就職先の病院の良いうわさ、悪いうわさを聞きますよね。
その中で、大学病院への就職はどうなのでしょうか?
筆者が新卒の看護師に大学病院を勧める理由を詳しく解説します。
大学病院ってどんなところ?
基本的には医学部や歯学部における分野において、教育、臨床、研究の分野では最先端です。医師や歯科医師の教育の場でありますが、看護師もまた専門性を高めるために認定看護師や専門看護師の育成にも力を入れています。最先端な医療を提供する場だからこそ、それに見合った看護も求められてきます。
その分仕事も忙しく、夜勤も多く休みも取りにくい場合があるかもしれませんが、臨床で多くのスタッフや患者との関わりは今後の看護観を確立していくための経験ともなります。
看護師の教育にも力を入れている
クリニカルラダーと言って、日本看護協会が出している「看護実践能力の指標」をもとに看護師の教育が進められます。それにより、学ばなければならない看護技術もそれぞれに差が出ないようになっています。
新人看護師は、臨床経験が3年以上のプリセプターと一緒に看護技術を学び、評価し独り立ちしていきます。また、プリセプターをフォローする臨床経験が5年以上のアソシエイトもいるため、新人教育は病棟全体で風通しの良い環境づくりがされています。また、院内での勉強会や研修も充実している為、新人看護師が学ぶ場としてはとても良い環境だと思います。
もし、自分に合っていない病棟だったら違う病棟への移動もしやすい
「就職したけれど、やはり自分には合わないかも」「なかなかスタッフに馴染めない」と思う事はあるかもしれません。でも、すぐに転職活動をするのではなく、夜勤がない外来や透析、患者さんとの関わりが病棟よりも少ない手術室、など師長や主任と相談すれば移動が可能となります。
病院も人員を確保したいため、転職されるよりは希望を叶えてくれることが多いのです。そのため、すぐに辞めてしまう事を考えずに、移動する事も検討してみましょう。
院内での研修や資格取得の募集も多い
興味がある分野や、看護師としてのスキルを磨きたいと思った時には、沢山の研修の斡旋もありますし、病院によっては資格取得もための奨学金制度もあります。看護師の仕事は、専門性を深めてその分野で活躍する事ができたり、その為の金銭的な補助もあるため有意義に学ぶ事ができると思います。また、看護師自身が専門分野の勉強会を地域の住民や医療従事者に開催しする事もあります。臨床以外でも活躍している大学病院の看護師は多いようです。
委員会活動やサポートチームへ入り、大学病院運営の中枢の一員になりやすい
臨床経験が5年目以上の中堅と言われる年数になると、病院全体で運営している「褥瘡対策委員」や「医療安全委員」「感染委員」「緩和ケアチーム」「栄養管理チーム」といった、看護師だけではなく、医師や薬剤師、理学療法士や作業療法士など病院に勤務する様々な職種と仕事をすることができます。
もちろんチームなので上下関係はなく、横のつながりで、それぞれの専門性を出し合ってその患者のケースカンファレンスをしたり、病棟が上手く機能しているが見ていきます。勤務外の活動になり、時間的に余裕がないと難しいですが、看護師を続けているとそのようなチームに入る事ができ、多くの学びを得る事もできます。看護の仕事への充実感もあり自身のスキルアップにもつながると思います。
もし、それでも転職がしたいと思ったら
「教育の場だけど、自分には大学病院で働き続けることは難しい」と思う事もあります。女性は特に、結婚や出産を経験すれば、大学病院で若いころの様に働くことは難しくなってきます。その場合は、時短制度や日勤常勤などの制度もあるため、確認してみましょう。
それでも継続が難しいようであれば、自分に合った募集を出している病院へ転職する事も良いと思います。新人の頃から大学病院で培ってきた知識や技術などは、転職してからも自分の財産として残っているからです。
医学は日々進化しており、看護師になってからも継続的な勉強は必要とされています。大学病院で勤務していた頃にも、勉強しながらの勤務だったと思いますが、それらの経験が、転職先でも生かすことができると思います。新人の頃に、勉強や日々の勤務が大変だったり、苦労した思い出は、その後自分はどのように仕事をすればよいのか考えるきっかけとなると思います。
新卒で悩むこと
新人看護師で悩むことは「できない自分が許せない」「二年目の看護師とは1年しか変わらないのに出来ているように見える」とよく耳にします。でも、みんな初めはスタートラインが一緒なのです。わからないことはそのままにせず、分からないことは分かっているふふりをせず、何でも先輩看護師に聞きながら常務を覚えていきましょう。また、新人の看護師は後追い学習でも問題ないので、必ず復習していきます。そうすれば、確実に技術や知識は身についていきます。
また、新人の頃の同期のメンバーとも情報共有を行いましょう。先輩看護師から注意されたことを共有しておくことで、次に自分が質問された時に答えられるためです。同期同士の情報共有は悪い事ではありません。医療の現場は常に情報共有が必要不可欠です。その訓練でもあり、同期の人間関係の構築の為にも重要な事なので、必ず情報共有は行うようにしましょう。
新人看護師は覚えることも沢山あり、日々の業務に慣れるまで本当に大変な道のりです。しかし、教育環境が整っている現場では大変な分、看護師としての自分を高めていける宝庫だと思います。
まとめ
「大学病院は忙しそう、大変そう」という話はよく耳にするかもしれませんが、新卒の看護師にはより多くの経験がその後の自分の看護観を作り上げていくために大事な経験となると思います。
大学病院が近くになくても、地域の中枢を担う病院であれば、優先的に検討する事をお勧めします。新卒の方の就職の際はご参考にしてみてください。
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