看護師技術!!採血の穿刺時の痛みを緩和するコツ

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#641 2019/04/06UP
看護師技術!!採血の穿刺時の痛みを緩和するコツ
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みなさんは採血って得意ですか?「はい、得意です」と自信をもって答えられる方も居るかもしれませんが、若い看護師さんの中には自信がない方もいらっしゃるかもしれませんね。特に、穿刺時の痛みで患者さんに嫌味を言われたりすることも苦手意識の原因になっているかもしれません。

ここでは、採血の穿刺時の痛みを和らげて患者さんの安楽を阻害しないようにできる採血のコツについてご紹介します。

 

採血ってコツを掴めば簡単!?

実は私も採血は得意だと思っていました。クリニックに転職して外来患者さんに採血するようになるまでは、本当にそう思っていました。むしろ、病棟勤務時代は「どんな血管でも私に任せておけ!」くらいに思っていました。なぜなら、先輩が失敗した患者さんでも私が一発で成功したりする経験が何度もあったからそのたびに自信をつけていったのです。

ですが、クリニックに転職してすぐそのプライドは儚くも打ち砕かれることになりました。

私が転職したクリニックは疼痛コントロール目的などで毎日通院されて点滴する方がいらっしゃいました。毎日点滴していますから、点滴であっても静脈留置針のように前腕などに留置することはなく、毎日採血するように正中などで穿刺している状況でした。毎日のことですので、患者さん自身も刺されることに慣れてはいるものの、そのぶん看護師の力量を見る力もつけていらっしゃるようでした。

私はいつも通り、物品準備から駆血して血管選択、消毒、穿刺と手順を踏んで業務を遂行しました。毎日同じ血管に穿刺されているわけではないのですが、ほぼ毎日点滴されていれば、場所を変えても血管自体が固くなっている印象でした。

穿刺した直後、患者さんから「今日は痛いわー」と言われました。私は「いつも通りやったのになぜ?」と疑問を持ちました。

その日の業務終了後、先輩看護師さんに今日の出来事を話し、どうしたらよかったのかを聞いてみました。実際に駆血したりして採血の様子を再現すると、その先輩看護師さんが教えてくれた採血や点滴の時のコツが、「穿刺する時の角度が浅いから痛みを強く感じてしまう、角度をつけて穿刺してみると痛みを感じにくい」というものでした。

教科書通りでない!?採血や点滴の針を刺すコツ!

私は今までは教科書に記載されているように皮膚に対して15度を意識して(実際には慣れてからは特別に意識していたわけではないですが)採血していたのに、その方法では痛いというならどうすればいいのかと疑問に思いました。

先輩看護師の経験上、教科書通りに穿刺すると、皮膚を針で裂いているようなイメージで痛いという患者が多いということでした。

もう少し針の角度をつけて、上から刺すようなイメージで穿刺し、血管内に針が入ったところで針を寝かすようにしてすすめていくようにすると、どんな患者さんでも痛みを感じる程度が少なくて済むし、かつ失敗もしにくいということでした。

実際に私も先輩看護師さんに両方のやり方で穿刺してもらいましたが、確かに教科書通りのやり方よりは先輩看護師さんの方法のほうが、痛みを感じる程度は少なくてすみました。

駆血は少しきつめにするとGOOD!

また、駆血の時には、今までよりも少しきつめに駆血するといいということも伝授してもらいました。私の駆血でも採血するには十分ですが、穿刺の痛みを感じることが軽減するくらいの痛みを、駆血することで紛らわせることができるからということでした。

このやり方も駆血緩めときつめの両方を体験させてもらいましたが、確かに少しきつめに駆血したほうが、穿刺時の痛みは和らいでいるような印象を感じました。
この方法なら、たくさん看護師さんをみている患者さんでも痛みを感じることは少なくなるだろうと思い、何度か同僚の腕を借りて練習させてもらいました。

また、穿刺する前に少し強めに穿刺部位を叩くということも血管を浮き立たせて穿刺しやすくなるので、痛みを緩和させる方法の一つだということも教えてもらいました。ただしこれは、患者さんとの信頼関係がある程度築いている状態であったり、患者さん自身がいい人でないとなかなか難しいと感じました。

数日後、同じ患者さんに穿刺する機会が巡ってきました。その患者さんは気立てのいい方だったので、前回の痛みの件に関してお詫びをして、再度やらせてもらうことを説明したところ、快く承諾していただけました。

何度も練習したのと同じように、少しきつめに駆血して角度をつけて穿刺。

すると患者さんからは

  • 「この前よりも全然痛くないわ。上手じゃん」
  • 「これからはあなたにやってもらうわー」

と笑顔で言っていただけました。

このやり方で大丈夫だと感じることができ、他の患者さんでも同様に採血や点滴をするようになりました。

すると他の患者さんからも「あなたは他のどこのクリニックの看護師さんよりも採血上手ね」とか「今度採血する時もあなたがやってね」と言われたり、実際に採血や点滴をする時に、私が他の業務で手が離せなくても私をご指名してくださる患者さんもいらっしゃるくらいになりました。

どうしても手が離せない時や私が休みの日には他のスタッフが対応するのですが、その後に来院された時に患者さんからコッソリと「あの看護師さん、やっぱり下手くそだわー、あの人にはやってほしくないのよ」などと言われることもあります。
私がクリニックに転職してすぐの頃には、私自身もそのように言われていたそうです。

クリニックに転職した時には「採血ひとつも患者さんに満足してもらえないなんてどうなってしまうのか、どうしたらいいんだ」と少し焦ってしまった時もありましたが、コツを掴んでからは患者さんから痛いと言われたことはありませんし、ご指名をいただくまでに成長しました(採血や点滴で看護師を指名するってなんだか不思議な感じがしますが)。

長年、病棟勤務で培ってきた自分のやり方を変えることには少し苦労しましたが、それでもやり方を変えてみてよかったと心から思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

採血の穿刺時の痛みを緩和するコツは2つ。穿刺する時の針の角度をつけることと少しきつめに駆血するということです。

街のクリニックではその地域に住んでいらっしゃる患者さんが来院されるので、採血や点滴で失敗したりすると待合室等で瞬く間に噂が広まるリスクがあります。
誰にでも失敗はあることですが、その後の対応で良くも悪くも噂が広まるので、採血ひとつであっても注意が必要です。患者さんも痛みを少なく採血してもらったり、自分自身も嫌な思いをしないで仕事を続けていきたいですね。

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