アセスメントの苦手意識を軽減するコツ!(事例を通して学んでみよう)

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#597 2019/02/22UP
アセスメントの苦手意識を軽減するコツ!(事例を通して学んでみよう)
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看護計画のアセスメントが苦手という看護師さんが多くいます。毎日の業務でなかなか大変ですが、アセスメントが重要なことくらいは現場の看護師さんは十分理解できていると思います。アセスメントするとき重要なことについて事例を通してご紹介します。

 

アセスメントに苦戦する看護師にアドバイス!

学生時代に看護計画を立てる時に、アセスメントで苦戦することが多かったという人も多いと思います。

私もその中の一人なので、気持ちは十分分かります。私は学生指導を担当していたので、看護学生がどのような点で看護計画に苦戦しているかと見ていると、やはりアセスメントでつまずいている学生さんが多いように感じました。

学生さんなりに患者さんと会話を通して情報収集し、アセスメントしているようなのですが、なかなかアセスメントがうまくできず、できていたとしても患者さんに適していない(参考書などからほとんど引用されているような感じ)内容になっていたりすることも多くありました。病棟で業務にあたっている現場の看護師でさえ、アセスメントが苦手だと言っている人も多いものです。

では、なぜアセスメントが苦手だと感じてしまうのかということですが、まず、絶対的に情報量が少ないということが挙げられます。

アセスメントをうまくするコツは「情報収集」にある

私が実施したアセスメントの事例をご紹介します。まず、私が行ったことは患者さんの情報収集を徹底的に行うということでした。

私がプライマリーだった患者さんで、拡張型心筋症の方がいらっしゃいました。女性で、とても気立てのいい穏やかな方だったのですが、自分の疾患についてはなかなかお話しされることがなく、どのように思っているのか聞き出そうとしても話をはぐらかされるということが多くありました。

面会も多くあったので、直接ご本人と話をする機会が少ないのは事実だったのですが、看護計画を立てるなかで情報量が圧倒的に少ないと感じていました。

そこで、日々の業務の後、患者さんの病室へ伺い、少しずつコミュニケーションを深めていくようにし、話を気軽にできる存在になるようにしました。

その後、疾患の話を少しずつできるようになり、最終的には疾患に対する思いや家族への思いなども聞き出すことができるようになりました。情報収集を徹底的に行い、情報量を確保することで、その患者さんが疾患や家族・自分の今後(予後も含めて)についてどのように感じているのかがわかるようになりました。

関連図から患者さんの全体像をつかむ

そして、次に私は関連図を書いて患者さんの全体像を把握することにしました。看護学生の時に全体関連図がとてつもなく苦手で、参考書から引っ張ってきてなんとか患者さんに当てはめようとして苦戦していたこともあり、本当はやりたくないなぁと思っていたのですが、患者さんを把握するためにはやらなくてはならないと思い、何とか頑張りました。

全体関連図は、患者さんを全人的に把握するにはとても便利です。

身体面・精神面・社会面で分けて考えることができるので、患者さん一人だけではなく、家族や会社の人たちとの関わり等も含めて書くことができます。

私の患者さんは仕事はされていなかったですが、以前は小学校で先生をしていらっしゃったとのことでした。そのような過去のことから、家族も含めて現在の周りの人たちとの関係を書き出して見てみることで、患者さんにとって何が問題で何に対してどのように思っているのかということが明確になってきたのです。

私が担当していた患者さんは、疾患についての理解が乏しいという印象だったのですが、その原因は疾患に対する恐怖や不安を抱いているために主治医からの説明を聞いているようでどこか上の空でしっかりと聞けていなかったようだということが分かりました。極端に難しい話をしているわけでもなく、以前は教鞭をとっていた方なので、理解力が不足しているわけではありません。

疾患に対しての不安や恐怖を抱いていることで、目の前の現実から逃避しているような状況だったのです。

これでは疾患について理解されず、だた不安を持ったまま時間だけが過ぎていくことになるし、退院後に自己管理をしていくうえで理解できていなければ、退院後の自己管理も困難になるか中断してしまうという結果を予測したのです。

患者指導と会話をゆっくりと行う

そこで私は、患者さんとの会話の中で疾患を理解してほしいこと、現在は疾患に対して理解が不足していることを伝え、患者指導を始めました。焦らずゆっくりと指導できるよう、患者指導にかける時間はたっぷりと確保していました。また、患者さんの理解度を確認するために指導の最後には一番覚えてほしいことを明確にして伝え、さらに後日指導を行う際に前回の指導内容について復習をして理解を深めていけるようにしました。

その結果、患者さんの疾患に対する理解が深まり、入院中から退院後の生活を見据えて自己管理がしやすいように自分でいろいろと工夫している姿を見ることができました。

病態も安定し退院された後、外来通院の際に病棟に顔を出してくださって自宅での自己管理の様子や現在の自分の体の変化等、いろいろなお話しをしてくださいました。

そして「入院中に色々と教えてくださったから家に帰っても自信をもって生活できたわ」と言ってくださいました。

日々の業務は忙しく、一人の患者さんに付きっきりというわけにはいかないし、毎日遅くまで残業することもできなくて時間はかかりましたが、アセスメントをするうえで患者さんの情報収集と全体像の把握をしっかりと行うことで、患者さんに何が不足しているのかを知ることができ、適した看護計画を立案実施することでその患者さんが自立して生活することができるようになるお手伝いができたと感じましたし、患者さん自身も疾患と向き合うことができたのだと思います。

まとめ

アセスメントに重要なことは
 ・情報収集をしっかりと行い、情報量を多くする
 ・情報をもとに全体関連図を作成
 ・全体関連図から、患者さんに不足している部分を見つけ出す
ということだと思います。

日々の業務も忙しかったり、学生さんは実習や国家試験勉強もあり、なかなか難しいと思いますが、少し頑張ってみると明らかに楽にアセスメントできるようになりますよ。

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