を聞くこと。

傾聴という言葉があるように、ただ話をうんうん聞くだけではなく、非言語的コミュニケーションをとりながら患者さんの思いを受容し、共感することで、

  • 「この人はわかってくれている」
  • 「自分のことを考えてくれている」

と理解してもらい、信頼関係を築いていくことが大切です。それが出来れば自然と態度は柔らかくなってくるでしょう。

希望していること、不満に思っていることは怖がらずに聞いてみましょう

色々な話を聞くなかで患者さんが希望していること、不満に思っているを聞いてみましょう。なかなかこうして欲しい、とは思っていても医療者に伝えることが出来ず、もやもやと自分で抱え込み、気難しい態度をとっている可能性もあるからです。

私が経験した中には

看護師がドアを閉める音が大きくうるさかった。それが自分を拒否してるように感じた。

と話してくれる患者さんもいました。看護師からすればいつものように閉めているだけ、たしかに急いで出たため勢いよく閉まってしまったこともあるかな、たったそれだけのことなのですが、患者さんによっては「拒否された」と感じてしまうこともあるのです。その患者さんには謝罪し、そのようなつもりは一切なかったこと、そしてスタッフにはドアを丁寧に閉めるように伝達することで、患者さんとの関係性は改善し、気難しい印象はなくなっていきました。

このように患者さんの希望を聞き、指摘された点を改善し、より良い対応が出来るようになると信頼関係を築くことに繋がります。もし叶えられない場合でも、これはこんな理由で叶えられない、とちゃんと伝えることで、自分に真摯に向き合っている、努力してくれているという印象を与えることが出来ます。すぐには難しいかもしれませんが、このような努力は患者さんにしっかりと伝わっていきます。

自分自身のケアも大切にしていきましょう。

それでも難しい患者さんもいらっしゃると思います。どんな風に話しかけてもダメ、希望を叶えていっても、どのスタッフが関わっても難しい、そんな人も必ずいます。そんな患者さんと関わるときは仕事だと思っていても、やはり自分にもストレスがかかってしまいます。

そんな時はスタッフ間で気持ちの共有を行いましょう。


自分自身の感情のケアを行うことはこの仕事を長く続けていく上で必要不可欠です。苦手だからといって自分を攻めることはありません。気難しい患者さんの対応をして辛かったこと、嫌だなと感じたことを同僚や上司に理解してもらいましょう。そしてしっかり自分のケアを行い、一人の看護師として患者さんに向き合っていくことが大切です。

看護を行う上で大切なこと

色々なコツを話してきましたが、大切なのは患者さんを理解しようとする心です。看護技術が上手い、色んな疾患の知識がある、といったことも、もちろん素晴らしいことですが、私たちは看護師です。常に患者さんの立場にたち、その人のことを理解しようと最大限努力し、1番の味方でいることが大切だと思います。

まとめ

苦手だなあ、と思ったらまずその人の状況を理解し共感することが大切です。そしてその患者さんの味方になること、それを示すことで患者さんの態度が変わってきます。
それでも難しい場合はスタッフ間で、気持ちを共有しながら自分自身の感情のケアを行うことも必要です。色んな人と関わることがとても多い仕事ですが、より良い対応のコツを身につけて、気持ちよく仕事が出来るようにしていきましょう。

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