総合病院で10年働いてきた看護師として大きな病院や、有名な病院に就職するメリットやデメリット、そして求人情報の中で注意点について、友人や後輩の体験談をもとに書きました。
転職や求人応募する看護師のメリットデメリット
私は10年間、地方の総合病院の病棟で、看護師として勤務していました。その中で、多くの同僚や後輩を見てきました。そして中には転職するスタッフもいました。
転職をするスタッフの理由は様々ですが、実際に転職したスタッフの話しも含めて今回は、私自身が働いてきた総合病院や、実際に就職しようと悩んだ、有名な病院に就職するメリットとデメリットについて書きたいと思います。
これから看護師の免許を取得し、就職を考えている看護学生の方は、何を基準に就職先を選んでいるでしょうか?
私の看護学生の時を思い出すと「地元に帰って、とにかく大きな病院で働きたい。希望とする科が有名な病院に行きたい。」このようなことを考えて、病院を選択しました。
それから10年程度、その病院で働きましたので、病院選択に間違いはなかったとは感じていますが、私の就職先の選定基準は、甘かったのかもしれないと感じています。
まず私と同じように、大きな病院で働きたいと思っている方もいらっしゃると思います。そこにはメリットとデメリット両方が必ず存在します。
大きな病院へ就職するメリットとデメリット
まずメリットとしては、総合病院のように大きな組織に属した場合、万が一、配属先が自分に合わないと感じた時に、配置転換など離職しなくても、その病院内で自分に合った配属先を探せる可能性があるということです。
私も新人教育に何回も携わりましたが、希望通りの配属先に就職できたものの、実際に仕事に就いてみると、合わなかったという新人看護師の方もいらっしゃいました。
実際の仕事は、看護実習と違う部分も多く、ギャップを感じることも多いと思います。そのような時にクリニックなど、小さな組織では異動先がないなど、最悪の場合、転職をしなくてはなりません。
しかし大きな組織の場合には、師長などと相談し、もっと自分に合った配属先に異動することができます。実際、私が担当した新人看護師の方も、配属先の仕事に馴染めず、就職して1年で他の部署に異動しましたが、その後は異動先の部署で活躍していました。
このように大きい病院だからこそ、様々選択肢があるといえます。しかし逆のことを言えば、自分の希望通りにいかないという場合もあります。
大きな病院では、毎年何十人という新人看護師の方が就職されます。その中で、全員の希望が通るということはありません。中には、希望していた配属先とは全く違う部署になってしまったという方もいるのが現状です。また何年間か働いていくと、人事異動もあるため、同じ場所で働き続けられる保障はどこにもありません。
私自身も希望もありましたが、10年間で3箇所の病棟を渡り歩きました。学生時代から、看護師としての進路を明確に持っている方からすると、人事異動は大きなデメリットになると思います。逆に、まだ自分の進路が明確になっていない方からすると、異動をしながら、自分の進む道を決めることができるというメリットになる場合もあります。
次に有名な病院に就職したいと思っている方がいるとしたら、この有名な病院には、少し気をつけた方がいい場合があります。
私の地元にも、何箇所か有名な病院がありました。その中でもA病院は、看護師募集の求人CMを流しており、病院の設備もきれいで、患者さんからの評判もよく、多くの方が通っていました。そしてお給料の面でも、他の病院に比べると高く、私はとても魅力的に感じました。
しかし地元といっても、実家から遠かったため、実際に私が就職したのは違う病院でした。
ただ友人の1人は、私が魅力的に感じていたA病院に就職をしました。そしてお互い仕事に慣れてきた頃に、久しぶりに、そのA病院に就職した友人と再会したのですが、そこで聞いた話しに、驚きを隠せませんでした。
とてもいい病院だと思っていたA病院でしたが、実際に働いてみると、残業代は出るものの、朝8時から夜9時頃まで仕事をしなくては終わらない。お給料も能力給のため、周りは全員がライバルという雰囲気で、人間関係があまりよくない。離職者が続出しており、勤続年数がかなり短い。などという話しを聞きました。
この話しから有名な病院が、必ずしも働きやすい、いい病院とは限らないということを知りました。CMなどを流し、随時看護師の求人募集しているということは、看護師が慢性的に不足しているということ、離職者が多い可能性が考えられます。
またお給料がいい分、残業ばかりで、過酷な労働環境である場合や、能力給などを
採用し、個人個人がしっかりと評価されることで、人間関係が円滑に回っていない場合もあります。友人も結局は、数年で転職をしていました。
このように全ての病院とはいいませんが、有名な病院には、このようなカラクリが存在していることもあります。
看護師1年生としてスタートする病院であれば、人間関係が良好で、勤務形態も余裕があった方がいいかもしれません。
逆に何年か看護師としてスキルを磨き、ステップアップするという意味で、このように多忙でも、自分の能力を正当に評価してもらうことができる病院に転職するというのも、いい手段かもしれません。
最後にお給料がいいという就職先は、十分に注意しましょう。誰しもがお給料のいい場所で働きたいとは思いますが、金額だけを見て判断すると、病院選びに失敗することもあります。看護師という仕事は、肉体的にも身体的にも過酷な職業といえます。そのため私自身は、お給料よりも、職場環境が整っていることの方が重要だと感じています。
人間関係が円滑で、コミュニケーションがとりやすい、残業があっても、ライフワークバランスを大切に、仕事以外の時間も充実できる、このようなことも働く上ではとても重要なことだと思います。
まとめ
このようにどの病院に就職しても、メリット・デメリットは存在します。しかし安易な考えで就職先を決めてしまって就職後に後悔するより、自分に合った働きやすい病院とは何なのかを、就職活動の中で、よく考えてみてください。そして自分にあった就職先を見つけて欲しいと願っています。
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