看護アセスメントというと、基本的なものは共通していますが病院で外科や内科といった分野で分かれている以上多少異なったアセスメント過程が必要になります。そこで、私が実際に勤務経験のある、集中治療分野でのアセスメント方法をご紹介したいと思います。
ICUでのアセスメントはどうすればいい?
看護師をしている以上、「アセスメント」は切っても切り離せないといっても過言ではないほど重要になります。看護学校時代に、実習などで嫌というほど根拠に基づいたアセスメントを行ってきた方が大半ではないでしょうか。内科や外科・整形外科といって部門が分かれている以上視る視点もアセスメントも異なってきます。しかし、根本的な看護のアセスメントは共通しておりそれを基礎に各分野に枝分かれしていきます。
私は集中治療分野での勤務経験が長く、集中治療というと内科・外科問わず他科に渡り様々な患者様が治療している場所です。一般病棟とは異なり、重症度が高く急変のリスクも高い患者様が在室しているので看護師の「観察する力」とそこから導き出される「アセスメント能力」が重要になります。そこで1つの事例をご紹介しながらどういったところにフォーカスを絞りアセスメントすれいいのかを私の体験からお話します。
腹痛の患者さんのケースのアセスメント
私が実際担当した患者様の中で、今でも記憶に鮮明に残っている方がいます。その方は、腹痛を主訴に救急外来を受診し精密検査が必要な為集中治療室に入院してきました。
その時点で意識は清明でお話しすることもできました。
血圧や脈拍・呼吸数も正常値内だったので、他のスタッフも一安心していました。ベッドサイドで患者様から、発症に至るまでの経緯を聞いたり主訴や現病歴を聞いたりとアナムネを取っていました。
その会話をしている一瞬だったのですが、それまでの呼吸と異なった呼吸の仕方をしたのです。
本当に一瞬だったので気づかなくてもおかしくなかったのですが、経験がものをいうとはまさにこの事で「何か変」と思い観察を念入りに行うようにしました。
腹痛の程度も倦怠感も、主観亭な感じは変化がないとのことだったのですがあの一瞬の呼吸の乱れが、きっと急変に繋がると思いその日勤務していた同僚と担当医に「呼吸が一瞬乱れて怪しいので、急変のリスクが高いと思います」と伝えておき、何かあった場合迅速に対応できるようにしました。
入室して1時間経過した頃でしょうか・・・。
腹痛の増強と血圧低下、脈拍上昇がみられ始めました。「これはまずい」と思いフロアにいたスタッフに応援要請をし主治医へも連絡を入れました。
そうしているうちに、あれよあれよと血圧が低下し意識レベルも低下。しまいには、意識混濁状況にまでなってしまいました。
早めにバックアップ体制は取っていたので早急な対応をすることができ、原因検索の為の検査などが行われました。結果、腹腔内出血を起こしていることが判明し出血多量で血圧低下がおきそれを補うように脈拍の上昇が起こっていたというわけです。
また、出血性失神で意識混濁をきたして言いました。これは緊急の手術が必要ということで、院内に待機してもらっていたご家族へ主治医から現状説明を行いすぐに出血を止めるための止血術を行う運びとなりました。
大事なのは主観的な情報と客観的な情報を区別して考えること
ここで重要になってくるのが「主観的な情報」と「客観的な情報」は必ずしも一致しないということです。
もし、あの時私が患者様の訴えを鵜呑みにし「痛みもないみたいだし、バイタルサインも安定しているから大丈夫」と考えていたらどうなっていたでしょう。
おそらく、最悪の事態になっていたかもしれません。そういう風に、今ある情報から今後起こりうる事態を最悪な状態で予測します。そうすると、今どこにフォーカスを絞って観察するべきか見えてくるはずです。腹腔内出血の場合、少量では痛みの増強に繋がらない場合が多くみられます。
そういった場合に、「腹痛を起こしうる疾患・病態」は何があるかをまずは考えます。検査を一通り終えており、否定されている病態などがあればいいのですが今回のケースのように今から精密検査を行う。となると、様々なパターンを頭でシミュレーションする力が求められます。
勤務していると、様々な病態を学習するかと思います。その疾患の症状を一つ一つ頭に入れることは難しいことですが数多くの症例を観察していくうちに自然とアセスメントする過程が頭の中にインプットされてきます。
もちろん、業務だけこなしていてもそれはできますがそこでしっかりと勉強を行い「根拠に基づいたアエスメント」をする事で患者さんの変化にいち早く気づくことができ、それが大げさかもしれませんが患者さんの予後に繋がるのです。
毎日勉強するのは大変!メモを使うことによって効率的にアセスメント
看護師になることがゴールではなく、そこからも地道な努力が必要になると私は考えています。正直、すべてのことを頭に入れることは難しくそれを毎日毎日勉強していてはプライベートの時間をすべて当てないといけないという状況になってしまいます。
そこで私の場合ですが、その日疑問に思ったことや、わからなかったことをメモするようにしています。
それをその日の宿題として翌日までには解決するようにしています。そうすると、「勉強」といって時間を設ける必要もなく短時間で疑問を解決することができそれが結果として、臨床での看護アセスメントにつなげることができるというわけです。
毎日1個だけ、それがいつかまた臨床で役に立つ日がきます。それは明日かもしれないし、半年後かもしれないし誰にもわかりません。一般病棟なら同じ疾患の患者様が多くいるのでその学びをすぐに生かすことができるでしょう。そうやって私は、日々の勤務を有意義にこなすようにしています。また、そういった経験が結びついた日に自身の看護に対する自信に繋ぐことができます。
まとめ
私が言いたかったのは、「看護師の看る目は重要」ということです。
患者様のベッドサイドに常に寄り添っていられるのは医師でなく、看護師の最大の特権だと私は考えています。そういった日常業務の中で、患者様の変化にいち早く気づけることで自身のやりがいや仕事に対する満足感に繋がると同時に患者様の今後にも大きく関わってくると思っています。
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