これから看護師を目指そうとしている方、今後転職を考えている方必見です。自分のライフスタイルに合った職場を見つけてみませんか?過去に私が経験した、転職にまつわる失敗談をもとに解説していきます。
まず自分のライフワークバランスについて明確にする
看護師にとって、自分が働きやすい職場を決めるためには、まず自分が何を大切にして、どのように時間を使っていきたいかを明確にすることが重要です。
- 「自分を磨く時間を作りたい」
- 「時間は惜しまないから看護師として専門性を高めたい」
- 「まずはお金を稼ぎたい」
と看護師の数ほど答えはあると思います。私は、2児の母であり、子どもを幼いときから保育園に預けていたため、「看護師として専門性は高めたいけれども、子どもにはつらい思いをさせたくない」「夜勤、残業はできればしたくない」という思いがありました。この作業は難しくとらえるのではなく、まずは「~したい」といった希望を描き出してみましょう。その上で、優先順位をつけていけばよいのです。私の場合は、まず夜勤がなく日勤のみの勤務形態がある病院が第1条件でした。そして、次に残業が少ない病院、さらに福利厚生が充実している病院が第2、第3条件と決めていきました。
夜勤をするのか、しないのかを決める
病棟で勤務する看護師にとって、夜勤ができるという条件は必ずと言ってよいほど提示されます。まずは、夜勤業務をして自分の体調が崩れる心配がないかを考えましょう。私は、夜しっかりと休息をとらないと不眠などの健康障害が生じてしまったため、夜勤のない日勤常勤という勤務形態を選択しました。しかし、多くの病棟が夜勤をすることの条件を提示している場合が多いため、夜勤をする選択をした方は、2交代制もしくは3交代制のどちらの夜勤であれば体に負担がかからず勤務することができるのかを明確にし、おおよそ月に何回の夜勤があるのか、そして夜勤の休憩時間はどの程度かを、就職先に確認をしてみましょう。
休日についてチェックする
病棟で働く看護師は、変形労働時間制という勤務形態を採用しているのをご存じでしょうか。労働基準法では、1日8時間、1週間40時間を超えてはならないと規定しています。しかしこれでは、夜勤をしたら法律違反になってしまいますよね。
そこで、一定期間を平均し、法定時間内において1時間の実働労働時間が8時間を超える勤務を設定することができる制度を変形労働時間制といいます。
私もよく「雇用契約書に変形労働時間制と書かれているけど、残業が多いとかそういう意味なのかな」と思っていました。そうではなく、夜勤も含めて決められた時間内であれば8時間を超えて勤務してよいですよということなのです。
そこで、変形労働時間制に加えて、確認しなくてはいけないポイントが、「4週8休」「週休2日制」などの休日についての規定です。「4週8休」とは4週の間に8日の休みがあればよいので、1週間に1日の休みしかない週もあれば、3日の休みがある週もあってもよいことになります。日勤、夜勤もこなして次の週の休みが多いとしても、体力がもたないですよね。
そのため、これを選択している病院については、シフトについてどのような休みの取り方があるかを確認してみてください。そして、私も失敗経験もある「週休2日制」についてお話をしていきます。
私は「週に2日も休みがきちんと取れるなんて助かるな」と思っていました。ところが、シフトを聞くと6日勤の週があったのです。病棟で働いた経験のある看護師にとっては、4日勤でもつらく感じるのではないでしょうか。
「週休2日制」というのは、週に2日休みがある週が月に1回でもあればそのように記載してよいのだそうです。そのため、確実に週2日のお休みがほしい方は「完全週休2日制」と提示されている求人を選ぶようにしましょう。もし、そのほかに魅力があり、就職したい病院が「週休2日制」であれば、休みが1回しかない週がどのくらいの頻度でシフトに組み込まれるのかを聞いてみるとよいと思います。また、6日勤などの勤務をした場合、週の実労働時間が40時間を超えるのか、それとも超えた場合は残業代として支払われるのかなどもきちんと確認しましょう。
教育、研修体制をチェックする
これから看護師を目指す方にとっては、重要項目となります。多くの病院が教育、研修体制に力を入れており、その内容が充実しています。そのため、確認してほしいポイントは、時間外研修の頻度とその業務が出張として扱われるのかどうかということです。なかには、時間外研修は自主的に参加するものであり、業務に含まれないと規定している病院もあります。「上司に指示され、研修に行ったのに業務としてみなされなかった」とならないように確認してきましょう。そして、新しい診療科への転職を考えている方にとっても、この項目は重要です。中途採用者の教育について、私は苦い経験をしたことがあります。中途で入職してきた看護師が看護技術の習得が不十分で新人同様教育をしなければならない事態となってしまい苦労しました。中途採用者の教育については、中途採用者の方も、そのときはもちろんですが、今後教える立場になったときに制度が整っていると業務に困ることが少なくなりますので、確認しておきましょう。
育児休暇、子の看護休暇、介護休暇などの福利厚生をチェックする
看護師は、女性の多い職種ですので、妊娠、出産、育児に関する福利厚生はきちんと確認をしておきましょう。もちろん、男性の方も同様です。私が実際に、現在の就職先に訪ねた項目は、育児休業を取得するスタッフは多いのか、産前産後休暇・育児休暇中の給与はどうなるのか、子どもが体調不良の際の休暇の扱いはどうなるのか、有給休暇は何日付与されその休暇を全て使い切ってしまった場合どうなるのかというものです。介護休暇についても同様です。このように聞くことで、子育て世代のいる職場なのか、またそれに対する理解度はどのくらいなのか、子育て世代に対するバックアップ体制は充実しているのかということを把握することができます。
「ほとんど残業なし」に注意する
「ほとんど残業がない」と提示している求人をよくみかけます。ではいったい「ほとんど」とはどの程度のことを言うのでしょうか。この答えは、病院によってさまざまであるということです。1時間程度の残業であれば「ほとんど残業なし」と考える病院もあるということです。このような曖昧な表現の際には、残業時間の平均時間について問い合わせてみましょう。
まとめ
自分のライフスタイルにあったよい求人を見分けるポイントについて、6つのカテゴリーに分けてお伝えしました。いずれにしても重要なのは、何を大切にして看護師として働いていきたいかということを明確にし、その優先順位に沿って就職先を選択するということです。看護師として誇りを持って働くことのできる近道となるよう、是非就職先を検討するときに参考にしてみてください。
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