みんな気になる!?泌尿器科看護師が教えるお下の世話について

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#391 2018/07/31UP
みんな気になる!?泌尿器科看護師が教えるお下の世話について
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お下の世話は、採血や注射と同等に看護師にとって重要で、頻度の高い業務の一つです。そのため学生時代の演習では、かなり早い段階で演習が組まれている事が多いと思います。学生時代に友達同士で演習用人形を使い、キャーキャー言いながら演習をした方も多いのではないでしょうか?そんなお下の世話は意外にも、病院での実習ではなかなか経験させてもらう機会が少なく、就職までに患者さんのお下を見る事にあまり慣れない状態で働き始める学生さんが多いように思います。また外来やクリニックなど入院施設の無い病院で勤務していた看護師さんや、小児科などで勤務していた看護師さんの場合にも、あまり大人のお下の世話をする機会がなく、病棟への転職や科の配置換えにより、戸惑う方も少なからずいると思うので、お下の世話について書いていこうと思います。

世話の方法

 

1.お下の世話の内容とはどんなものがあるの?

頻度が高く代表的な物を挙げていきます。

  • 陰部洗浄
  • 浣腸や摘便
  • おむつ交換
  • トイレへの付き添いや介助
  • 排せつ物で汚れた寝衣や寝具交換と身体の保清
  • 排せつ物の観察と記録

これらは、行う頻度が非常に高く、どの項目も1勤務中に少なくとも1回は行うであろうものです。それぞれについて詳しく書いていきます。

陰部洗浄

陰部の清潔を保つために行うものです。患者さんは体調が悪くて入院しているため、通常より免疫力が低下しています。また慣れない入院生活で体力、気力ともに低くなっているため、感染症に非常にかかりやすく、入院中に尿路感染症になる患者さんは非常に多いです。免疫力、体力が低下している状態での尿路感染症は重症化することも多く、尿路感染症のために入院生活や治療が長引いてしまうことは良くあることです。それを予防するのが陰部洗浄です。おむつをしている患者さんや、尿道カテーテルの入っている患者さんで、自分でシャワーに入るなどの保清ができない患者さんには1日1回の陰部洗浄は必要になります。

浣腸や摘便

便秘解消や排便のコントロールのためだけではなく、検査や手術の前処置として行う事が多く、内科、外科共に非常に頻度の高い処置です。検査の前処置などの場合には数回、浣腸→便処理→浣腸→便処理と繰り返す事もあります。

おむつ交換

自身でトイレで排泄が出来ない患者さんにはもちろんですが、自立度が高い患者さんでも、術後の覚醒前やベッド上での安静が必要な場合におむつ交換が必要になります。

トイレへの付き添いや介助

歩行や認知機能が不安定な患者さんや、車椅子の患者さん、手術や検査後でふらつきや低血圧などが心配な患者さん、点滴やドレーンなど身体への付属物が多い患者さんなどには、事故防止のためトイレへの付き添いを行います。必要な場合には衣服の上げおろしや排泄後にお尻を拭くなどの介助も行います。
・排せつ物で汚れた寝衣や寝具交換と身体の保清
もともと排泄に介助が必要な患者さんだけでなく、病棟では、術後の状況や病状の悪化、環境の変化や体力の低下などから自立している患者さんでも一時的に排せつ物で寝具や寝衣を汚してしまう事が非常によくあります。それらは出来るだけ迅速に交換し、同時に患者さんの汚れた身体もきれいにしていきます。

排せつ物の観察と記録

検査や手術後の経過をみるためや、患者さんの病状や体調を判断する材料として、排せつ物の観察は非常に重要な場合が多くあります。排せつ物は目で見ての観察だけでなく、使い捨ての道具を使って触って確認する場合やにおいなどを観察する場合もあります。

2.お下の世話をするときのコツ

お下の世話はなかなか家族にもしないようなことで、慣れるまでは戸惑いや恥ずかしさで苦労する人も多くいると思います。なかにはどうしてもお下の世話が生理的に受け付けず、看護師を辞めてしまう人もいます。また、逆に患者さんの方が恥ずかしさや戸惑いから看護師にお下の世話をされる事を嫌がり、断られてなかなか仕事が進まないという場合も多く経験しました。そこでお下の世話をするときのコツを挙げていきます。

陰部や排せつ物を特別なものと思わない

一番大切なことはお下に対する認識だと思います。陰部や排せつ物を特別なものと捉えるから恥ずかしさや、戸惑いを感じてしまうのではないでしょうか?私は患者さんの陰部に対して、おなかや足と続いた身体の一部で、耳や鼻、おへそを見る事と同じだと考えています。また排せつ物に対しても、検査のために採取した血液や唾液と同じように患者さんの状態を判断する材料のひとつと捉えるようにしています。そう捉えることで、陰部や排せつ物への気構えがなくなりやすいのではないでしょうか。この考えで患者さんと接するうちに、今では患者さんのお下の世話をすることが、腕や足にできた傷を確認し、絆創膏を貼ることと同じような感覚となっています。

恥ずかしさや戸惑いを感じても患者さんに一切見せない

次に大切なコツは恥ずかしいと思っている感情や、お下を世話する事への戸惑いを患者さんに気がつかせないということです。処置をする看護師側が少しでも恥じらいや戸惑いを見せると、患者さんの恥ずかしさは更に強くなります。するとお下の世話に通常以上に時間がかかってしまったり、患者さんから処置を断られるなどに繋がり、お下の世話の大変さが倍増してしまいます。もし恥ずかしさや戸惑いがあっても、それを表情には一切出さず、淡々と世間話などをしながら、ルーティン業務かのように行うことが、お下の世話を短時間で楽に終わらせるコツです。

準備は万端にする

どんなにお下の世話に対して特別に思っていなくても、嫌な思いをすれば苦手な業務の1つになってしまう可能性があります。手袋が破れて素手に排せつ物がついてしまったら、排せつ物がナース服や顔に飛んできたら、患者さんに嫌な思いをさせてしまい怒られてしまったらなど考えうる悪いパターンを考慮して、準備を万端にしてお下の世話に臨みます。私はお下の世話をするときは、もしもの時を考えて、手袋は2重~3重、エプロンとゴーグルつきマスク(サージカルマスク)を着用、物品は多めに準備して、最短の時間で終われるよう、環境を整えてから始めるなどの工夫をしていました。

まとめ

ここまで病棟でのお下の世話の種類と、その実際の内容、お下の世話をする上でのコツを書いていきました。少しイメージが出来たでしょうか?病棟での看護師にとってお下の世話は、外科でも内科でも避けては通れない大切な業務です。患者さんの健康を維持するためのものであり、患者さんの状態を知る事の出来る大切な情報収集の場でもあります。お下の世話だからと気構えず、恥ずかしがらず、準備をしっかりすれば、きっとすぐに慣れるはずです。
みなさんのお下の世話への心のハードルを少しでも下げられたらうれしいです。

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