出産後、初復帰。看護師として病院から特別養護老人ホームへ転職した理由

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#373 2018/07/13UP
出産後、初復帰。看護師として病院から特別養護老人ホームへ転職した理由
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初めての子供を「妊娠・出産」し「引っ越し」を経て、以前まで勤務していた病院から「特別養護老人ホーム」へ日勤パート看護師として転職しました。
転職してみてどうだったか、病院と特養との違いは、子育てと両立できたのか、について私の経験をお伝えします。

1.病院から特別養護老人ホームに転職した経緯。

結婚前は病院で6年間病棟勤務をしていました。その後、結婚し、妊娠・出産を経て、新しい土地に引っ越ししました。

以前の病院を退職し、新しい土地で就職するにあたって一番重視したのは「子育てとの両立可能な看護師業務」でした。そのため、まず病院での正社員看護師業務は夜勤があるため、候補から外しました。

クリニックでのパート勤務も考えましたが、転職サイトより「クリニックは看護師の人数が少数であることが多いため、子供の病気等による突然の早退・欠勤などの融通が通りずらい」などのアドバイスもあり、私は以前から興味を持っていた「特別養護老人ホーム(以下、特養)」での就職を考えました。

特養の他には「訪問看護」も検討していたのですが、以前の勤務先は公共機関のアクセスのよい場所にあり、AT車の免許はありますが、ほぼペーパードライバーのため断念しました。また「デイサービス」での看護師業務でも、慢性的な人手不足からか看護師も「車での送迎」が条件として求められていたので、こちらも諦めました。

保育園との距離が近く、通園に支障のない場所で働ける施設を探し、当時オープンしたばかりの特養施設が「日勤パート看護師」を募集していたので、そちらに応募しました。面接は施設長、理事長、統括マネージャーの3人対私一人で行い、1週間後には採用通知を頂きました。

施設には、正社員の看護師1名。私の他に日勤パート看護師3名の計4人で看護業務をすることになりました。

2.病院と特養との違いは。特養の特色について。

病院と特養の一番大きな違いは『医師が常駐していない』ところです。
本入所29床、ショートステイ9床ありましたが、利用者の体調に異常がみられれば、施設から5分離れた嘱託医(しょくたくい)に電話にて連絡・相談し、看護師が対応する。というのが大まかな流れです。嘱託医は月二回の訪問診療をしてくれますが、日常の観察は看護師が行い、異変に対してはその都度電話で相談し、指示を仰ぎます。

連絡経路としては、介護士が異常を認めたら看護師に相談、看護師の判断で医師に相談するか、様子観察するかを判断する、という流れです。
また、特養で勤務する職員の大多数は『介護士』であり、『看護師』は4人で全利用者の対応を求められました。

病院では、病院内に医師がいるのですぐに相談でき、指示も頂け、周りも看護師だらけなので相談もできましたが、施設では看護師4人でシフトを回しているので勤務の都合上なかなか会えず、相談もできない→全て自分の経験上による判断が求められる、というのも病院勤務との違いです。

また今回私が就職した施設は病院系列の施設ではなかったため、嘱託医も別にクリニックを経営しており、連絡したからと言って「では受診してください」というわけにもいかず、当番医や、救急病院受診を勧められることも多々ありました。そのほかにも、家族との連絡、受診するのであればその病院への連絡、利用者が名称不明な内服薬を持参した場合、かかりつけ医に連絡して薬剤の情報を求めるなども、全て看護業務の一環でした。

病院勤務の時のチームナーシングと違い、1人で全ての連絡をとりながら、一瞬一瞬の自分の判断がすべてを左右する状況だったので、仕事は毎日緊張感があり、その分働き甲斐がありました。

3.子育てと仕事の両立はできたのか

私は「日勤パート看護師」として9時~16時まで勤務し、うち休憩は一時間。一週間の内、月~金までの3日間程度出勤し(扶養範囲内のため)土日は保育園がないので必ずお休みをいただいていました。保育園は「保育短時間(8:30~16:30)」で申請し、大体間に合うことができました。
また保育園行事は大体土曜に設定されていたので、行事ごとも問題なく参加できていました。

全体的に問題なく両立できていたと考えますが『利用者に急変があった場合』『受診付き添いした場合』『入院となった場合』になると、各医療機関への連絡はもちろん、サマリー作成も一人で行うことになるので、16時に終われず、延長保育を利用することが月に4~5回ほどありました。

しかし、入居者に異常がなければ定時通りに帰れる日もあったので、そちらは病院ともあまり違いがないように感じました。

4.病院から施設に転職して大変だったこと

転職して、一番「大変だ」と感じたのは、やはり施設勤務者の大多数が「介護士」さんなので、「何が異常」で「何が正常」なのかの違いを伝えるのが大変でした。
例えば「熱が出ている」との報告があった場合。「いつから熱がでている」のか「表情はどうなのか」「自覚症状はあるのか」「いつもとどう違うのか」などを聞いた場合、すぐに返ってこないことが多いので、別の場所にいても、その場にすぐ向かい、自分の目で確認しながら観察するほかない、という状況がちらほらあったのが大変でした。

また、実際に行ってみると「寝たきりの利用者さんで暖房つけっぱなしなのに厚着していた」という事もあり、衣服の調整や、換気、温度湿度の調整はどうなのかも、こちらで確認しなければならなかったのは苦痛でした。
すぐ異常を報告してくれる介護士さんもいれば、まったく報告せず、急変してから気づく介護士さんもいたりで、オープンして間もなく施設内での意識統一が浸透していない状況での勤務は大変で、そこも病院とは違うな、と感じました。

5.特養で働いていてよかったこと

まずは「子育てとの両立ができていたこと」です。大変な勤務でしたが、夜勤もなく、何もないときは「利用者との交流」もとても楽しかったです。
以前の病院勤務の時は急性期だったので、患者様と仲良くなったと思ったら退院というのが常だったので、今回のように基本的にはずっと同じ利用者様と、その家族と関われるという環境は新鮮でしたし、少しずつ信頼感を形成していく過程がとても心地よかったです。

まとめ

まとめとして、実際に特養で働いてみて「子育てと仕事の両立は可能」で、無理なく仕事ができたと考えます。
ただ、実際の勤務は病院と流れが全く異なるので、病院勤務で慣れていた方は慣れるのに「時間がかかる」というのと、また病院勤務時とは異なる「責任」が発生します。

そのうえで、「利用者様との交流」や「家族との関わり」を通して、自分の「知識」や「判断力」を高めたい方は、ぜひ老人ホームでの勤務をお勧めします。
看護師をしながら子育てと仕事を両立を考えられてるママナースさんの1つの選択として考えて頂ければ幸いです。

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