看護師として就職試験を受ける場合、面接試験は大変重要ですが、その面接試験のベースにもなる最も大切な書類は履歴書です。現役の場合には、成績証明書等の提出を求められることがありますが、たしかにそれも重要ではあります。しかし、ある意味それ以上重要といえるのが履歴書です。
ここでは、その履歴書の記載に関するポイントをご紹介します。
履歴書をかく際のポイント
1.履歴書の位置づけ
まず、募集要項を確認してみてください。そこには、きっと「試験内容」という言葉が記載されているかと思います。その「試験内容」に「書類審査」という言葉は含まれていますか?もし、含まれていると、あなたの履歴書は相当きちんと記載しないといけない、ということになります。なぜなら、あなたが提出する履歴書は「試験内容」の一つ、ということになり、点数評価をされる可能性があるからです。
「試験内容」に「書類審査」という言葉が含まれていないから、私は安心、そう思っている方、いませんか?油断をしてはいけません。その言葉を書いていないから、といって、履歴書が重視されていないわけではありません。そういった言葉では表現していなくとも、たとえば、面接試験の評価項目の一つに、履歴書や成績証明書などの書類の記載内容を含めている、ということも充分考えられるからです。
2.履歴書を記載する際の大前提
では、その履歴書を記載する上でのポイントについてご紹介します。
まず、当たり前といえば当たり前ですが、まず、記載する前に、履歴書をコピーしましょう。そのうえで、しっかりと記載内容を精査し、練習をしたうえで、本物に記載しましょう。もし、かりに、応募書類を複数入手することができたならば、それを利用してもよいでしょう。
ついで、履歴書は自筆で、丁寧な字で、ボールペン等で記載します。最近よく見かける「消せるボールペン」は利用してはいけません。また、かりに清書をする際に、間違って記載した、といったときにも修正液を利用するのはタブーです。間違えないように鉛筆などでうすく下書きをして書くのはもちろんのこと、仮に間違えた場合には、定規等を使用して、丁寧に二重線で訂正をします。なお、ボールペンは自分の最も書きやすいものを選ぶとよいでしょう。なぜなら、たかだか履歴書1枚と思われるかもしれませんが、緊張して記載していると、疲れが出て、最後の方は字が乱れる、なんていうことを避けるためです。
また、履歴書を記載する際、氏名を記載する横に捺印をする箇所がある場合があります。その場合、スタンプ印ではなく、朱肉を使った印鑑を使用して押します。曲がることなく、印鑑の文字の方向をきちんと確認して、捺印台もしくは少し厚みのある柔らかいもののうえで捺印をしましょう。自信のない方は事前に練習をしてから捺印をしましょう。すべて記載したけれど、捺印を失敗した、となると、とても残念な気持ちになりますので。
なお、当たり前といえば当たり前ですが、楷書で丁寧に記載することは言うまでもありません。字が下手だから、なんて考えなくてよいです。丁寧な字で記載することが大切です。
3.学歴と職歴、資格欄の記載
学歴は現役生にとっても、転職者にとっても記載する必要があります。
一般的には、中学を卒業するところからの記載になりますが、元号で年月を記載するように指定されている場合と、西暦でもよい場合がありますので、確認をして間違いのないように記載します。
学校名を記載するときには、たとえば「高校」ではなく「高等学校」と記載する、学校名に「医療法人○○」などといった名称がついている場合には、それも記載するなど、正確に記載することが大切です。さらに、特に転職者においては、学歴として取り扱ってよいものとそうではないものがありますので、確認をしてください。たとえば、1年間の研修に参加をしたとき、学生証もきちんとあって、という場合には、学歴として記載することができますが、たとえば、4週間の研修に参加した、といった場合には、学歴の扱いにはなりません。
一般に、現役生は職歴を記載することはまずないでしょう。ただし、最近多いのが社会人経験を経て、看護系の学校に入学しなおした、というケースです。その場合には、現役生であっても、また、看護の職歴ではなくとも、記載する必要があります。なぜなら、履歴の空白が出てしまうからです。
転職者の場合の職歴の記載については、その職歴内容について、特に採用する側は気になるところですので、明確に記載しましょう。いつ、どこの病院等のどういった部門に配属されたのか、常勤だったのか、非常勤だったのか、仮に役職についた場合には、いつ昇格したのか、そういったことをきちんと記載します。あくまで、職歴の欄への記載ですので、所属先でどのような功績をあげたのか、といったことについては記載する必要はありません。そのようなことは、記載内容に基づいた面接を受けることになりますので、そこで必要に応じて説明、アピールすればよいことです。逆に言えば、面接のときに確認される大切なポイントの一つになるため、記載内容について質問を受けたときのことを想定して面接準備をするとよいでしょう。
免許・資格欄については、主には看護職に関連するものを記載するとよいでしょう。もちろん、それ以外の資格であっても、必要に応じて記載してもよいです。何かの師範を持っているということを記載した場合であっても、悪い印象を与えることはありません。ただし、記載する欄の大きさにもよって、記載する・しないは判断する必要があります。また、転職者が訪問看護ステーションを受ける、などという場合、運転免許の有無の記載は重要ですから、看護職に関係しなくとも、必ず記載するべきことになります。
このように、今説明をしていても、現役生の場合、運転免許しか持っていない、なんていうことを思っていませんか?しかし、そうではありません。看護師国家試験受験資格等を持っていて、それを取得見込みである、といったことは必ず記載できることです。もちろん、保健師や助産師の国家試験受験資格についても同様です。転職者の場合には、たとえば、〇〇認定看護師など、公的に認められている資格を持っている場合、それはかなり重要なことになりますので、必ず記載しておきましょう。
いずれにしても、学歴も職歴も正確に記載することが大切です。場合によっては、詐称となり問題となることがあります。
4.志望動機および希望欄の記載
最も重要な項目となるのが志望動機の欄です。
ここに、間違っても、家から近い、とか、福利厚生がとてもよい、とか、といったことを最初に記載するのはよろしくありません。
まずは、応募する病院等のパンフレットやウエブサイトをじっくりと読みましょう。そこには多くのヒントが記載されています。その病院の理念、看護部の目指していることなどなど、多くのヒントがあります。そのヒントをもとに志望動機を記載するとよいでしょう。ただし、あまりにも、そのままの文章を引用して記載すると、採用する側は苦笑するだけです。ですから、面接時に質問をされても、自然に答えられる程度に、自分の言葉に置き換えて、記載するとよいでしょう。
また、現役生ならば、インターンシップに参加したり、転職者ならば、施設見学をしたり、といった経験があるかもしれません。その経験を活かすことも重要です。以下に、その病院等で自分自身が働きたいかという思いを表現する上で重要なアピールポイントになります。ですから、そういったものに参加をした時に、看護師の方がこのような看護をしていたことをみて、などといった具体的なことを記載すると、とても好印象につながります。
希望欄については、一般的には配属先の希望を書くことが多いです。ここは、はっきりと自分の希望する配属先を書いておくとよいでしょう。採用する側も、新人の離職率についてはかなり気にかけていますので、離職を避けるための配属先として、検討する材料の一つにもなりますから。
また、転職者の場合には、たとえば、家庭の事情で、どうしても困難なこと、たとえば、〇曜日だけは、夜勤シフトに入ることは難しい、といったことも明確に書いておくとよいでしょう。仮に、そのことを理由に採用を見送られる、ということになったとしても、現実的に、採用されても長く勤務をすることは困難です。そもそも、その施設等への再就職を希望すること自体、考え直すべきことかもしれません。もちろん、調整可能なことでしたら、余計なことを記載するべきではないのは言うまでもありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
履歴書は面接との関連が深く、面接同様重要なものになります。たかが履歴書などと思ってはいけません。言葉の持つ力は大変大きいものですし、試験内容の一つととらえて、納得のいく履歴書になるようにしましょう。
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