どうする?看護師のアセスメントができるという意味

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#593 2019/02/18UP
どうする?看護師のアセスメントができるという意味
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患者さんをアセスメントする。看護ではよく言われるワードですよね。でも、実際に「アセスメントできてないんじゃない?」「この患者さんのこともっとアセスメントしたほうがいいよ」と、先輩に言われたことないですか?

看護学生の方なら実習のたびに患者さんのことをアセスメントしてレポートにしないといけない。だけど、なかなか書けない・・・という状況はないですか。そんなあなたにアセスメント力が備わる考え方おしえます。 

 

看護についてのアセスメントとは!?

まず、アセスメントについて考えてみましょう。

アセスメントとは、主観的情報と客観的情報を基に理論的に分析することをいいます。

主観的情報とは患者さん本人が訴える自覚症状のことを言います。客観的情報はデータのことをいいます。例えばバイタルサインや採血データ、レントゲン写真などのデータのことをいいます。アセスメントは看護するうえで患者さんの問題を把握するための重要な過程と言えます。アセスメント力が高い人は看護の質が高いということです。事例として紹介します。

A氏78歳 心房細房の内服治療で入院、既往歴として高血圧があります。内服薬は抗不整脈薬と降圧剤、経口血糖降下薬を飲んでいます。

この状態だけでまずアセスメントしてみましょう。

心房細動の主観的情報

心房細動に着目してアセスメントしてみましょう。

心房細動の主観的情報とはどういったものなのかということを考えます。

「動悸がする、胸がドキドキした感じがする、バクバクする、息が苦しくなる」こういった症状、胸部不快感がないかということを患者さんに問いただし情報をひろっていきます。

患者さんに自覚症状があれば、同じような症状が出たときに言ってもらうように教育できます。そうすることで心房細動への対応が早期にできるからです。

心房細動の客観的情報

次に客観的情報について情報収集していきます。

まず思いつくことは心電図です。心電図をみて洞調律であるか、それとも不整脈が出ているのかということです。心房細動がおこると心臓の中で血流のよどみができ血栓ができやくなります。

心房細動から洞調律に戻るときに血流のリズムが変わり血栓がとんでいきやすいのです。

では、血栓がとんでいくことで起こりうるリスクについても考えます。

まず、頭にとんでいくことで脳梗塞のリスク、肺にとんでいくことで肺塞栓、心臓にとんでいくことで心筋梗塞、腎臓にとんでいくことで腎梗塞、というようにあれこれと考えてみます。

血栓をつくらないために血液をサラサラに保ち、それらのリスクを減少させるのです。

血液のサラサラ具合を指標とするのがINR値です。

この数値を2.0~3.0に調整します。

正常の人なら0.8ぐらいなので、INRの値が3.0に近い患者さんは出血しやすいとアセスメントすることができます。

それなので怪我には十分注意するよう看護していかなければなりません。

高血圧と糖尿病についてチェックしてみる

次に高血圧と糖尿病について主点をおいていきます。降圧剤を飲んで血圧がどのくらいあるのかということをみていきます。

降圧剤内服からの血中濃度を考えます。

日中で血圧の変動があるのかということも頭に入れて看護します。

実際の出来事:力が入らなく傾いていく患者さんの事例

A氏に戻します。今からお話しすることは私が経験した実際の出来事です。

A氏からトイレに行きたいといわれ看護師がベッドから起こし介助しながらトイレに行こう付き添いをしていました。

いつもなら座位が保てるのにその時は右側に大きく傾くのです。A氏が「あれ、何か力が入らないなあ、どうしてだろう。ちょっと支えてて、頑張ってトイレに行くから。」と言いながら看護師に持たれているのです。

この時にA氏の付き添いをしていた看護師が近くを通りかけた私に声をかけるのです。

私が感じたことは「これは右麻痺がおきているのでは?!」

すぐに、トイレに行くことはやめてオムツにして欲しいと声をかけました。

その理由としては、もし麻痺があるのなら脳梗塞・脳出血をおこしているはずです。脳梗塞・脳出血をおこしているときに過度な負荷をかけると脳出血がひろがってしまう。と考えたのです。

A氏をベッドに寝かせ絶対に安静にしておき動かないことを説明し主治医に報告しました。脳梗塞・脳出血だった場合は時間を争います。

発生時間によって治療の仕方も変わってきます。

発生時間の確認、バイタルサイン、自覚症状の有無、意識レベルの確認、両手の離握手、両足の膝立てができるか、対光反射があるか試してみたのです。緊急でCTを実施して被殻出血による右半身麻痺が確認され緊急手術になりました。

A氏は3日前から午後になると血圧が150~160台と高かったが、経過をみていました。INRも2.8で保たれ抗凝固薬を飲んでいたことと高血圧が合併し脳出血をおこしていました。

血圧のコントロールがげんかくにできていれば脳出血は防げていたかもしれません。

安静度についても3日前からベッド上安静から棟内フリーになっていました。

そのため日中はトイレ歩行はもちろんシャワー浴なども行いリハビリを開始していました。日中は患者さんの行動範囲も増え活動量が増える。活動量が増えることで血圧の変動も大きいということも念頭に入れて看護していかなければなりません。

この記事を読んでアセスメントの重要性を感じることができたのではないでしょうか。

患者さんの病気についていろいろな角度から考えるということはアセスメントをするということです。

そのアセスメントをもとに先生に情報を与え、指示をもらい患者さんにフィードバックをしていく。また、患者さんに説明・教育をしていくということも看護にとってとても大事なことになっていきます。

そういった一連の事ができるようになり患者さんが元気になっていく姿をみると、看護師としてとてもやりがいを感じることができると思います。

看護師にとってアセスメントとは看護をするうえで一番重要になっていきます。アセスメントこそ看護のはじまりであり、続きでもあり、終わりでもあるとおもいます。

まとめ

どうでしたでしょうか。患者さんの病気はどういった症状が出るのか、どんな治療が必要なのか、その治療で起こりうるリスクは何か、それぞれを関連付けて考えることが良いアセスメントといえるでしょう。そして、アセスメントを活かした行動をとることが質の良い看護につながっていくのではないでしょうか。この記事がみなさまのお役にたてることを願っています。

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