転職や就職の際、採用に大きくかかわる「履歴書」。特に転職者の場合、「職務経歴書」は大きなポイントとなります。福祉業界で人事業務にかかわったことのある筆者が、アピール力の高い職務経歴書の書き方をご紹介しましょう。
まずは応募先の企業を研究
医療や福祉系の企業は、行っている業務が幅広く、求めている人材も様々。まずはそれを研究することが大切です。どんなに素晴らしい職務経歴書が仕上がっても、企業の求めているものと違っていては元も子もありません。その点をしっかり調べて把握したうえで、その内容に見合った内容をアピールする必要があります。
「私を採用すると、あなたの会社にとってこんなメリットがあります」ということを相手にしっかり伝えることを意識して、職務経歴書の内容を考えましょう。
アピールしたいことは冒頭に記載
「自分のウリはここ!」「ここがアピールポイント!」と思うところは、冒頭に持ってきたほうがインパクトがありアピールできます。特に大きな会社の場合、何人も採用することになり、人事担当者はたくさんの数の経歴書や履歴書を読むことになります。インパクトが薄いとその先を読む気になりませんし、内容が頭に残らないことも。
同じ理由で、文章自体のインパクトも大事です。相手に「面白い」「読んでみたい」と思わせることが大切です。
所属していた企業や会社のことを詳しく記載
以前働いていた会社・団体のことは、なるべく詳しく記載するようにしましょう。有名な大企業ならまだしも、相手はあなたがいた会社についてよくわからないことが多いもの。例えば病院で働いていた場合は、その病院の従業員の数、診療科、病床数などを明記しておくと、あなたがどのような場所で、どんな仕事をしていたのかが想像しやすくなります。
もちろんあなたの役職や、仕事の内容を詳しく記載することは必須です。こちらも、いつどのようなところに配属されていたのか、いつどのような役職についたのかを明記しましょう。またその会社であなたがどのような経験を積んだのかがわかる、具体的な内容があるとさらにいいですね。
例えばあなたが看護師であった場合、「〇年間訪問看護にもだずさわってまいりました。チームリーダーを経験し、人材育成やマネージメントにも携わってまいりました」など。この場合これまでの経験から、「リーダーシップがあり、コミュニケーション力も高い」などと評価されるでしょう。
ここを見ただけで、あなたがどのような仕事をしてきたのか、また自分の会社に入った時にどのような仕事ができるのかが想像できるように書くことが大切です。
業務内容は具体的、かつ簡潔に
業務内容は、できるだけ具体的にかつ簡潔に記載しましょう。わかりにくいと、相手に伝わりにくくなりアピール力が半減してしまいます。箇条書きにするとスッキリ読みやすくなりますよ。なお、病院内だけで通じる名称などを書いてしまわないように注意が必要です。一般的な名称を書くように心がけましょう。もしかしたら、一般的な名称だと思っていたものが実は違ったということもあるかもしれません。一度確認をしておくと安心です。
書き方の例としては、最初に配属先を書き、そのあとに箇条書きで具体的な業務内容を挙げていくとスッキリしますね。看護師の場合は、
〇〇年から〇〇年 内科病棟に配属
- 勉強会の企画
- 病棟の巡回
- 新人看護師の指導を担当
などのように記載します。
業務実績や得られた経験は、なるべくたくさん書く
福祉や医療業界の就職活動では、思わぬ経験が役に立つこともあります。「これはあまり関係ないかな」と感じるものでもとりあえず記載しておくと、「おっ」と目をひくことがあります。これは資格も同様です。業界に直接関係のない資格でも、もしかしたら必要となる場面があるかもしれません。持っている資格はとりあえずすべて書き出しておきましょう。
以前の会社で得られた経験については、自分なりの工夫したポイントも添えつつ、わかりやすい表現で記載するようにしましょう。具体的な数字などがあると、客観的な指標になりやすく、よりアピール効果が増します。
文章の構成としては、
- まずどのような業務をしていたのか、
- そしてその業務によってどのようなことを学び、どのような経験ができたのか、
- その中であなたはどのようなことを意識して仕事をしてきたのか、よりよくしようと工夫した点は何か
というように説明すると、相手に伝わりやすくなりいい印象になります。
だらだらと文章のみで書かず、箇条書きにできるところは箇条書きにするなど表現の仕方を工夫すると、より見やすくなります。
自己PRは人間性をアピール
福祉や医療の現場は人が相手の仕事です。仕事ができるできないということももちろん大切ですが、それ以上に問われるのが「人間性」です。そのため自己PRにはあなたの人間性をアピールしましょう。人間性がわかる具体的なエピソードを盛り込むといいですね。
写真は優しげな表情のものを
写真選びも重要なポイントです。私が採用に関わっていた時、写真の表情が柔らかく優しそうな印象だと、「採用しようかな」という気にさせられました。医療や福祉系は人と接する仕事なので、相手に与える見た目の印象も大切です。威圧感を与えず安心感を持ってもらえる雰囲気が大切です。
写真を撮るときは、なるべくやわらかい雰囲気の写真が撮れるよう意識しましょう。女性なら、メイクで優しげな表情になるよう工夫してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしょうか?
転職をする際、職務経歴書はかなり重要なポイントです。相手にしっかりとアピールできる職務経歴書を書くことができれば、相手に好印象を与えることができますよ。あなたがどのような人か、どんな仕事ができるのか、あなたを採用するとどんなメリットがあるのかなどが想像できる、アピール力の高い職務経歴書を完成させてくださいね。
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