私の勤務する施設を参考にユニット型特養についてまとめました。各施設いろいろな工夫をしているので運営方法によって異なところもあると思います。これからユニット型特養へ就職や転職を考えている方は問い合わせや面接で確認していただければと思います。
人員配置
一般的に日中は1ユニットに2人、夜間は2~3ユニットを1人~2人という配置でやっているところが多いようです。理由としては人員不足や3人配置では利益が出にくいなど運営上の問題があります。
募集には「早・日・遅」と出ていても3勤務が毎回いるという意味ではなく、「早・遅」「日・遅」という組み合わせで日中2人勤務という仕組みだったりします。面接の際よく確認してください。
2人といっても1人で対応することが多くなります。私の勤務先では、午前は夜勤から引き継いで遅番が来るまで1人です。遅番が来たら午前の人の休憩。午後は入浴介助があるのでやはりユニットに残るのは1人が多くなります。入浴介助が終わると遅番の休憩となり、遅番の休憩が終わると午前の人が帰る時間になります。その後夜勤が来るまでは一人になる。という具合です。
ユニット型の問題点
ユニット型は1ユニットごとに空間が区切られています。その為最低でも1ユニットに1人必要になります。10ユニットあれば10人必要となります。介護保険で報酬はある程度決まっていますので雇える職員には限りがあります。日中3名配置できれば良いのですがなかなか実現できている施設は少ないようです。
50人を3人で見る場合と、10人を1人で見る場合とでは状況が変わってきます。例えば体重が重くて移乗に2人必要な入居者のトイレ誘導では他ユニットや他職種の応援を呼ばなくてはなりません。また認知症の方が不穏になってしまったとき、食事介助が必要な方がいるときなど、一人に時間がかかる対応をしているとき食事の配膳やトイレ誘導など他の業務が止まってしまう問題点があります。
ユニット型の魅力
ユニット型は流れ作業が少なく、各ユニットのペースで過ごすことが可能です。かならずしも入居者がやりたいことをやりたい時間にしてあげることは難しいのですが、有無を言わさず一斉に行うよりはその人にあったタイミングで介助を行うことができます。50人を3人で見ていた場合、助け合えますが1人1人がある程度50人を把握しておく必要がります。しかしユニット型は多くても1人の職員が10人を把握していれば良いため、従来型より個別に関わる機会を増やすことができます。
ただし、ユニット型でも流れ作業的な介助や効率を優先しているところがあります。気づかないうちにユニット型でありながらユニットケアを行えていない場合(小規模に別れただけの従来型のような状態)もあります。もしきちんとしたユニット型特養を意識して転職や就職をしたいのであれば、事前に見学や面談でケアの状況や考え方について確認しましょう。
休暇の取りやすさ
シフトは基本的にユニット単位で組みます。従来型のように1つのグループに職員がたくさんいればそれだけいろいろな組み方ができますので、1グループあたりの職員数が少ないユニット型の方が自由度は少なくなります。ただ私が勤務しているユニット型特養では特に希望休が取れないということはなく、必要最低限は希望通り(月2~3日の希望日指定)の休暇が取れています。
シフトは各施設の規則や方針、職員の意識によっても大きく変わります。人手が足りないところを柔軟に補填する仕組みを作っていれば休暇も取りやすくなります。人はいても休み希望が多かったり変更や交代をしてくれない職場の雰囲気ではどんな仕組みでも休みは取りにくくなります。
事業形態や規模にとらわれず、どのように休暇を取らせているか、施設のルールや方針・考え方を面接時などによく確認しておくと良いと思います。
良いユニット型特養の見分け方のコツ
施設の見学をさせてもらう
ユニット型特養だけに言えることではありませんが、入居している人の表情がどうであるかが一番わかりやすい基準です。入居者が落ち着いていて、表情豊かで活き活きしていれば職員の雰囲気も良いことが分かります。逆に入居者が無表情、不穏な人が多くユニット型なのに一斉介助のようなことばかりしているなど殺伐とした雰囲気の職場で職員が活き活きしているということは考えにくいです。
まとめ
ユニット型特養は従来型より入居者と関わりやすく、流れ作業のような介護を脱却しやすい仕組みではあります。しかし結局は運営する人、働く人の考え方が大きいのではないかと思います。従来型でもユニット型より個別ケアや人としての尊厳を大切にしているところもあります。ユニット型特養というのはより良いケアを目指して模索している中の1つの形ではないかと思います。今回のまとめを参考にしていただき、ぜひご自分にあった素敵な施設と出会っていただければと思います。
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