現在訪問看護ステーションで働く私は、これまでの臨床でもっといろいろなことを経験することができていたら…と思うことがよくあります。臨床経験が少ない人は訪問看護師になるのは難しい?そんな疑問にお答えします。
訪問看護とは?入職のきっかけ!
私は現在訪問看護ステーションで勤務しています。訪問看護ステーションといえば、在宅医療を支える重要なところ。医療機関やケアマネ、さまざまな介護サービス業者と連携を取り、必要な医療を継続しながら在宅で生活する人をサポートする仕事です。
私がここに入ったきっかけは、子育て中で約4年間潜在看護師ではあったのですが、子どもが幼稚園に入るのをきっかけに復職しようと思ったのが大きな理由です。そして入職してみて初めて分かったこと。それが訪問看護師はある程度の技術が必要となる…経験の少ない看護師は難しいかも…ということなのです。そんな現状をご紹介したいと思います。
訪問看護ステーションの看護師の経験年数
訪問看護師の連絡会議や研修に行くといつも感じることがあります。それはあまり若手がいないなということです。反対に病院にいれば管理職になっている年代の訪問看護師が凄く多いなと思います。
訪問看護師は新卒でなることができないわけではありません。しかしながら、実はあまり知識や技術がないと在宅で医療をするというのが難しいという現状があるのです。ある資料によれば、訪問看護の分野では40歳以上の看護師が7割を占めるという結果が出ています。ただ最近では在宅医療の増加に伴って、訪問看護師不足の問題も浮上し、新卒でも訪問看護ステーションに入って一から勉強をするという人も少なくないのです。
私のいる訪問看護ステーションは、看護師の経験が10年を超える人ばかりです。これまでの臨床経験があるにもかかわらず、在宅医療を行う時に、はじめて経験する処置などがあり不安を感じることも。もしかすると訪問看護師として勤務するには、臨床経験だけが重要ではないのかもしれません。
訪問看護師の需要は増えている
高齢化や2025問題、医療費の圧迫なども社会的要因もあり、病院を短期で退院し在宅に引き継がれることも多くなってきました。そのため訪問看護師の需要は増える一方です。私が復職をしようとした時、転職サイトに登録をしたのですが、以前に比べ、病院の求人に加え訪問看護ステーションの求人が多いことに驚きました。
しかし訪問看護ステーションというのは、病院やクリニックに比べて数が多いわけではありません。特に地方に行けば、あるところも限られているのが現状です。私の居住区の近くでは運よく訪問看護師テーションの看護師募集を見つけることができたのですが、もしかすると立地上の問題で訪問看護師の需要はあるけれど、働くことが難しいという場合もあるかもしれませんね。
直面した在宅医療の現状
私は実際に訪問看護ステーションで勤務をし始め、はじめて経験した処置があります。もちろん初めて経験する処置をする時には医師や先輩看護師も同行することが多いのではじめは手ほどきを受けながら、処置を実施します。しかし看取りの現場や大きな処置、重要な薬剤を使用することも多く、何回同じ処置をするにしても緊張を強いられることも多々ありました。
更に感じたことは、夜間に緊急要請で呼ばれることも少なくないということです。病院であれば24時間患者が入院しているので、看護師の交代で勤務をして患者のケアを行います。しかし訪問看護の場合は、決まった時間に訪問し、あとは家族におまかせするということがほとんど。家族もいつもの状態なら対応できるけれど、ちょっと利用者の体調が悪い、様子がいつもと違うという時には緊急で来て欲しいと要請があります。更に夜間になると家族や利用者本人も不安が強くなるというもの。そのため朝方や夕方、更には真夜中に電話で訪問の要請が入ることもあるのです。
待機は順番で回ってくる
訪問看護ステーションには複数の看護師がいますが、その中で夜間も対応できる看護師は4人しかいません。そのためこの4人で待機の電話番を回すのですね。もちろん真夜中に利用者のお宅に訪問する時もあります。訪問する前から、こんな状況だったらどうしよう…。この時間に先生に連絡をしてもいいのかな…と思いながら利用者のお宅に向かいます。
夜間の場合は、一人で判断して対応することがほとんどです。もちろん緊急を要する場合、看取りの瞬間などは医師に連絡をしますが、利用者の状態を見て朝まで待てるかどうか判断するのも重要なことなのです。
看護師の臨床経験を10年以上してきた私たちのステーションの看護師も常々このように感じているのです。そのため経験の浅い看護師はもっと不安が大きいだろうなと考えます。
訪問看護ステーションの所長の協力を得て成長していこう
看護師は国家資格を持つ専門職です。当然知識や技術は身に着けていると思われがちですが、やはり経験をしていなければ分からないこと、出来ないことってたくさんあるのですね。もしも経験に自信がなくても、転職で訪問看護ステーションの募集に応募する場合、そこの所長の理解が重要になるといえます。
私の場合は、臨床から少し離れていたこと。また訪問看護は始めてであったことを考慮してもらい、慣れるまでの半年は待機はありませんでした。また始めの3ヶ月は先輩看護師と同行し、利用者の家を訪問していました。待機で呼ばれた時も判断に迷ったら、真夜中でも所長に連絡をしてもいいという許可もありました。
このように訪問看護ステーションの所長の指導や協力体制が整っていると、経験が浅い人、不安が大きい人も少しずつ成長をしていけると考えます。そのため必ずしも経験者でベテランの人だけが働くことができるという環境ばかりではないのです。
まとめ
いかがでしたか?訪問看護師ステーションは敷居が高いと思っていた人も、少し働くことができるかな?と思っていただけたでしょうか。是非復職をする時の参考にしてみてください。
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