看護師として資格を取得し、大病院に看護師として就職し、臨床現場の看護師として、第一線で働いてきた方も、結婚し、出産をして子育てをするとなると、臨床現場での夜勤、土日勤務のある仕事は、なかなか難しくて、と退職や転職を希望される方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。そのような方にぜひお勧めしたいのは、看護教員という仕事です。
1.看護教員になるためには
看護教員という仕事に就くためには、最低5年以上の臨床経験を必要とします。この5年というのは、子育てをしながらの外来勤務であってもかまいません。5年以上の臨床経験があればよいということになります。すでに退職をしてしまっている方の場合、たとえば10年以上ブランクがある、という場合には、あまり看護教員としては望ましくないかもしれません。なぜなら、学生に看護学を教育する際、今求められている看護師を育てるためには、今の臨床・臨地の現場がどうであるのか、ということを知っておく必要があるからです。仮に、退職をして10年以上が経過しているけれど、という方がいらした場合、一度、就職希望先にご相談・問い合わせをしてみてもよいかもしれません。熱意があれば、なんらかの道が開けるかもしれません。
加えて、専門学校で看護教員になる場合、教員養成課程を修了しているか、大卒で一つの業務を3年以上経験し、かつ、教育に関する一定の単位を修得している方、というのが条件になります。え?そのような教員養成課程なんて修了していないわ、大卒じゃないわ、大卒だけど教育に関する単位なんて修得したっけ?なんていう方、多くいらっしゃるかもしれません。ですが、看護教員を目指す多くの方は、同じ状況です。むしろ、看護教員になりたい、と思われたときに、これらをクリアしている人は限られていると思っていただいてもよいくらいです。
そのような方でも看護教員になる道は開けています。まず、教員養成課程は以前は、仕事先から研修という形で半年~1年という年月をかけて、通学して、研修を受ける、ということをしないといけませんでした。したがって、場合によっては、県外のこういったコースに通うこと自体、難しい、ということもあったでしょうが、今はいろいろな道があり、たとえば、通信教育で看護教員のコースをとることも可能です。また、大卒の方の場合、同様に通信教育で教育に関する単位を必要なだけ修得する、という方法もあります。いずれにしても、就職後、そのような道に進み、看護教員の資格を取得することを支援してくれる専門学校は数多くあります。そのため、まずは、看護教員になりたい、そう思われたら、就職を希望する学校に問い合わせをしてみるとよいでしょう。
2.看護教員の仕事の内容
では、専門学校の看護教員は、実際にはどのような仕事をするのか、についてご説明します。まず、一言でいえば、看護師を目指す学生の教育です。一番イメージしやすいのは、自分が卒業した看護学校時代を思い出すことです。そのときの看護教員の先生方を思い出せばよいかと思います。どのようなイメージがありますか?もしかすると、いやなイメージしか残っていないかも、ですが、それは少し不幸な学生生活だったかもしれません。看護師を目指す学生が、懸命に努力をしているところを、後ろから支える、そのように考えればよいです。
実際には、学内では、看護学にまつわる講義をします。また、学内で、技術の習得ができるように、技術演習を行います。そして、臨地実習の際には、一緒に病院などの実習施設に出向き、学生の実習の指導をします。講義をする、と一言で言いましたが、講義をするには、講義の準備をする、技術の指導を行うには、技術の指導の準備をする、ということが必要になります。つまらない講義、いやでしたよね?でしたら、学生が看護学に興味を持ってくれるように、ひきつける講義をすればよいのです。技術、学生時代の教員の技術、下手だな、と思ったこと、ありませんでしたか?先生って、すごい、と思わせるような技術をみせること、きっと、臨床経験を持った看護師の方ならばできることでしょう。そして、何よりも、今臨床にいる人が強いのは、臨地実習の指導です。臨床看護の醍醐味を伝えることができるのは、臨床経験豊富な看護教員ならではです。講義をするのって、難しい、そう思われるのかもしれませんが、たしかに、簡単ではないかもしれませんけど、これも教員養成課程でその方法を教えてくれますし、習うより慣れろ、の精神で、やれば大丈夫です。
ただ、残念ながら、専門学校の教員はこういった学生に直接かかわることだけではなく、いわばその周辺のお仕事も多いのが事実です。たとえば、学生の身の回りの相談、生活指導、実習施設との連絡調整、非常勤講師との調整など、教育にまつわること、それだけではなく、事務作業的なことや雑用も多いです。それも含めてしないといけないのが、専門学校の教員ですので、大卒の方は少し面食らうところもあるかもしれません。
3.看護教員の待遇
一番気になるところが、職場としての看護専門学校は、働く環境としてどうなのか、だと思いますので、その点についてもご紹介します。基本的には、日勤コースです。そして、学校にもよりますが、学校行事がない限りは、土日は休みです。時間外勤務は学校にもよります。時間で比較的きちんと帰宅できる職場もあれば、そうではなく、だらだらと仕事をしている、そのような職場もあります。一般的には子育て中の人に対しては、仕事の継続ができるような支援があるところが多いです。看護教員も募集してもなかなか集まらない、もしくは、教員に向かない、といってすぐに退職を希望する、そういう人もいますので、できれば、仕事を継続してもらいたい、と願っている職場も多いので、その点ではサポートシステムが整っているといえます。お給料は、臨床で夜勤や日曜勤務をしていたほうが、はっきりいっていいです。夜勤・日曜勤務手当は大きいです。病院が経営し、病院と人事交流をしているような専門学校では、教員手当を出しているところもあります。また、一般的には、経験を加算してくれるところが多いですので、いずれにしろ、お給料を含めた待遇面についても、就職について問い合わせをしたときに、きちんと確認をしておくとよいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
出産・子育てをしている看護師の皆さん、退職・転職を検討するならば、専門学校の看護教員を目指す、というのはいかがですか?一度検討してみてください。
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