医療職、とりわけ看護師の人手不足が大きく叫ばれる昨今。毎年のように大勢の若者が国家資格を取得し、それぞれの就職先へ羽ばたいているというのに、まるで状況が変わりません。やはり看護師になる人間の数より、辞めていく人間の方が多いようです。
この記事を見ているそこのあなたも、今転職を考えているのではないでしょうか。仕事の内容がきつい、自分の理想とはあまりにもかけ離れすぎてショック、先輩看護師に虐められる、患者とのトラブルが絶えない、理由は色々あるかと思いますが、それに優劣なんてありません。たとえどんな理由でも、自分の人生がかかっているわけですから、真剣に思い悩むのも当然のことだと思います。
今回は、転職について思い悩んでいるあなたに、実際に3か月で4つの病院を転職した現役看護師の私が、転職を判断するポイントを絞って解説させていただきますね。これから挙げていくポイントに一つでも心当たりがあるなら、それはもう迷う必要なんてないと思います。今すぐ辞表と決意を持って、職場に向かいましょう。転職や就職で悩んでいる人必見です。
職場の人間関係の悩み
さて、まず最初に注目したいのは「職場の人間関係」。これは看護師という職場に限らず、どの職業にも当てはまることですし、一番に考えていいポイントだと思います。ただ他職種と決定的に異なるのが、女性の占める割合があまりにも高いこと。女性の多い職場で起こりやすいのが、異常なまでに陰湿な職場内のいじめです。
ドキッときた方も多いのではないのでしょうか。結構悩んでいる人も多いかと思います。白衣の天使は患者には態度は良いのですが、仲間内では異常なまでにギスギスしています。確かに人の命がかかっている職業ですから、小さなミスも許されません。しかしそれを差し置いても一度目をつけられた段階で、その職場は早急に撤退すべきだと思います。
何故なら、いじめをしている人は本気であなたのことを辞めさせようと、あわよくば社会的に、精神的に徹底的に潰そうとしているのです。時折「あなたのことを思って言っているんだ」と詭弁を振り回す人もいますが、よく考えてみましょう。本当に成長を祈っているなら、虐める必要なんてない筈です。一つ一つ丁寧に教えていけば良いだけの事なんですから。
いつかいじめが無くなると思っているそこのあなた。無くなりません。ますますエスカレートしていきます。その有様は、限度を知らない無知な小学生より程度が悪い。
患者さんを助けるのが仕事の筈が、逆にあなたが患者になってしまう前に。決断は早い方がいいと思いますよ。
仕事の過酷さ・大変さ
次に挙げておきたいポイントは「仕事の過酷さ」です。学校で習った方も多いとは思いますが、看護師というのはきつい・汚い・危険の3Kが常に揃っていますし、最近ではもう3個(帰れない・厳しい・金なし)加えて6Kだなんて言われるほど、もの凄いブラックです。
しかしこれは面白いことに、最初の3Kは絶対に避けがたい事で、後者の3Kは改善の余地があるのです。ゆっくり説明していきますね。
少し話がずれるのですが、転職は大きく二つに分けられます。一つは、現在の職業も職場も辞めて、全く新しい職場で新しい職業を始めるパターン。もう一つは、現在の職業は維持したまま、職場だけを別のところに変えるパターン。ここで前述した3Kや6Kと照らし合わせてみると、最初の3Kに悩んでいる人は一つ目のパターンの転職を、追加したもう一つの3Kに悩んでいる人は、現在の職場を変えることで改善できる見込みがある為、後者の転職パターンに当てはまるわけですね。
私は皆さんに、ここを見誤らないでほしいのです。看護師を辞めたいのに無理やり続けていたり、看護師を続けたいのに泣く泣く辞めたり…。せっかくの人生です。不本意な事で貴重な時間をロスするのは辞めましょう。自分が今、何に悩んだり不満を持っていて、それは改善の余地があるのか無いのか、一度立ち止まってゆっくり考えるのが大切なんです。
少し長くなったので要約しますね。
自分のミスで患者さんに危害を加えたくない・便とか血とか見るのが無理・針刺し事故が怖くてやってられない等、看護師の業務そのものに不満があるなら、看護師そのものを辞めること。
そして、残業が多い・上司からの叱責などが異常に厳しい・給料が少なすぎる等で悩んでいる方は、一度今の職場と他の職場を比較してみましょう。もし一人で判断がつかなければ、その手のプロが多数在籍する転職サイトなどに相談するのもありですよ。
ここまで挙げたポイントを見て納得した方は、ここからの文章は読み飛ばして頂いて結構です。
納得できなかった方は、それは何故でしょう。何があっても看護師という職業を愛しているから?やりがいを感じているから?それとも他に出来る職業がないから?転職とか考えるほど面倒くさくなってしまうから?
アクションをとる前に考えるポイント
これが最後の砦です。どれか一つでも当てはまった方、転職を考えた方が良いとは言いませんが、何らかのアクションはとった方が良いかもしれません。
看護師というのは、その全員が国家資格取得者で構成されるプロフェッショナルの集団です。いかなる状況でも患者の事を考え、尚且つ仲間と連携し、医療事故や患者からの暴行から自分の身を守っていかなければなりません。それには正しい思考と思想、そして技術が必要です。
生半可な気持ちでも続けられない訳ではありませんが、いつか大きなトラブルがあなたを待ち構えています。現状に耐えられなくなって、患者への暴行を起こした看護師。日々の激務から心と体のバランスが取れなくなって、看護される側になってしまった看護師。プロ意識が欠けていて、日々の確認業務を怠り、医療事故を起こした看護師。
最近ニュースになったりすることも多いですし、私自身も4年間の勤務中にそれらの人を見てきました。一度そんなことを起こしたら人生棒に振るどころではありません。文字通り、終わります。
ここまで書かせて頂いた事柄に、あなたの心の中で少しでも引っかかる事があるのなら、一度立ち止まって考えるのも良いかもしれませんね。
まとめ
如何でしたか?
転職をするかどうかのポイントは色々ありますが、「職場」を変えるだけでいいのか、「職業」を変えるべきなのか、じっくり判断する必要がありますね。
是非参考にしてみてくださいね。
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