ケアマネージャーとして業務に就く上で、居宅系もしくは施設系のどちらかを選択する必要が出てきます。特にケアマネージャーの資格を取得したばかりの人は、最初はどちらの道に進んだ方が良いのかと迷わられる事も多いと思います。今回はこの2つの特徴をお伝えしていくと共に、転職に際してのポイント等も合わせてお話しさせて頂きます。
居住系とは?
居宅系とは、自宅を中心としたご利用者一人一人の生活を支援するケアマネージャーの事を指しています。地域に点在する「居宅介護支援事業所」と呼ばれる民間が運営する事業所に勤める事となるのですが、その業務内容の中心はケアプラン作成や給付管理業務とはなります。
その他にもご利用者やご家族、他のサービス事業者等との連絡調整、加えて介護保険そのものを利用するわけですから、適正にサービスが提供されているかの確認が必然的に求められてきます。更には、ケアプランを発行交付するためにサービス担当者会議の開催等、ケアマネージャーとしての基礎的な知識や能力以外にも、同時にスケジュール調整やセルフマネジメント能力が強く求められる現場でもあります。
単にケアマネージャーと言うと、パソコンとにらめっこしているというイメージもあるかもしれませんが、実際には事業所に滞在している時間の方が少ないのが現状です。日々の業務に重なる形で、イレギュラーな対応を迅速に求められる事も多々あるため、朝から晩まで慌ただしく駆け回っている姿を見る事も決して珍しくありません。
このように書き連ねると、居宅ケアマネージャーはとても忙しそうだと敬遠される方もいるかもしれませんが、常に介護保険制度に対して矢面に立っているという状況が故に、いち早く時代の変化にも気づく事ができるというのは大きなメリットとなります。強いてはケアマネージャーとしてのスキルアップにも繋がるため、忙しいからこそ得るものも大きいと言えるでしょう。これから初めて居宅系のケアマネージャーとして就こうとする場合には、実務者研修テキスト等を読み返し、介護保険制度の流れや保険請求業務等も含めた基本的な知識をしっかりと記憶理解した上で臨む事が大切です。
施設系のケアマネージャー
一方で施設系ではケアプラン作成が主となってきます。施設サービスでは、その施設の中で基本的なサービスがすべて提供され、完結するために居宅系とは大きく違いサービス事業所と個別的な調整が必要とされず、またご利用者もその施設に住まわれているために訪問に行くといった事も必要ありません。
つまりは一つの施設の中ですべてが完結してしまうため、居宅系と比べても業務も煩雑ではなく、すっきりとまとまっているのです。給付管理業務も居宅系と違い単位数が固定であるため、一つ一つの請求も簡明であるため、大きく手を煩わされる事もありません。
先にも述べたように施設内であらゆる事が完結してしまうが故に、注意しなければならないのは、例え施設であっても居宅と同じように自立支援を中心とした介護サービスが提供されていなければならないという事です。
分かりやすく言えば、介護職員が24時間滞在しているためにご利用者もお願いや依頼を常にできる環境に在るという事です。そのため本来ご自身でできる事でもちょっと面倒くさいからやって欲しい、あるいは他の人もやってもらっているなら自分もお願いしたいと、そんな心情にかられてしまい、介護者もついついやってしまうという事も珍しくありません。これでは介護保険利用の意味合いも、ケアマネージャーが作成したケアプランの意義も成り立ちません。
このような良くない意味での過剰もしくは不必要なサービス提供を防ぐためにも、施設ケアマネージャーは施設職員に対しても、正しい介護保険の利用方法やケアプランに対してもしっかりと周知させる義務が生じてくるのです。
まとめ
ケアマネージャーとして、単純にスキルアップがし易いという観点だけで二つを比較すれば、居宅系の方に手が上がるのは致し方ありません。
やはり環境的に様々な情報が飛び込んでくる事もありますが、業務量の多さとその全てがいずれもスキルアップに繋がっているためです。
しかし、ケアマネージャーを初めてやるのであれば居宅の方が絶対に良いかと言えばそうではありません。
私自身初めてのケアマネージャーとして業務についたのは施設でしたし、その理由としてはより身近にご利用者の傍にいられるからと考えたからです。ご利用者の心情や現場職員の動きを見ずして本当の意味で公平中立な立場でのケアマネージャーになれるのかと疑問を感じていたからです。
正直どちらが正解という事はありませんが、今迷われている人も自分がどんなケアマネージャーになりたいのか、そこでどんな事をしたいのか、という事をまずははっきりとさせてみて下さい。
どちらに進んだとしても、そこでしか得られない貴重なケアマネージャー体験に繋がる事だけは両方を体験した私の経験からも保証させて頂きます。
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