私は急性期病院の外科で働いています。
急性期病院は毎年看護師の就職や転職の募集が多く、特に新卒では最初は急性期病院に就職する人も多いです。
では、実際の急性期病院での看護師の仕事内容はどのようなものでしょうか?
大変なこと、やりがいなどをまとめてみました。
急性期病院での仕事内容。大変なこと。
①多重課題に追われている!
仕事内容は急性期病院であるため、救急患者を受け続けなければならず、非常にハードです。
まず、急性期病院で毎日行われていることは手術や特殊検査です。
特に私の働く外科では毎朝9時から手術が開始されるため、患者さんの手術の準備を行い、手術室に入室させます。医師は手術のため病棟にいるのは朝だけです。朝の短時間で医師へ必要な指示受けを全て済ませておかなければいけなせん。
手術が終わった患者さんは一部はICUでの管理となりますが、ほとんどの患者さんが病棟へ帰室されます。
そこで看護師は、病棟へ帰室された患者さんの全身状態の観察、管理を行います。
手術や麻酔によって負担が掛かっている患者さんは、当たり前ですが痛みや気分不良、不安などを訴えられるためケアに時間を要します。
しかし、他の患者さんも担当しているため、その方のケアばかりに時間をとられるわけにもいきません。
ある患者さんのケアをしている途中で、別の担当患者さんが検査に呼ばれたと連絡があれば遅れないように準備をしなければいけません。また、状態が急変した患者さんに対しては医師がもともとは予定されていなかった検査や治療を追加することも多くあります。
さらに、午前中には看護師間でのチームカンファレンス、午後は専門職の回診の介助・カンファレンスへの参加、予定入院患者への入院説明や術前処置、書類整理など決められた仕事もあります。
これらのような多重課題に優先順位をつけながら、医療事故のないよう毎日過ごしています。
②肉体的にハードである!
ほとんどの患者さんが、病状が重いため動くことも出来ず、日常生活のすべてに看護を要します。
例えば、立ってトイレに行くことができない患者さんを抱えて立たせ、支えながら歩いたり。また、当然ではありますがシモの世話(オムツ交換や陰部の洗浄など)も1日に何度も行わなければなりません。
自分で寝がえりをうてない患者さんには床ずれができないよう数時間毎に体位交換をするのですが、看護師一人の力では難しい場合も多くあります。
また、麻痺や拘縮があられる方をベッドから車椅子に乗せる際なども力を要するのですが、必ずしも必要な人数のスタッフを集められるとは限りません。
そのような時は、転倒や転落、身体損傷が起こらないギリギリのラインの人数で患者さんを動かしています。
患者さんもきついですが、一日中このようなことを繰り返す看護師も、肉体的な負担は大きいです。
③感染のリスクが高い!
看護師には常に「感染」のリスクがあります。
入院している患者さんたちは、感染症を抱えている方も多いです。
また、感染源がどこにあるのかはっきりしている患者さんは対策が取りやすいのですが、緊急入院の場合などはその方の情報が少なく、どこに感染源が潜んでいるかわからない方も多くいらっしゃいます。
また、手袋をしていない状態でケアをしている時に患者さんの血液に触れてしまったり、誤って自分に針を刺してしまうなどの危険性が常にあります。
そのため、日頃からスタンダードプリコーション(標準予防策)を徹底し、院内感染の危険性がある患者さんに関しては特に情報を共有するようにしています。
④患者さんの対応が大変!
急性期病院へ入院される患者さんの年齢層は毎年高くなっています。
そのような状況ですから、認知症の患者さんに暴言や暴力を振るわれても笑顔で対応しなければなりません。
また、急性期病院は濃厚な治療や処置によって「せん妄」を発症する患者さんも多く、急につじつまの合わない発言をしたり、点滴類を抜いてしまう、大声をだして暴れるなどの患者さんが後を絶ちません。
認知症やせん妄の患者さんの人権を傷つけないよう、倫理的な配慮を行いつつも、医療事故が無いような対策をとる必要があります。
また、入院患者さんは容態が急変しやすいため、ちょっとした観察不足が患者さんの状態を悪化させてしまいます。そのような、看護師の観察不足や判断ミスが最悪の場合死にも繋がる可能性もあるため、常に気を張って仕事をしなければいけません。
特に緊急入院をされた患者さんは、患者さんだけでなく家族も混乱しているためクレームを言われる方も多いです。そのため、対応には細心の注意を払っています。
そんな急性期病院でのやりがいとは?
今までの説明からは急性期病院の大変な点ばかりが強調されてしまいましたが、大変なことばかりでもありません。
急性期病院の看護師だからこそのやりがいもあります。
①患者さんが元気になった姿に喜びを感じる!
日々の患者さんの状態の変化は大きく、自分が関わった患者さんが元気に退院される姿を見たときは、今までの大変さもやりがいに変わります。
自分の行なったケアで患者さんの状態が良くなり、患者さんや家族からお礼の言葉をいただいた時の喜びは、ほかには代えられないものがあります。
②大変な職場だからこそ、自身の成長を実感できる!
常に多重課題をこなしているからこそ、経験年数を重ねるに連れて知識や判断力が磨かれてきます。
過去の経験を生かして患者さんへより良いケアを考え出していったり、自分の知識や技術に自信を持って後輩を育てていけることにも喜びを感じています。
重症な患者さんが多く、濃厚なケアが必要であるため看護技術はかなり身につきます。
点滴や採決の回数が多いため技術力が上がるのは当たり前ですが、経管栄養や褥瘡ケアなど高齢者に特化した処置も多く身につくため、急性期病院以外の慢性期病院や施設などでも技術を活かせます。
実際に、転職の際も、急性期病院で働いていたという実績があれば募集する側からも非常に重宝されます。
急性期病院は毎年看護師の就職や転職の募集も多いため、これからスキルアップをしていこうと思っている看護師さんへはオススメの職場です。
まとめ
急性期病院での実際の仕事内容と大変さ、やりがいについて理解していただけましたでしょうか?
実際に働いてみてわかったことを中心に書いてみましたので、就職や転職の際の参考にしてみてください。
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