キャリアアップを見越した病院の転職について

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#433 2018/09/11UP
キャリアアップを見越した病院の転職について
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職場へ不満を感じ転職を考えている方は、将来看護師としてどうなりたいのかという視点で病院選びを考えたことはあるでしょうか?転職の際、給料や職場の雰囲気も大切ですが、キャリアアップしたい時にバックアップしてもらえるか、という点も実は重要なポイントです。今回は長期的な視点で病院を選ぶコツについて考えてみたいと思います。

今のままでいいの?私が転職を決めた理由

看護師としてある程度の経験年数を重ねていくと、「この分野にはすごくやりがいを感じる」「楽しい」「自分に合っている」と感じたり、逆に「これだけはできない」「苦手」「自分には合わない」と仕事に行くのがつらくなり、鬱になるほど悩んでしまう事があります。

新人の頃はとにかく色々な経験を積むことが大切なので、多少辛いことも勉強だからと乗り越え、頑張れるかもしれません。そういう時期は誰しもありますし、実際私自身も現在の基盤となっており、色んな意味で生涯忘れられない貴重な経験がいくつかあります。

ですが一定の年齢になると、はたと考えるようになるのです。「私の強みって何だろう?」…と。これだけは誰にも負けない自信がある、といったスキルです。例えば「絶対に失敗できないシーンでどんな難しい血管でも一発で刺入できる自信がある」とか「かなり気難しい患者さんでもうまくコミュニケーションを取る自信がある」など。自己満足かもしれませんが、そういう自分だけの得意分野があるのだろうかと。

当時の私は自分に自信があることなど、何も思い浮かびませんでした。ふと周りをみると、同期は主任に昇進したり、いつの間にか通信で大学に行っていたり、突然結婚の話が出てゴールインしたり。そんな中、私だけが取り残されていくようで、自信をなくして落ち込んでしまいました。私はというと、ただ目の前の患者さんのケア(当時は結構濃厚なプライマリ)を懸命に行い、病棟で与えられた任務(主任代行や各委員会のリーダー、指導など)をこなす、残業ばかりの日々だったからです。

そんな毎日もやりがいはあるのだけど、わかりやすい形になっていないぶん自分だけ何も成長していないような、だからといって資格を取るほど興味のある分野もないし…といった宙ぶらりんな状態でした。そんな生ぬるい環境を一新したくて転職したのですが、今ふりかえると転職前に少しでも興味のある分野の資格を取って、キャリアアップしておけばよかったと思います。なぜなら転職前の病院は資格修得のための素晴らしいバックアップ体制が整っていたからです。転職後に気付きましたが時すでに遅し…でした。

転職後、キャリアアップしたいと感じた理由

私が転職後にキャリアアップしたいと考えるようになったのは、転職後の病院では認定看護師も専門看護師もおらず、根拠のないケアが当たり前のようになっていたことや、自身の環境変化が原因でした。再就職時は結婚適齢期でもあったので、結婚・妊娠・出産をこなし、育児が一段落するまで30代前半~40歳半ばまでかかりました。その時点で今から資格をほしいと考えても、転職後の病院には研修体制がなく、過去当たり前のようにあった勉強の機会はほぼありませんでした。身近にあった看護大学や看護研修センターもはるか遠くになってしまったため、最新の情報を得るのも難しくなりました。なんとか奮起して遠方まで通ったとしても子どもや家庭があるので、それらを同時にこなしながら続けられる気がしませんでした。こんなことなら独身時代の恵まれた環境の時にしておけばよかった、と激しく後悔したものです。

キャリアアップするにはどんな方法がある?

このような経験から、もしこの記事を読んでいるあなたが新人ナースだったり、20代の若手だったら(もちろん私と同世代でもいいのですが)、ぜひ伝えたいのです。それは若いうちから看護師人生をプランニングすることです。ずっと看護師をするつもりはなくても、現時点でしているならざっくりでもいいので考えてみませんか?自分の人生設計の中に仕事を組み込み実現していくのです。

その際、まず自分が一番優先したい事は何なのか整理します。例えばゆくゆく特定の分野に特化した看護をしたいとか、いつも患者さんに寄り添って身近でケアを続けたいのであれば「認定看護師」が合っているかもしれません。以前私が働いていた部署では「皮膚・排泄ケア認定看護師」がいたので、スキントラブルや管理の難しいストーマ患者さんをケアする際は一緒に考えてくれて、大変勉強になりました。困ったことを相談すればエビデンスに基づいた知識と、熟練の技で悩みながらも解決してくれたので、すごく頼もしく憧れました。

また特定の分野に特化するだけでなく、ご家族や環境、色んな職種の垣根を越えてコーディネートするような幅広い活躍をしたい、など考えているなら「専門看護師」がおすすめです。認定看護師より時間やお金がかかりますが、勉強や研究が好きで広い視野をもって働きたいと考えている人には向いているかもしれません。

これら2つの資格は仕事をしながら取るのは現実的に難しく、多くの人は病院の助けを得て休職しています。このさい、バックアップ体制の整った病院だと休職中でもちゃんと給料は出ますし、金銭的な補助をしてくれることもあります。なぜなら専門・認定看護師がいるということが、病院の価値を高めることを知っているからです。ですが地方の小規模病院や個人経営の病院ではおそらくそういった補助は難しく、ほぼ自費だったりいったん退職しなければならないケースもあるようです。

ですからもし今後、転職や再就職を考えている場合、今の時点では時に何も目標をもっていなかったとしても、将来キャリアアップしたいと思った時にそれをバックアップしてくれる病院かどうか、という点も考慮に入れて転職先を決めても損はないと思います。いえ、ぜひ入れておいてほしいと思います。ちなみに働きながら時間をかけて取ることができる学会や協会主催の資格もありますので、もし上記の条件があわなくても自分にあった方法をみつけていただければと思います。

まとめ

昨今、非管理者である看護師の給料は若干低下傾向で、年功よりも個人の能力を加味して昇給する傾向にあります(2017日本看護協会調べ)また特定・認定看護師のような、高度な技術・知識をもつ看護師の活用を課題に挙げている管理者も増加傾向です。

このことからスキルアップをして自分の価値を高めることは、自身のやりがいや患者さんのためになるだけでなく、転職する場合も昇給に繋がる可能性が高いということが言えると思います。

最終的に自分はどうなりたいのか、自分の目標とする看護師はどんな人物なのか。もし新たに転職する場合、頭の片隅に入れていただき病院選びの助けになればと思います。

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